創るセンス 工作の思考 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205312

感想・レビュー・書評

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  • 2010.03.28 朝日新聞に紹介されました。

  • 20100328朝日新聞書評

  • 物を作ることに対する著者の思いが分かりやすく綴られている。私も工作が好きだが、自分よりも上の年代の方々の方が高度な工作を体験されていると感じていたが、これほどまでに年代による差があるとは思わなかった。著者は時代背景を理由に挙げ、個人の責任ではないと言明しているが、このまま放置しておくことで技術者のレベルの低下が不可避であることは自明であろう。子どもの将来を憂うならば親が手本を示さなければならないという思いをいっそう強くさせられた。

  • 以前、ものを作る仕事に就いていた。後輩を指導して、ものをどう作るのかを教えていたこともあった。その際に毎回思っていたのは、自分がもの作りに悩んでいた時の環境と、他人のそれとはずれがあることだった。その差をどう埋め、どう指導していくかを常に気にしていた。「創るセンス 工作の思考」は、もの作りとは結局どういうことか、というのを簡潔に説いた本である。著者のブログにて時たま見受けられたものがこの本1冊に凝縮されている。

  • 森さんのエッセイ、好きです。

  • ざっと斜め読みしてみたい。優先順位中の下。

  • とても前向きになれる本だった。

    自分の手で工作することは、自分の人生を自ら作っていくということである。

    今はメーカーやメディアが、新しい娯楽を考え出しては世間に提案している。

    無数の娯楽がいくらでも自分の方を向いていて、
    僕らはこれらの作られた娯楽を選別してこなしているに過ぎない。
    個性や趣味が、この選別の仕方によって括られてしまう。
    つまり個性や趣味は、誰かが作ったものによる世界に過ぎない。

    テレビやインターネットが分かりやすい例で、
    自ら選択しているように見えて、
    実は誰かが作った楽しいことを受け取っているだけである。

    工作とはその逆であり、自ら楽しいことを作っていく。
    同時に楽しくない場面(苦労など)も自ら作り出すため、思考が発生する。
    その思考の仕方が個性であり、この活動が趣味と言える。

    そして自分の持つ創造性に基づいて、新しいものを作るという体験は、
    自分の人生そのものであるということだろう。

  • 購入:2010/2/28、読了:-/-/-

  • 技術のこつ・衰退を憂える森博嗣。実際に「物」を使って手で作るということが減っているから確かに困ることも多いと思う。
    技術を数値化して平均的な物はできるかもしれないけれど、独創的と呼ばれるような物はできないんだろうなと思ったし、今のトヨタ・ホンダ・ソニーの衰退はこういう所から始まっているのではないかとも思えてしまった。

    プログラマとして設計だけできればいいという人も多いかと思うんですが、やはり作ってみないとだめですよ。その上でプログラマも工作者ではない。
    その点、Makeなどでいろいろ経験してみるのもいいのかもしれない。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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