子どもが教育を選ぶ時代へ (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087212051

作品紹介・あらすじ

社会は大きく変わっているのに学校教育は昔のまま。
このことに不安と不満を持っている日本人保護者は多い。
海外も昔は日本と同じく「知識詰め込み型」だったが、今は時代とテクノロジーに合わせた変化・進化が始まっている。
それを見るのに最適なのが、世界の教育法が集まっているマレーシアだ。
現地で教育関連の取材を続ける著者が、各種教育や最新カリュキュラムの紹介のみならず、これからの学校と教師の存在意義、親子関係のあり方など、日本人に選択肢を提示する。
子どもが自ら学びたいものを発見し選んでいく時代に、保護者はどのような態度で臨めばいいのか?

第1章 日本の教育は今のままで大丈夫なのか
第2章 世界の教育にある大きな二つの流れ
第3章 「四つのC」を現場ではどう教えているのか
第4章 増え続ける独学者とSTEM教育
第5章 マレーシアと日本からみる国際教育の現場
終章 誰にでも合う完全な教育は存在しない

【著者プロフィール】
野本響子(のもと きょうこ)
早稲田大学卒業後、保険会社を経てアスキー社で「MacPower」の編集に携わる。
フリー編集者を経験後にマレーシアに移住し、現在はnoteなどで同国の生活や教育情報を発信。
著書に『日本人は「やめる練習」がたりてない』(集英社新書)『マレーシア小・中・高校留学の基本知識』『マレーシアにきて8年で子どもはどう変わったか』(サウスイーストプレス)。

感想・レビュー・書評

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  • 世界の教育のトレンドを知るのによい書籍です。教育も多様性の時代。ここでも日本のしくみはガラパゴス・・・。個人的には日本の教育は悪くないと思う、実践的な英語力を必須にすれば。

  • この方の本は、終始日本は遅れている、マレーシアはいろいろな教育が選べていいという論調であることははじめに心得た方がよい。


    ・自分が受けた教育を子どもに押し付けてはならない。
    彼(彼女)はあなたとは別の時代に生まれたのだから。


    ・教育現場が変わらない5つの理由

    ①親も先生も自分が受けた教育者を基準に考える

    ②現場の先生も「従来型で教育を受けているので、
    新しい「21世紀がた」教育者への理解や移行に時間がかかる

    ③教師と生徒が「対等」でないと、
    「21世紀型」教育は難しい

    ④日本企業の採用基準

    体育会系が人気な日本企業

    ⑤親や生徒が「大学への最短距離」を目指す傾向がある


    ・21世紀型の特徴

    4つのC

    コミュニケーション
    コラボレーション
    クリエイティビティ
    クリティカルシンキング

    ・オンライン教育に向いているのは
    「自走型」で好奇心旺盛、
    「学びたい」ことがあるタイプ

    孤独に強いなどリモートワークに向いている性質とも近いかも

    一方、受動的な教室スタイルを好んだり
    仲間と競うことがモチベーションになるタイプも。

    生徒の性格や授業内容の特徴によって
    使い分けられるのが理想



    ・誰にでも合う完全な教育は存在しない

  • 子ども自らが教育を選ぶ時代にきている。教師や親はそれを後押しするだけ。そして子どもに何かを学んで欲しかったら親がまずやってみて、その物事の楽しさ、苦労を身をもって実感することが重要であると、つくづく思う。

    自分は日本一律型の教育に嫌気がさして途中逃げ出したりもしたが、それが正解だったと改めて感じる。マレーシアで多様な教育の洗礼を受けたらまた今とは全く違う生き方だったはず。

    無料で大学レベルの高等教育が受けられるようになった今では学歴は意味のないものだが未だに日本含む様々なところでは学歴信仰が存在している。学び続け自分をアップデートし続ける人間でないと情報に翻弄され続けてしまう。

