- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087208047
作品紹介・あらすじ
少子化対策に目覚しい成果をあげて全国の自治体関係者から「奇跡の村」と呼ばれている長野県下條村など、独自の移住促進策で「消滅論」に抗う各地の山村を取材した、希望のルポルタージュ。
感想・レビュー・書評
-
SDGs|目標11 住み続けられる まちづくりを|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685783詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少子高齢化と人口減少により「地方消滅」が叫ばれて久しい。
そんな中、長野県下條村は、全国の自治体関係者から「奇跡の村」と呼ばれている。
少子化対策に目覚ましい成果をあげてきたからだ。
その秘密はどこにあるのか?
この下條村を中心に、独自の移住促進策で、「消滅論」に抗う各地の山村を取材。
この先の社会に光を点す、希望のルポルタージュ。(2015年刊)
・はじめに
・第一章 奇跡の村「下條村」
・第二章 消滅可能性ナンバーワン?「南牧村」を訪ねて
・第三章 人をつなげる役場職員「旧・藤野町」
・おわりに
全体的に、さほど深い分析があるわけでもなく、ありがちなルポルタージュと言っては失礼だろうか。それでも、手に取ったのは、次の記述が面白かったからである。
下条村の例であるが、公務員が民間で研修(職場体験)するというのは、ある種の流行であるが、村長目線の「外の世界を体験したことで、意識は大きく変わり、やる気になった」という言葉と、職員の「そもそも役場の仕事ではないので、研修で意識改革がされたという感じではありません」という感想の対比が面白かった。
国の補助制度をうまく活用することを、したたかと評価しているが、これは、
地方公務員としては至極当然のことであろう。問題は、自治体によって、主体的計画的に利用している場合と、行き当たりばったりの場合があるということなのだろう。
地方が再生するために必要なことは、
人を得ることが出来るかどうかなのだろう。本書の、下條村は、村長に人を得られ、南牧村は、協議会に人を得られ、藤野町は、役場職員に人を得られた。
創業は易く守成は難しと言われるが、当初と変わらぬ情熱を持って、取り組むことの難しさを感じる。人材を絶えず供給できるのか、継続して取り組むことができるのかは、小さい組織の課題であろう。
読むのにさほど時間はかからないので、全国の中には、このような自治体があるのかと知り、刺激を受けるには、お手軽な本と言える。 -
東2法経図・開架 318.6A/A25k//K
-
地方再生に成功している町について書かれた本は多い。
他の本と比較して、掘り下げて書かれている○。 -
自治体消滅という衝撃的な本が出た後、そうではないですよ、きちんと自立している奇跡の村がありますよ、という本である。
著者は、地方自治の取材で全国各地を歩くようになって20年のベテランだ。
今回、三つの事例を紹介してくれている。
あとがきで書いているが、地方創生を導くキーワードは「ひと」「地域」「つながり」「循環」「自給」「共存」「多様性」「楽しむ」といったところではないかとおっしゃる。
都会からの上から目線、特に、ひも付きのお金をいくら霞が関が示しても、今回紹介された下條村のカリスマ村長伊藤喜平氏のような方にかかったら、国も赤っ恥を掻くだけだ(笑)。
ましてや、この村長さんは、国政選挙前に国がばらまく、ひも付きでないお金をうまく利用してしまっている(最高)。
そんな、うまい話をうまくゲットできる事務処理能力、スピード感。
結局、合理的な考え方を持ったリーダーが、組織の意識改革、スキルアップをきちんとしておれば、いいのである。
そして、地域の人も、自立する村づくりのすばらしいパートナーとなってしまっているのである。
他の二つの事例も感動いたしました(笑)。 -
20151030 誰かがしてくれる。では、やりたい事は実現できない。一人でもやりたい事を実現するために努力をすれば人が付いてくる。読んでいて元気になってきた。地方政治についての参考事例だと思うが都会でもできない事では無い。そんな気にさせる本だ。