長州ファイブ サムライたちの倫敦 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087211399

作品紹介・あらすじ

「長州ファイブ」。
それはUCL(ロンドン大学)開校早期の留学生――井上馨、伊藤博文、井上勝、遠藤謹助、山尾庸三を指す名称だ。
しかし、五人がイギリスでそう呼ばれていることは日本であまり知られていない。
彼らは文久3年(1863年)、長州藩より渡英を命じられる。
その目的は先進的な知識を身に付けて帰藩し、大攘夷を完遂することであった。
幕府によって海外渡航が厳禁されていた時代、若き志士たちはいかにして苦難を乗り越えたのか。
「学ぶ」ことで近代日本の礎を築いた5人のサムライたちの生涯と友情に迫った幕末青春物語。

◆本書の主な内容◆

・新生日本のリーダーとなった長州ファイブ
・留学資金はどう集めた?
・長州藩の矛盾と攘夷を捨てた長州ファイブ
・密航の苦難と苦労
・井上勝と伊藤俊輔(博文)の絆。
・留学生を受け入れたUCL(ロンドン大学)の歴史
・建学の父ジェレミー・ベンサムの思想
・帰国した馨、斬られる
・最後までロンドンで学んだ井上勝
・UCLの先輩、アーネスト・サトウ
・政治家として日本を牽引した伊藤博文と井上馨
・技術官僚として日本を支えた井上勝、山尾庸三、遠藤謹助
・日本人の手で鉄道を開通
・勝は晩年なぜロンドンへ向かったのか?

◆目 次◆

プロローグ 英国大使が爆笑した試写会での、ある発言
第一章 洋学を求め、南へ北へ
第二章 メンバー、確定!
第三章 さらば、攘夷
第四章 「ナビゲーション!」で、とんだ苦労
第五章 UCLとはロンドン大学
第六章 スタートした留学の日々
第七章 散々な長州藩
休題 アーネスト・サトウ
第八章 ロンドンの、一足早い薩長同盟
第九章 鉄道の父
エピローグ 幕末・明治を駆けた五人
あとがき
長州ファイブ年譜

◆著者略歴◆
桜井俊彰(さくらい としあき)
1952年。東京都生まれ。歴史家、エッセイスト。
1975年、國學院大學文学部史学科卒業。1997年、ロンドン大学、ユニバシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)史学科大学院中世学専攻修士課程(M.A.inMedieval Studies)修了。
主な著書に『物語ウェールズ抗戦史 ケルトの民とアーサー王伝説』『消えたイングランド王国』『イングランド王国と闘った男』『英国中世ブンガク入門』『英語は40歳を過ぎてから』など。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:281A/Sa47c//K

  • 文久三年(1863年)危険を冒して渡英した5人の若き長州藩士たち。近代日本の礎を築いたサムライたちの生涯を描いた感動作。

    新書としては珍しく筆者の思い入れが文章に滲み出ており楽しく読めた。筆者は5名の若者のいわば後輩。同じUCL(ロンドン大学)で学んでいる。

    長州ファイブ。井上馨、伊藤博文、井上勝、遠藤謹助、山尾庸三。早々と帰国し維新に間に合い政治の道を進んだ2人と国家のためイギリスに残り技術を身につけ鉄道、造幣、造船で近代国家ニッポンの基礎を作った3人。攘夷に燃える長州藩、正に下関戦争の前日にイギリスに向かう歴史ドラマ。

    中公新書でも同じテーマの「明治の技術官僚」という本がある。こちらも読んでみたい。たぶん、「長州ファイブ」の方が読み
    やすいだろう。

    筆者の主観が多く出てくる点で新書としては異色、良い意味で裏切られました。満足の一冊。

  • 幕末に英国へ密航し、UCL(ロンドン大学)の留学生となった5人の藩士。井上馨、伊藤博文、山尾庸三、遠藤謹助、井上勝、「学ぶ」ことで近代日本の礎を築いた男たちの生涯と友情を描いた幕末青春物語。

  • 本書は学術書ではない。行間に明治の空気が漂う歴史考察に満ちた面白い内容にグイグイ引き入れられてしまった。著者はエッセイストでもあるからか展開が上手い。
    この時代の青年の情熱が新時代を作る様は背筋がゾクゾクする程面白い。今の日本も時代の転換点にあると思うが、この様な若者とドラマがあって欲しいと痛感した。
    ただ後半の明治政府に職を得てからの活動についてはちょっと駆け足。やはりイギリス密航留学時代が本書の主題ではあるが一番面白い。
    幕末史は好きな時代で随分とこの時代の本を読んだが、本書は期待を裏切らない面白さだと思った。
    著者には次に「薩摩スチューデント」(本書では薩摩ナインティーン)も題材に取り上げて欲しいと思った。

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著者プロフィール

1952年生まれ(東京都出身) 1975年 國學院大學文学部史学科卒業 1997年 ロンドン大学ユニバシティ・カレッジ・ロンドン史学科大学院修了 現在、エッセイスト、英国史研究家 ※2012年8月現在
【主な編著書】僕のロンドン、英国中世ブンガク入門、英語は四〇歳を過ぎてから イングランド王国前史(歴史文化ライブラリー308)

「2021年 『イングランド王国と闘った男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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