  • 日本以外に目を向けてみればいろんな学びの場があることを広く教えてくれる一冊。日本では「学校=学び」でそれに馴染めないと不登校というネガティブ表現をされてしまい親子共に孤立してしまうイメージがあるけれど、いろんな選択肢があると気づかせてくれる。だが、著者も記載してくれているとおり、フリースクールなどは自ら好奇心や学ぶ意思がある子には適しているけれど必ずしもそういう子ばかりではない。子どもの好奇心を満たせる居場所に巡りあえるかが鍵。

  • 今の時代、情報のつめこみはいらない。
    情報の意味を理解したり、重要なものを見分けたり、情報を使って世の中を幅広く捉える能力が必要。

    4つのC コミュニケーション、コラボレーション、クリエイティビティ、クリティカルシンキング
    学び直しは必要、新しいことにチャレンジしていこう。
    自分の意見を伝える練習、バイアスも意識していこう。

    子どもがハッピーであるかを大切に、プレッシャーを与えず、子どもにあった選択肢を提供できるように、子どもの観察力を鍛えよう

    自分の強みを早くから理解できる子どもになれるように、没頭できるような環境づくりをしよう
    保育園の先生の話など、第三者の子どもの観察意見も参考にしよう

  • ・子どもが教育を選ぶ時代とはどのような時代か?
    ・マレーシアの教育の特徴は?日本への教育の示唆は?
    という問いにパッと答えが浮かばないなぁという人はぜひご一読を。
    ただ
    終始、マレーシアは先進的で教育が選べてすごい、日本はまだまだ
    という論調が展開されますがもう少し日本の教育事情も深めて書いてほしかったです。
    (転校しやすい通信制高校の事情など)

  • 選択肢がたくさんある、そして多くの家庭がその子に合わせて学校を変えている。マレーシアではそれが当たり前になってるから、世界でもそうなっていくだろうと言う話。
    最後には、それぞれ子どもに合ったものがいいので、どれがいいとかはいえないというまとめ。
    通読して思ったのは、苫野さんが言ってこと。何が良い教育なのか、そこのところの哲学が、この本にはない。国際化に対応していれば良い?子どもが満足してれば良い?親の希望通りになればよい?高収入の仕事につければよい?プログラミングできれば、英語できれば良い?どれも、多分いいんだろうと言う程度。
    本当に何が良い教育なのか、はっきりと自分の中に持ちたいと思った。
    そして教育の効果とはなんなのか。それを見極めなければならない。少なくとも、何ヶ月とか何年とかのものでは無いのでは無いのでしょうか?

  • マレーシアで主に子育てをする筆者の方が、長男の経験をもとにしながら、いろいろな学校等を取材して書いていると思われる。

    学校、とひとくちに言っても世界の学びはさまざまで、世界が急速に変化しているのと同様、子供も急速に変化していて、学校というシステムの難しさを改めて感じる。
    答えのないことを議論し、興味のあることを突き詰めていくことが、世界の教育でも当たり前になっていることが、著書内でも何度も書かれ、説得力を持って迫ってくる。
    一方で、筆者の長男の方が理系だったこともあってか、歴史の重要性みたいなものが書かれていないのが少し気になった。歴史は詰め込み型教育になりやすい教科だけれど、今の世界の情勢だって、大きな歴史の末にあるもので、過去を振り返り、技術の大元を辿り、技術の使われ方がどういう経緯に基づいたものかを知らなければ、間違った使われ方をする危険性がある。答えのない問も、必ず過去に議論された歴史があり、過去の答えはその時その時の環境によって作られている。そして、それを知っているのと知らないのとで、下された最終的な「判断」は大きな違いを生む。答えがなくても、私たちは自分にその問いが降りかかって来れば、ない答えの中から一つを選ばなければならない時がある。そういう部分に、もっと言及があっても良かったのではないかと思った。

  • マレーシアに滞在し、息子さんが様々な学校に通う中で、現地の教育事情から世界のトレンドを掴み、自身の成長までを描く良書。

    これまで、漠然としたイメージだけで考えてきた子供の教育を、具体的に考えるきっかけをくれた一冊。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

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