北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087212174

作品紹介・あらすじ

小泉訪朝から20年。
拉致関連の極秘文書を分析し、日朝外交を概観。
問題解決に必要なこと、北東アジア安定のための提言を記す。

感想・レビュー・書評

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  • 拉致問題の裏側、そして最優先課題としていた安倍政権で進まなかった理由の一端も分かりました。

  • この本を読んで、あの小泉首相の訪朝からもう20年も経ったのか……という衝撃と共に、
    それから何も解決していない現状に、家族の方々はどれだけ絶望しているのだろうかと感じる。

    筆者の書き方、主張に少し傾いた思想があるのは大前提として、拉致問題解決のためには
    ●得た情報に優劣をつけずにそこを糸口に少しでも解決していく
    ●家族会・救う会に忖度してばかりの現状から脱する
    という点には大いに同感。
    せっかく田中実さんらの生存、という新たな極秘情報がもたらされたのに、「横田めぐみさん、有本恵子さんらの死亡情報がひっくり返らない限りは…」とか言ってる場合ではない。
    家族会の現状はわからないが、「全拉致被害者の即一時帰国」ばかりにこだわっていては、確かに問題は一生解決しないと思う。

    それにしても、普通に身内が誘拐されるだけでもとんでもない事件なのに、それが国家主体で、しかも誰がやったか、生きてるのかすらわからないなんていうのは本当に残酷すぎる。
    なんとか、全貌が明らかになる日が来てほしいと思う。
    横田めぐみさんの娘さんが、どう見ても、めぐみさんの娘だとわかるくらいにそっくりなのがより、その思いを強くするように感じる。

  • 拉致問題の裏側が分かる一冊。
    安倍政権は北朝鮮外交”でも”大失敗をやらかしていたんだなということがよく分かった。

    一般市民として知る由は無いが現在も政府は相変わらず官邸外交を続けているのだろうか...。(今はそうではなくなったと思いたい。)

    あとはとにかく拉致被害者の子供たちが収容所送りにされていないとひたすら信じたいです...!

  • 2022年発行。
    本書のキモは、帰国した拉致被害者に対する聞き取りを行って作成された「極秘文書」の内容が一部公開されていることだろう。それなりに北朝鮮情報を追っているつもりでも、知らない内容が複数含まれており非常に興味深い。

    一方で、これほどまでの情報を持ちながらなぜ日本政府が拉致問題、ひいては残留日本人や日本人妻などの問題解決に力を入れようとしないのか、怒りが湧く。

    もちろん日朝の問題は根深い。
    政治家としては、これらの問題に介入することで世論の支持を失うことを避けたいのだろう。例えば、北朝鮮が譲歩しやすい問題、日本人妻などの問題から解決し、その対話の中で拉致問題の解決を図る、という方向性は十分に考えられるものだ。しかし、何がなんでも拉致問題が優先だ、という世論の元で、政治家は拉致問題の解決を北朝鮮に丸投げしたまま放置してきたといえる。
     
    日朝の問題をどのように解決するのか。
    朝鮮半島に関心があれば必ず考えることだが、これだけの資料がありながら、対話すら始まらない状況を見ていると、もはや絶望的な気持ちになる。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060101

  • 2002年9月、当時の小泉内閣により実現した拉致被害者5名の帰国の実現より、はや20年が過ぎ去った。あの時より拉致問題がただの1歩も前進しない理由がひとえに安倍政権の欺瞞性にあったことを、本書は如実に語ってくれている。
    拉致被害者帰国より、六か国協議が発足。しかし、あまり成果を上げられずに、やがて終了。安倍政権になり、旧来の旧内務省、つまり財務省や外務省重視の政府姿勢からの脱却を図るかのように、経産省に偏りすぎた政権の意向に沿って、外務省は拉致問題においても次第にその力場を失っていく。そうして、北朝鮮とのルートが完全に断たれてしまい、今もって全く交渉のめどが立たないまま、ただむなしく時が過ぎ去ってしまっているのが現状だ。
    すべては、見せかけだけの「安倍一強」を演出させるためだけ、やってる感を醸成するためだけのツールでしかない。拉致問題極秘文書が示しているのは、安倍政権が徹頭徹尾拉致問題をそうした演出ツールとしてしか見ていなかったことだ。
    もっとも端的だったのは、2014年に北朝鮮側から打診された2人の日本人拉致被害者の生存情報を安倍政権が揉みつぶしたことだ。安倍としては、めぐみさん情報でなければ北朝鮮とは一切交渉しない、という姿勢を崩さなかった。2人もの拉致被害者生存情報を出してくるというのは、相当な北側のカードである。この時点でもまだ北朝鮮は日本との国交樹立を望んでいた証である。しかし、すべては自分の政権維持のため、ひいては自分自身のため、自分の人気取りのため、としか考えない安倍のエゴイズム政権のせいで、貴重な情報は無視され、北側との交渉ルートは永遠に断たれた。もはや北朝鮮に、日本に対するひとかけらの信頼も残ってはいない。少なくとも自民党政権でいる限りは。
    このように、安倍は拉致問題を最後まで自分の政権維持に利用しつくすだけ利用した卑怯極まる男である。そんな情けない、神経症的小者を国の代表にいただいている点で、日本の一般大衆の同じく神経症的小者感を雄弁に物語っているなとつくづく思い知らされる。代表制民主主義をいただく国の政治家とは畢竟、自分よりも程度の低い人物しか選ぶ能力のない一般大衆をその時々で代表し象徴するものといえるからである。

    もっとも、有田さんも主張するように、2014年のストックホルム合意は最後ながらの一定の成果があったものと評価している。その中で、横田さん夫妻は、せめてもの念願であっためぐみさんの娘さんとその子供、すなわち横田夫妻にとっては曾孫さんとの出会いを果たした。ほんのわずかだが、心温まるエピソードである。これだけでも、少し救われた気持がした。ことはそれほどまでに絶望的で悲痛でやるせないからである。

  • 極秘文書とは 帰国した拉致家族から政府が聞き取りの文書
    期待と違っていた。

  • 横田さんウンギョンさんに会えて良かった。安倍元総理って全然真剣に取り組んでないやん。拉致利用して総理になったのに。
    なんとか力になりたいな。どうしたらいいのかな?有田さんはオウムの時から、そして今の統一教会に関しても間違いない人だ。

  • 東2法経図・6F開架:391A/A77k//K

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著者プロフィール

有田芳生 ARITA YOSHIFU
1952年、京都府生まれ。ジャーナリスト。出版社勤務を経て、1986年にフリーランスに転身。『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)で霊感商法批判キャンペーンに参加。その後、『週刊文春』(文藝春秋)などで統一教会問題の報道に携わる。都はるみ、阿木燿子、宇崎竜童、テレサ・テンなどの人物ノンフィクションを週刊誌各誌で執筆。2010年、参議院選挙に出馬し初当選。2022年まで2期務め、拉致問題、ヘイトスピーチ問題に取り組む。近著『改訂新版 統一教会とは何か』(大月書店)、『北朝鮮 拉致問題――極秘文書から見える真実』(集英社新書)のほか著書多数。メルマガ「有田芳生の『酔醒漫録』」(まぐまぐ)で統一教会のタブーを精力的に発信する

「2023年 『統一協会問題の闇 国家を蝕んでいたカルトの正体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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