あなたの隣の放射能汚染ゴミ (集英社新書)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208719

作品紹介・あらすじ

原発事故で生じた膨大な量の放射性廃棄物。これらは今、どこにどのように存在するのか。またこのゴミが、全国の公共事業で道路の下に埋められる。なぜこのような愚行がまかり通るのか。真相に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 除染土再利用に関して《防護策が、再利用政策ではまったく考慮されていない》と書かれている。

    だが、これから検討すると一次資料にはある。
    終始、騙しばかりの読む価値のないゴミ本でした。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/498699069.html

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685690

  • 政府や各省庁が物事を決める時にどういったやり方で落とし込もうとするのか、がはっきりとこの事例に現れている。公表されない情報、名目上の会議、決定は裏で、責任者の所在はうやむやに。
    原発事故に限らず、今後もずっと、すべての問題においてこのやり方で物事が進むことがいかに私たちにとって脅威となり、取り返しのつかない事態になるかが端的に説明されているので放射能ゴミ云々よりはるかに深刻な問題として読んでもらいたい。

  •  この本を読んで、随分前に読んだ有吉佐和子の「複合汚染」を思い出した。こちらのテーマは食品添加物だが、当時最も印象的であり衝撃だったのは、添加物の許容量が、健康への影響によってではなく、これ以上基準を厳しくされたら困るという企業の都合によって決められていることだった。
     著者は丹念な調査により、福島第一原発の爆発により汚染されたゴミの処分についても、全く同じことが起こっていることを本書において明らかにしている。
     原発のせいで居住できない地域があまり広範囲になるのは国策上好ましくない~では、安全基準を緩くして帰還させよう。
     帰還、居住のための除染作業で出た放射能汚染ゴミ等の最終処分場確保はできそうにない~では、汚染ゴミを再利用することにしよう。
     でも放射能汚染濃度が国際的安全基準であるクリアランスレベルを超えてしまっている~安全基準そのものを変えてしまおう。
     直ちに放射能が漏れだすわけではない、後のことなど、どうにでもとぼけられるのだ。
     こうした流れで、放射能汚染ゴミが道路建設などの公共事業に使用され、全国にばらまかれようとしている。しかも主導しているのは、公害を契機に設立された、国の組織環境省である。やりきれない気持ちになってくるが、こうした動きに抵抗している自治体もある。また、原子力規制委員会もこの「再利用」には疑義を呈しているようだ。
     残念ながらこの国の中枢は、命や倫理を最も大切なものとは考えていない。権力に抗うのでなく、権力者を守る役割を担って恥じない物書き、評論家も多数いるなか、著者のような人間には本当に勇気づけられる。今後の動向を注意して見ていくためにも、是非多くの人に読んでほしい本である。

  • ちょっとしたヒントをもとに、様々な物語を紡ぎ出す。作者の才能がすばらしい。その物語は独特の世界で、不思議な気分にさせてくれる。

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著者プロフィール

第1章、第7章
ジャーナリスト。衆議院議員の政策担当秘書等を経て、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(工学)。著書に『四大公害病 水俣 病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害』(中公新書、2013年)、『水資 源開発促進法 立法と公共事業』(築地書館、2012年)など。

「2015年 『社会的共通資本としての水』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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