定年不調 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087210866

作品紹介・あらすじ

身も心もボロボロのあなたへ
しんどさの原因はこれだった

「定年不調」とは仕事中心に生きてきた50代〜60代の男性にみられる心身の不調を指す。
定年前後のストレスフルな状況や生活環境の変化にうまく対応できずに、体と精神が悲鳴を上げる男性は多い。
これは「男性更年期障害」による多様な不調の症候群なのだ。更年期という言葉に抵抗感や違和感を覚える人がいる。
しかし男性にも更年期障害があり、その諸症状は「男性ホルモンの低下がおもな原因ではない」と考える著者は、ホルモン補充療法を行わない治療を実践する。
心療内科の立場からも定年不調を見つめ、対処法と予防策を提示する。

■主な内容
・「定年不調」は「男性更年期障害」
・男性ホルモン、女性ホルモンの役割とは何か
・男性更年期障害の原因はホルモン量ではなくストレス
・定年前後は「メンタルの危機」
・定年不調のおもな症状をチェック
・定年不調は何科を受診すればいいのか
・心身を健康に保つ「セロトニン」が不足する
・更年期の不定愁訴は「自律神経失調症」
・私がホルモン補充療法をしない理由
・中年男性を襲うストレスの原因とは?
・遅くとも57歳から意識変革と行動を開始する
・妻を夫源病に追い込む夫のタイプ
・なぜ男性は孤独化・孤立化しやすいのか
・孤独死は3日以内に見つけてもらおう
・定年後は薬の種類や飲み方の見直しを
・定年後は体より心の健康を優先する

■目次
はじめに 「定年不調」は「男性更年期障害」
第一章 定年不調の実態は男性更年期障害―その原因と症状
第二章 男性更年期障害の治療
第三章 定年前後のストレスケアで意識変革
第四章 妻の「夫源病」を理解できるか
第五章 男の孤独、孤立と向き合う
第六章 定年不調回避のための行動療法
おわりに 健康長寿とピンピンコロリは医学的に両立しない

【著者略歴】
石蔵文信(いしくら ふみのぶ)
1955年京都府生まれ。医学博士。
内科・循環器・性機能専門医。三重大学医学部卒業後、国立循環器病研究センター、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、
大阪大学大学院医学系研究科保健学准教授、大阪樟蔭女子大学教授などを経て、大阪大学人間科学研究科招へい教授。
2001年に全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を開設。日本自殺予防学会理事等。
夫の言動がストレスとなって妻の心身に生じる不調を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。
『夫源病』『男もつらいよ!男性更年期』など著書多数。

感想・レビュー・書評

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  • 「あきらめて楽しく行きましょう」。これが本音だそうである。 まー、ピークを越えて下り坂。最期には死んじゃうのですね。夫源病、妻との距離感。平和な夫婦生活を長続きさせる最大の秘訣は「仲良し夫婦を夢見ないこと」、そして行動療法など座右に置きたい傑作だった。

