女性天皇 (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202625

作品紹介・あらすじ

推古以来、飛鳥朝から奈良朝にかけて、六人の女帝たちが誕生した。これほど多くの女帝たちが集中して登場した時代は、世界史的にみても例がない。女帝が役割を終えるのは、平安初期に皇太子制度が整備されたことによるが、女帝はどうしてわが国に、それも古代に集中して登場したのか。皇位継承の中で果たした女帝の役割は、何だったのか。元明天皇即位の詔に出てくる「不改常典」という言葉に隠された、真の意味とは?本書は、女性天皇という存在に光を当てることで、古代の王権の知られざる相貌を浮き彫りにする。皇位継承のルールを解き明かした、新たな古代日本史。

感想・レビュー・書評

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  • ジェンダー論に賛同する先生だった(´・ω・`)
    とはいえ性差排除強調ではなく古代の実態を詳らかにして、むしろ古代女帝は男系社会だから生まれたいびつさを論じている

    中継ぎ的な役割から生まれた女帝、皇位継承に伴う争いを解決するために活用されていたのが「即位と立太子」セットで行われるようになり役割を終えたとしている

    兄弟による継承など天皇が30才過ぎなければ執政に耐えられない時代と異なり、太政天皇・太政大臣・摂政・関白など少しずつ天皇親政から変化してきたためだろう

  • 古代女性天皇がどうして生まれたのか、その背景と彼女たちの生き方を史実に基づいて探る。著者の論によると、女性天皇は男系社会の中で影響力がないことを期待されて即位したとのこと。いわば、つなぎに近い。その束縛の中で、懸命に己の役割を果たした元明や元正、孝謙天皇らはけなげに見えてきた。

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著者プロフィール

1947年大阪府生まれ。京都女子大学大学院修士課程修了。京都女子大学文学部講師等を経て、1994年同大学教授。現在、京都女子大学名誉教授。文学博士(筑波大学)。専攻は日本古代史(飛鳥・奈良・平安)。主な著著に『平安建都(日本の歴史5)』(集英社)、『日本古代宮廷社会の研究』(思文閣出版)、『最後の女帝 孝謙天皇』『奈良朝の政変と道鏡』(ともに吉川弘文館)、『女性天皇』(集英社新書)、『藤原良房・基経』(ミネルヴァ書房)、『光明皇后―平城京にかけた夢と祈り―』『持統天皇―壬申の乱の「真の勝者」―』(ともに中公新書)がある。

「2022年 『聖武天皇 「天平の皇帝」とその時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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