- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087208931
作品紹介・あらすじ
米ソ対立の冷戦終結から四半世紀経ち、世界各地に複数の覇権の競合関係が生まれている。その狭間で、日本が生き残るためには何が必要なのか? その鍵は日・韓・台の連帯にあり。論客ふたりが熱く語る。
感想・レビュー・書評
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この本は、内田樹さんの読書会に参加するため、とりあえず一冊読んでおこうと府立図書館で借りて、急遽読んだという経過です(笑)。
はじめに に書いていますが、日本・韓国・台湾の連携の夢――これがボクらの生きる道 ということでまず内田さんが問題提起し、姜尚中さんが応答し、また問題提起し、議論が深まっていくという形でお話が続いて行くという対話本でした。
序章 問題提起――自由主義はなぜこれほど脆かったのか
第1章 リベラルの限界――「モビリティー」に無力化された自由主義
第2章 ニッチな辺境国家が結ぶ新しいアジア主義の可能性
第3章 アジアの連携を妨げる「確執」をどう乗り越えるか
第4章 不穏な日本の行く末――たどり着けるか「日本の生きる道」
おわりに アジアの辺境「虚妄」に賭けるーこれがみんなの生きる道
でした。
反共法の弊害―マルクスを知らない韓国の人々
日韓の溝を埋める感じの復活
市民デモで政権を変えた初の快挙
ありうるトランプ大統領の弾劾・失墜
アメリカの国力の源泉はカウンター・カルチャー
早く動きすぎたあ安倍の誤算
日本のナショナリストはただのエゴイスト
などなどについて、二人の深い洞察力が面白かったし、納得できる論理でした(笑)。
これで、一応明日の読書会に辛うじて参加できる最低限の資格が得られたのでしょうか?
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自由の概念が"機動性"になってきてない?
ってとこ新しかったです
自分にとって
フリーダムはなんなんだろう?
って
ちょこっと
考えたけど
やめた!
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アメリカとの安保から日本、韓国、台湾から成る3国協同の新しい安保体制へと変わるべきということが昨今の政治、国際情勢を交えながら語られています。
「日米安保の実在よりも、アジア辺境の虚妄に賭ける」
ここで話されていることは虚妄なのでしょうか。でも、未来とは虚妄であり、そこにしか希望もない気がします。 -
読了。なんとなく、未来をワクワクさせてくれる本である。
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姜尚中さんの「日本の隠ぺい体質」の指摘がズバリと刺さった。
今の一連の忖度事件をはじめ、先の戦争が泥沼化していった過程などの日本の誤った歴史は大抵それが原因だと気付く。
※内田センセーの主張はいつも通りなので… -
面白いのだけれど、☆を1つ減じたのは本書の目論見である「明るい未来像の提示」よりも、現状への不満が多く述べられていたような気がするから。
もちろん現状の分析があっての未来像だとは思うのだけれど、もっともっと「どんな可能性があるのか」という点について聞きたかったので、その分が残念でした。 -
私の好きな作家,内田樹さんと姜尚中さんの対談なんだから,面白くないわけがありません。
この二人は,いつも新しい視点を与えてくれます。
今回のテーマは,アジア。日本と韓国と台湾の連携で,新しい可能性が拓けていく…というのは,現実からみると無理そうに見えますが,そういう大風呂敷を広げないことには,いつまで経ってもアメリカの属国になっているだけです。
今回の安倍とトランプの外交を見ても,悲しくなってきます。
日本の右翼がどうして反トランプ,反安保にならないのか,不思議です。
韓国が植民地支配の反省から,漢字を廃止してハングルにしたために,若者たちが韓国の古典を読めなくなっている…という指摘には,なるほど…と思いました。英語を話せる力も大切かも知れないけれども,不易から学んでこそのグローバルだと思うんですがね。
ま,今の社会がグルーバル化しているということさえ,眉唾ですが。 -
日米安保の実在よりも、アジア辺境の虚妄に賭ける。一国の国力とは、よりよい未来を創ろうとするヴィジョンの提示力であり失敗から学ぶ復元力である。
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/686246