無の道を生きる-禅の辻説法 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087204599

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  • 禅の本は数あるがこの住職の著作は考え方、語り方や生きてきた様などがとても親しめ元気になる!

  • [ 内容 ]
    人間本来無一物。
    いちど死に切って楽になれ。
    正真正銘の「正味」の生き方の真髄を異色の名僧が語る。
    京都仏教会を束ね、物言う禅僧として世界レベルで行動し、伊藤若冲の「動植綵絵」展などを催した承天閣美術館の館長としても名高い著者が、その数奇な人生の中で禅の心と共に培ってきた正味の生き方。
    そこには、現代の迷う心を解き放つ知恵が満ちている。
    覚えておきたい禅語・仏教用語解説つき。

    [ 目次 ]
    第1章 禅って、なんやろ?(そもそも禅とは?;体験こそが、唯一の禅の道 ほか)
    第2章 人を育てる(何よりもつらかった孤独;人の上に立つ人間は、人々のために全力を尽くす責務がある ほか)
    第3章 人を動かす(「やり方」さえ知っていれば、ものごとはおのずから動く;黙って成り行きを見つめていれば、落としどころは見えてくる ほか)
    第4章 文化を育てる(花街は京都が誇るべき文化である;何百年先の未来に、この文化を残すためにすべきこと ほか)
    第5章 生きること、死ぬこと(臘八大接心の苦行を乗り越えると、まったく新しい世界が開ける;乗り越える醍醐味は、一度知るとやみつきになる ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 無の道を行くこと、簡単ではないけれど、無の自分を意識していこう。体験して経験して納得していく、その回数が多ければ多いほど人間として成長する、という有馬さんの言葉は重い。読んでいて涙が自然に流れるのは何故なのか。うまくいかない今が、自分を磨くチャンスだと思える。生かされている自分、ちっぽけな自分を好きになろう。

  • 「門より入る者は是れ家珍にあらず」
    外から入ってきたものは宝ではない、自分の中から啓発されて、でてきたものこそが宝なんだよ。というもの。
    それは、たとえるなら知識と会得の違い。
    知識で分かったとしても、会得したことにはならない。(p178)

    人は、生きているうちに死に切る必要がある。
    何か物事にぶつかったとき、徹底的に自分をなしにしてしまうこと。肉体としての命を絶つという意味ではない。精神的に、我も欲も殺して、自分自身という存在を消してしまう。いったい私は何者なのか、夢か、幻か。そこまで自分自身を追い込む。
    そうすると、いつの間にか目の前がぱっと開ける瞬間が訪れる。(p201)

  • 本来無一物。
    自分自身の存在そのものが、そもそも無であり、空である。
    事実は死と生のみ。
    その間に得たり起こったりするものは、全て仮のもの。
    まさに諸行無常。

    こういう教えを知ることができただけで
    この本を読んだ甲斐がありました。
    下手なカウンセラー本よりも役に立つと思うし
    生きる指針を与えてくれます。
    やはり、古代から教え伝えられてきたものは説得力があります。

    著者は波瀾万丈な人生を送られてます。
    だから、読んでいても退屈しません。
    禅のことも、とてもわかりやすく解説してくれています。
    著者の京文化を守り伝えようとされている考え方にも
    とても共感できました。

  • タイトルから想像していたよりは、かなり「俗」な辻説法だ。といっても、けっして低俗という意味ではない。専門用語を連ねて読者を煙に巻くのではなく、地に足の付いた言葉で、禅の道なるものを一般人に解りやすく語ってくれる。さて、その禅とはなにやという解であるが、 「体験こそが唯一の禅の道」「肝心なことは、”何も考えない”こと」とと記されている。言葉では簡単だが、八日間寝ずの修行もあるという。心身に鞭打つ八徹夜ならまだしも、食事以外はひたすら座禅の八日間らしい。無の境地とは、そうして到達できるものらしい。「考えない」というのも俗人には相当難儀なものだと思う。--- 2009-02-09

  • なんとなく面白かった。
    ってか文章がわかりやすい。

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著者プロフィール

現代日本の仏教界を代表する禅僧。臨済宗相国寺派館長、金閣寺・銀閣寺住職。京都仏教会理事長、「宗教者九条の和」呼びかけ人。久留米藩藩主有馬家(赤松氏)の子孫。

「2020年 『宗教者と科学者のとっておき対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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