化粧する脳 (集英社新書 486G)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087204865

感想・レビュー・書評

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  • 化粧をしないのは言葉を選ばずに何でも口に出してしまうのと同じ

    著者は化粧の重要性を語り男性も見習うべきだけど難しいといっていた。余計になぜ化粧は基本女性がするものであり、女性は普通化粧をするものだという風潮があるのか気になった

  • 鏡に映った自分が自分だとわかるかどうかというテストの「ミラーテスト」に最近ホンソメワケベラという魚もパスしたというニュースがあってビックリした。
     
    茂木健一郎って、ジェンダー的な話をすると女性については普通にリベラル(?)な感じがするけど、男性については古い感じが(たまにけっこう攻撃的に?)端々に出てるバランスがちょっと不思議。

  • 化粧というタイトルに惹かれて読みました。
    ですが、想像以上に難しかったです。

    最初は化粧の話でしたが、後半は、脳科学、人間の心理などの話が多かったです。茂木健一郎さんがなぜ化粧の本を書いたのだろうと思いましたが読むにつれて納得しました。
    女性がなぜ化粧をするのかということのほかにも、コミュニケーションの話、宗教の話などを化粧と関連付けて書かれてあり面白かったです。

  • 化粧は女にとって、ただ単にマナーとしての意味だけでなく、スイッチの切り替え。
    人の為ではなく、自分の為にする大切な儀式のようなもの。
    また、「女」と「オバさん」の違いには思わず納得してしまった。
    いくら見た目を綺麗にしていても、思っていることを片っ端から言葉にしてしまえば確かにそれは「オバさん」である。
    顔の化粧ももちろん大切だが、それ以上に「言葉の化粧」を大切にしていきたい。

  • 茂木氏のエッセイで、「化粧」を真正面に捉え切れていないような感じがした。思い付きでしかないような。
    恩蔵絢子氏の研究がベースということで、この本に収録されている恩蔵氏の文章は論文のサマリーで、これはさすがに根拠のある話題提供にはなっていたが。
    キーワードとしては、コミュニケーション、鏡、顔、メタ認知あたりか。
    美と権力の結びつきに関する話題は、確かに、と思ったところ。なぜか?「美」ということももっと掘り下げてみたいテーマだ。

  • 鏡を見るのはたいせつなことかもしれない。

  • 請求記号:SS/491.371/Mo16
    選書コメント:
    脳科学者である著者の書籍は数々あるが、この書籍は人間の顔や外見と脳の関係について書かれている。脳の不思議と面白さを知ることができるとともに、自分の外見を移す鏡よりも大切な鏡があることにも気づかされる。
    (環境創造学部環境創造学科 橋本 みのり 講師)

  • テレビに出演している茂木先生は、フレンドリーで、このような重い示唆が似合わないように感じるが、自分自身には自己同一性、他者には一貫性を求めてしまいがちな私たちにとって、非常に有益な視点を与えてくれる。

    他者は自分の思いどおりには決してならず、自分とは決定的にことなっている。しかし、自分とは異なるからこそ、さまざまな体験をもたらしてくれる存在である。化粧はそのような他者との出会いを促し、他者とのかかわり合いの中で新たな自分を発見させ、自分を変化させていく。

    化粧は、自分を際立たせるというよりも、むしろ自分を相手と同質化させることによって相手を受け容れ、コミュニケーションを円滑にすることを目的として行われる行為なのかもしれない。'09年発行と新しい本ではないが、化粧という切り口は新鮮な断面を見せてくれる。

    人間はみな、<ふり>をして生活している。接する相手によって態度を無意識的に変えている。他者との関係性において、自己のあり様は大きく左右されている。自己の人格は他者の数だけ多面的であり、可塑性の高いものなのだ。確固たる単一の自己は存在しない。
     
    テレビに出演している茂木先生は、フレンドリーな方で、このような(見方によっては)重い示唆が似合わないように感じるが、ついつい自分自身には自己同一性、他者には一貫性を求めてしまいがちな私たちにとって、非常に有益な視点を与えてくれている。

    小林秀雄さんの言葉ではあるが以下の文章が印象に残った。
    個性というものは、オリジナリティというようなものではなく、むしろスペシャルティである。オリジナリティのようなものは、誰にでもあるものであり、突破しなければいけないものである。多くの人が個性を表そうとするが、それを乗り越える精神こそが個性であり、そのうえで普遍的なものを表すのが芸術だ。個性などは、どんな人にでもある。それは到達点などではなく、むしろ『出発点』に過ぎない。個性から出発して『普遍』に至ろうと努力することが大切なのである。

  • カネボウ化粧品との共同研究に端を発して書かれたのだろうか。
    少しだけ見出した化粧と脳の関係性を、伸ばしに伸ばして、挙句薄っぺらくなってしまった感が否めない。
    とはいえ、興味を惹かれる内容もあった。
    他者からの視線を意識して化粧をするという行為は、他者の視線を取り込むことであり、それによって他者とのコミュニケーション能力を向上させているという。
    確かに、他人の視線を意識し、自分をよく見せようというのは、化粧と言う外観に限らず、円滑なコミュニケーションという形でも現れる。

    そして、我々は鏡を見なければ自分の顔を見ることはできない。
    しかも、鏡を見たところで、鏡に映る自分の顔は実際の顔と左右反転しているのである。
    自分自身が自分の正確な顔を普段は見ていないのである。それは声にも言える。
    録音された自分の声を始めて聞いた時の衝撃は、今でも覚えている。
    写真を見て、なんとはなく違和感を感じるときがあるがそれも普段見ている顔と若干違うからなのかもしれない。

    恩蔵絢子氏のジェームズ・タレルの「光の館」での体験も興味深かった。
    自分の姿を確認できない状態で、それが他者の目に触れるかもしれない恐怖心というのは、鏡という道具を持ち、それを使っている我々には当然の反応だと思う。
    鏡が、他者の目を意識させ、人々は身だしなみや化粧をするようになった。
    鏡とは社会にとって大きな変革を促した道具でもあるようだ。
    そのような社会で生きる我々にとって、化粧をすることは社会的生活に必要不可欠なのだろう。

  • 化粧という女性ならではの行動の謎について、脳科学から解明している一冊です。
    非常に読みやすく、頭にすっと入ってきます。
    化粧と脳の関係という新しい切り口は面白いと思います。

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著者プロフィール

脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授。「クオリア」をキーワードに、脳と心の関係を探究しつづけている。1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。
著書『脳と仮想』(新潮社、第4回小林秀雄賞受賞)『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房、第12回桑原武夫学芸賞受賞)『脳とクオリア』(日経サイエンス社)『脳内現象』(NHK出版)『感動する脳』(PHP研究所)『ひらめき脳』(新潮社)ほか多数。

「2013年 『おぎ・もぎ対談 「個」育て論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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