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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087211429

作品紹介・あらすじ

日本の「現在地」を俯瞰する!

現代用語事典として1986年に刊行が始まった「情報・知識事典imidas」は、現在はオピニオンやコラム、エッセイを掲載するウェブサイト「情報・知識&オピニオンimidas」として運営されている。
本書には最近の掲載記事から24本を厳選して収録。
執筆陣にはジャーナリストや弁護士、研究者、活動家など幅広い分野の専門家が集結している。
新型コロナウイルス、政治経済、環境、労働、教育、差別、ハラスメント、全体主義……。
日々に流されがちな問題の一つ一つを掘り起こしてみれば、私たちがいま、さまざまな局面で岐路に立っていることがわかるだろう。
日本の現在地を俯瞰し、一歩先の未来を読み解くための一冊。

◆主な内容◆
◆I コロナの時代
・コロナ禍だからこそ鍛えたい「自由」と「権利」と「多様性」(想田和弘)
・新型コロナウイルス感染拡大による「心の死」を防げ!(香山リカ)
・新型コロナが若者の生活を直撃! 急増する「バイト難民」(大内裕和)
・「ポストコロナ」をすさんだ「差別」の時代にしないために(安田浩一)
◆II 変わる法律・制度
・消費税一〇%時代、新たに導入される「軽減税率」と「インボイス制度」とは?(三木義一)
・水道法改正で本格化する水道事業の民営化(橋本淳司)
・改正入管法による外国人労働者の受け入れ拡大が始まる!(指宿昭一)
・労働法の適用外しで待遇低下は必至?「高齢者雇用安定法」への懸念(伊藤圭一)
・刑法性犯罪規定改正に向けて(山本潤)
・パワハラ防止措置の義務化で、厚生労働省の指針が決定(笹山尚人)
・種子法廃止に続いて「種苗法改定」で、農家に打撃!?(印鑰智哉)
◆III 内政・外交のいま
・アベノミクスは賃下げ政策!(明石順平)
・拉致問題、北方領土交渉で「たたき売り」状態の安倍外交(岡田充)
・「日米安保六〇年」日米同盟からみる自衛隊中東派遣の目的とは?(布施祐仁)
・超大型台風被害から考える、これからの防災対策(饒村曜)
・福島第一原発の貯まり続ける処理汚染水は、海洋放出するしかないのか?(満田夏花)
・カジノが日本を食いつぶす!(鳥畑与一)
・アメリカ大統領選挙の行方を変える新ムーブメント(渡辺由佳里)
・内政に火種を抱え、外交で孤立化する習近平政権(安田峰俊)
◆IV 揺れる社会
・凄惨な事件をどのような言葉で語るか 相模原事件と「一人で死ね」をつなぐもの(荒井裕樹)
・「女」というだけで――東京医大等の不正入試問題、その裁判に行ってきた(雨宮処凛)
・ファシズムは楽しい? 集団行動の危険な魅力を考える(田野大輔)
・国内外で懸念される日本の科学の未来(佐藤文隆)
・歴史学者は「歴史修正主義」とどう向きあうか?(成田龍一)

感想・レビュー・書評

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  • 2021/3/15(月)夜読了。honto電子書籍にて。

    たくさんのテーマを扱いつつ、単に事実を並べた新聞記事のハイライトのようなものではなく、それぞれのテーマの専門家の解説・分析・論拠がはっきりしていて、様々なテーマについて新聞を読んでいるだけでは追いかけきれないような情報を与えてくれる。
    この本、記載をきっかけとして、各テーマを掘り下げたくなるような、そんな良書良文の数々。
    テーマごとの分量もとてもちょうどよくて飽きることなく疲れず読みやすい。

    ありがちな本のようにも思えますが、タイトル以上に骨太で、
    おすすめです。

  • 世の中のことにとても疎いので読んでよかった。


    印象に残ったワード「全体主義」「差別」「ファシズム」「水道法改正」「種苗法改定」「カジノ」「歴史修正主義」


    コロナ禍だからこそ伝えたい「自由」と「権利」と「多様性」
    p19「自由や多様性を守る」ということは、(コロナ禍で)マスクをしない人も、バーベキューをする人も、同じ社会で暮らす仲間として尊重するということ…せめて糾弾したり排除したりしないということ…自分たちの安全のためにどうしても行動を変えてもらう必要があるならば、その人の人権や生活が損なわれないよう、民主的な手続きを守りながら、理性的にお願いするということ
    p17〜18 社会を民主的に保ちたいのであれば、…個人の自由や権利に制約を課すことには、極めて抑制的でなければならない。同時に、私たちは制約を課したり課されたりすることに、常に抵抗感と違和感を保たなければならないのであって、絶対に慣れてしまってはいけない。…多くの権利者にとって、市民の人権を容易に制限できる状況は、とても都合がよいものだから
    p21 民主社会の強みの一つは、多様な背景を持つ多様な人々が存在するがゆえに、大きな社会問題が生じた際にも多方面から無数の解決法が自由に試みられることにある。そうした解決法には、優れたものも、ダメなものもあるだろうが、ダメなものは次第に淘汰され、優れたものが採用されていく。それがイノベーションの基本的な力学だ。
    映画作家 想田和弘


    集団行動が生み出す独特の高揚感は、集団を統率する権威と結びついたとき、ファシズムへと変貌する
    p267 権威に従属することによって人は行動に伴う責任から解放され、社会的な制約から「自由」に行動できるようになる…こうした治外法権的な状況がいったん成立すると、これを維持・強化しようとする動きが服従者の側から自発的に出てくる。それは人びとが自分の行動の責任を指導者にゆだね、その命令を遂行することにのみ責任を感じはじめるという、状況的義務への拘束が生じるためである。
    甲南大学教授 田野大輔

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著者プロフィール

弁護士。1984年、和歌山県生まれ、栃木県育ち。東京都立大学法学部、法政大学法科大学院を卒業。主に労働事件、消費者被害事件を担当。ブラック企業被害対策弁護団所属。著書に『アベノミクスによろしく』『データが語る日本財政の未来』(集英社インターナショナル新書)など。ブログ「モノシリンの3分でまとめるモノシリ話」管理人。

「2023年 『データで見る日本経済の現在地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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