<ヴィジュアル版> 藤田嗣治 手しごとの家 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205190

作品紹介・あらすじ

日本人の美術家として初めて国際的な美術界と市場で成功を収めた藤田嗣治。彼はまた、当時の男性には珍しく、身のまわりのものをことごとく手づくりし、暮らしを彩った、生活の芸術家でもありました。裁縫、大工仕事、ドールハウス、写真、旅先で収集したエキゾティックな品々…。本書では絵画作品にも描かれた、藤田がこよなく愛したものたちに焦点を絞り、そのプライベートな非売品の創作世界を解きあかします。本邦初公開の藤田撮影の写真、スクラップブックなど、貴重な図版多数をカラーで掲載。ここに現代美術の先駆者としての藤田嗣治が、蘇ります。

感想・レビュー・書評

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  • おかっぱ頭でちょび髭がトレードマークなその人は、藤田嗣治さん。
    アーティストとして日本人で初めて海外で成功した方。
    そんな藤田さんの画業意外の横顔が写真と共に紹介されています。


    全く世間に知られていないその日常の作品たち。
    家族の服、インテリア、日用品、額縁。
    蚤の市や各国で集めた職人仕事をカスタマイズしたもの。
    家のリフォーム、写真などなど。
    (しかもプロレベルのクオリティでした)


    そんな多岐に渡るプライベートな作品たちは画業と並行して生まれたようです。
    古き良き職人仕事へのリスペクトと新しい分野への飽くなき好奇心が感じられました。
    藤田さんの独創的な「乳白色の下地」は、これらの手しごとが礎になっているのでしょうか。


    本業の作品の中にも描き込まれているようなので、探してみるのも楽しいかもしれません。
    藤田さんの新しい魅力を発見した1冊でした。

  • 天才画家 藤田嗣治について、絵以外の仕事(手しごと)を紹介する本。

    「この一見、気軽で華やかに思える本の隠しテーマは「遺品」です」(「おわりに」より)。
    急逝されたという父上の三回忌を控え、ほぼ手つかずの遺品を前に唖然とする著者の述懐、「この世に存在するものはすべて誰かの遺品か、もしくは未来の遺品だと思うと、また日々の生活が違って見える気がします。」に共感!

    • はるけるさん
      藤田嗣治の絵画を最近、美術館で見て、こちらの書評を見かけ、興味が出ました。ありがとうございます。
      藤田嗣治の絵画を最近、美術館で見て、こちらの書評を見かけ、興味が出ました。ありがとうございます。
      2018/10/24
    • ゆきさん
      あら!コメントに今気付きました。ごめんなさい。そしてありがとうございます。
      藤田嗣治に興味を持たれるきっかけになったとのこと、うれしいです。...
      あら!コメントに今気付きました。ごめんなさい。そしてありがとうございます。
      藤田嗣治に興味を持たれるきっかけになったとのこと、うれしいです。よく知られる一面とは違った面がわかる1冊ですよ。
      2019/01/05
  • 結構可愛くて良い感じです。。。

    集英社のPR
    知られざる手しごとで読み解く、新しいフジタ!
    「戦争画」「乳白色」といった絵画中心の切り口とは異なる、新しい芸術家・藤田嗣治論。裁縫、大工、写真など、藤田が遺した膨大な“手しごと”をサントリー学芸賞を受賞した気鋭の美術史家が読み解く。
    http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-720519-0&mode=1

  • ふむ

  • 藤田の初期の滞欧時代の作品が好き。
    身の回りにある雑貨や風景、人々をこれほど愛しく描いている日本人は当時いなかったのではないかと思う。
    写真が多く、見ているだけで楽しかった。
    自分で服まで作って着ていたとは恐れ入る。
    文章は余りじっくり読まなくて申し訳なかったけど。

  • 都美術館で、「藤田嗣治展」鑑賞。
    表紙の額縁の実物も見ました。(思ったより大きい)
    ほんとに絵がうまい。センスが良い。
    そのうえ、なんでもかんでも作るのが好き。手作りの喜び。マメ。
    あと、明治男にしては(というのも偏見だけど)ものすごく「ガール度」高い!
    布地の模様フェチ。わかるわ〜。

  • 見かけだけで性癖を誤解されたのもやむを得ないか。創造者は常に孤独なのかもしれない。

  • 多少風変わりな、自分だけの好みの、特殊の空気が欲しいのである。

  • 藤田さんのお家の中の細々した物に描かれた物達。
    とても居心地が良く、気持ちよく暮らせそうなお家。
    素敵です。

  • 藤田嗣治の多様な活動と才能をしらしめてくれる労作です。藤田の才能の発露か、努力の賜物か、あるいは時代の追い風か、それはよくわかりませんが、羨ましい多能ぶりです。

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著者プロフィール

林 洋子(はやし・ようこ) 1965年京都生まれ。東京大学大学院、パリ第一大学博士課程修了。東京都現代美術館学芸員、京都造形大学教授を経て、現在文化庁芸術文化調査官。博士(パリ第一大学)、専門は美術史、美術評論。著書に『藤田嗣治 作品をひらく』(名古屋大学出版会、サントリー学芸賞受賞)など多数。

「2016年 『藤田嗣治 妻とみへの手紙 1913-1916 上巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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