  • 高血圧の診断基準は上が140以上、下が90以上
    仕事をセーブして余裕ができた時間を利用し、自分は定年後どんな人生を歩みたいのか、仕事や働き方、余暇の過ごし方、パートナーや家族、友人知人との付き合い方なども含めてじっくりと考え、定年後の第二の人生を自分にとって理想的なかたちでおくれるよう、遅くとも57歳から具体的な行動を開始しよう。
    話を聞くコツは、傾聴を実践すること、相手の思いに寄り添い、相手が話したいこと、伝えていことを受容的・寛容的な態度で聞くコミュニケーション・スキル
    「アサーション」
    相手の立場や思いを尊重しながら自分も適切に自己主張する、公平で中立的な会話・自己表現法ポイントは3つ
    ・現在の状況を客観的に説明する
    ・私を主語にして自分の気持ちを素直に相手に伝える
    ・そのうえで相手に配慮した代替案や譲歩案を提案して相談する。
    定年後は自宅が生活基盤となるので、職縁よりも近所や地域の縁の地縁を重要視してこそ、人間関係が広がる。
    自分は人生の最期をどのように迎えたいか、定年前後・還暦(60歳)・古希(70歳)の機会に、また毎年の誕生日などに、死に向き合う時間を持つのもひとつの方法
    定年後の生活を充実させるには、家に閉じこもらないこと、生活にリズムを持たせること、近所の人や地域社会との関わりを大切にすることの3つがポイントとなる。
    コレステロール値や血圧は、低すぎても問題、コレステロールは細胞膜を構成する重要な成分であり、ホルモンや、脂肪の消化に必要な胆汁酸の原料、血圧が低すぎると、全身に十分な血液が供給されなくなり、めまいや立ちくらみ、体のだるさや疲労感、頭痛、肩コリなどの不調を引き起こすこともある。
    定年後は体の健康よりも心の健康を第一に考えるのが良い、体の老化は止めることができないが、心は自分の考え方や気持ちの持ちよう、生き方次第で、何歳になっても健康に保つことが出来る。心の健康維持で大事なことは、ストレスを溜めないことと、自分にとって心地よい楽しい、幸せだと感じる時間をできるだけ多く持つこと。細かい事は考えず自分の好きなことをするという事。
    たとえ持病があっても心の健康が保たれていれば、楽しい充実した人生を送ることができて、健康寿命を延ばせる
    定年後には若者にはない特権がある。後のことをさほど考えずに思い切ったことができる。何かあったらどうしようと言う不安からそのうち何かある、そのときのために備えたうえで、元気なうちに自分のやりたいことをやらないと損だという発想に切り替える。定年後は思い切って、攻めの人生に舵を切り、少しでもいまを楽しむことを実践していく。そのいまは人生において一瞬の点でも、点を増やすと線になっていく。

  • かなりスッキリしました。ズーと悩んでいたので。

  • ■主な内容 ・「定年不調」は「男性更年期障害」
    ・男性ホルモン、女性ホルモンの役割とは何か
    ・男性更年期障害の原因はホルモン量ではなくストレス
    ・定年前後「メンタルの危機・定年不調のおもな症状をチェック
    ・定年不調は何科を受診すればいいのか
    ・心身を健康に保つ「セロトニン」が不足する
    ・更年期の不定愁訴は「自律神経失調症」
    ・私がホルモン補充療法をしない理由
    ・中年男性を襲うストレスの原因とは?
    ・遅くとも57歳から意識変革と行動を開始する
    ・妻を夫源病に追い込む夫のタイプ
    ・なぜ男性は孤独化・孤立化しやすいのか
    ・孤独死は3日以内に見つけてもらおう
    ・定年後は薬の種類や飲み方の見直しを
    ・定年後は体より心の健康を優先する
    ■目次 はじめに 「定年不調」は「男性更年期障害」
    第一章 定年不調の実態は男性更年期障害―その原因と症状
    第二章 男性更年期障害の治療
    第三章 定年前後のストレスケアで意識変革
    第四章 妻の「夫源病」を理解できるか
    第五章 男の孤独、孤立と向き合う
    第六章 定年不調回避のための行動療法
    おわりに 健康長寿とピンピンコロリは医学的に両立しない

  • 男性の更年期障害はホルモン減少ではなく、生活環境からくる様々なストレスによるものとの主張のもと、著者みずからの治療経験にもとづくアドバイスを記した一冊。
    その内容はというと、ストレスによるものという著者の考えから、一般的なメンタルケアとも共通する点が多いが、定年不調というタイトルが示すとおり一定以上の年齢層を対象にしているため、定年後の”第二の人生”に向けた準備のススメについても掲載されている。自分の年齢ではまだそこまで達していないもののいずれは到来するものであり、なにをやって過ごそうか思わず考えさせられることとなりました。

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著者プロフィール

京都府生まれ。1982 年三重大学医学部卒業。1991 年大阪大学博士(医学)。循環器科医師。国立循環器病センター、大阪警察病院、米国メーヨークリニック リサーチフェロウを経て、1998 年大阪大学医学系研究科助手、2004 年より准教授、2013 年より2017 年まで大阪樟蔭女子大学 健康栄養学部教授。男性更年期外来を市内で開設。夫の何気ない行動や言葉が強いストレスになり、妻の身体に更年期障害のような変調を引き起こす病気を「夫源病」と名付ける。「一般医-精神科医ネットワーク(通称G-P ネット)」を立ち上げ、大阪を中心に自殺者を減らす活動や料理教室やHP(孫育のグチ帳)を立ち上げて孫育の推進のための活動をしている。

「2020年 『病む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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