本日はどうされました? (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 643
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087441475

作品紹介・あらすじ

入院患者の連続不審死。疑いの目は一人の看護師に──。感動作を書き続けた著者が、人間の悪意をあぶり出す。新境地のミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 記者の取材、インタビューを読んでいるかのような文章で世界に入りやすい。

    読めば読むほど先が気になる展開で一気読みしてしまった。

    人間不信になりそうなので精神が安定していない時は注意。

  • うーん、ちょっと期待を高め過ぎた感はある。

    登場人物達それぞれの独白により、徐々に全貌が明らかになっていく形式の医療(風)ミステリー。

    謎解きとしては’誰が?’を解き明かすのがメインになるのだが、物語残り100ページ(あと3分の1くらい)の段階でヒントというかほぼ答えを明かしてしまい、それでそのままひっくり返す事なくゴールインしてしまうので正直あっけない。ミスリードだろうかと警戒して行ったけど延々と答え合わせを読んでいるだけだったので残念。登場人物の多さの割に容疑者候補が少な過ぎるのも物足りなさの一因。
    ’誰が?’に全振りしているので動機や手法についてはうやむやのままなのもモヤモヤポイント。生まれつきの気質・サイコ感を出したいのであればもっと凄惨でアクの強い演出が欲しかった。
    また、医療モノならではの専門的でいかにも訳分からん、みたいな空気が薄いのも何というか、これだったら例えば保育士の設定にまんま置き換えてもいけちゃうんじゃないかみたいな、もっともっと深い説得力が欲しかった。

    けど、解説の通り加藤元先生のお人柄というか本当に優しい良い人なんだろうな、という事は伝わってきたので他の作品も読んでみたいなと思いました。


    4刷
    2023.3.30

  • こういった語り調の小説、あまり得意じゃないんですが…面白かった。
    初めからグングン引き込まれて一気読み。
    途中からオチは見えてしまうけれど彼女達の表と裏の顔、何が嘘で何が真実?それに魅了されました。
    悪意は悪魔になるのだ。

    本筋とはあまり関係ないけれど途中に出てくる患者さんの言葉「私は人間なんです。人間でいさせてください」
    この言葉が印象的だった。

  • 相次ぐ入院患者の死と、怪しい看護師の噂。
    記者のインタビュー形式で話はすすんでいく。
    まあオチが読める感じではあったけど、さくっと読み切れるので楽しめた。
    イヤミスというか、じとっとした湿度のある雰囲気。

  • 面白かった。途中で分かってしまったので、最後が弱い感じ。タイトルと表紙が??
    でも他の作品も読んでみたいと思った。

  • 2023.4.30読了
    ある病院で、同時期に立て続けに患者が死亡する出来事が起こる。
    患者の死亡に事件の疑いは無かったのか?事件を追う記者が関係者の話を聞くと、そこに一人の疑わしき人物が浮かび上がる。それは病棟看護師の一人、真中だった。
    複数の人物による語りの形で、事件や真中の人と形が描き出されていくが、それぞれの主観で語られる為、何が真実かが分からなくなっていく。
    誰かが嘘をついている?それとも…
    答え合わせよりも、何が本当なのかを推理するのが面白い作品。

  • 加藤元さんの本を初めて読んだ。実際にあった大口病院の事件をモチーフとしているので、ぐいぐい引き込まれて一気に読み終えた。
    目次に個人名がずらりと並び、井上夢人の『プラスティック』と似た印象で読み始めたけど、構成は全然関係無し。
    「まなちゃん」のミスリードは途中で気付けたので、結末への大きな驚き(そうきたかあ、と世界が反転するような)はなかったけれど、ある人の悪意でここまで特定の人の印象を操作してしまえるのってコワイ。。
    湊かなえさんや朝井リョウさんが好きな人ならオススメ。

  • いやミス。
    愚痴や陰口が陰険すぎてウンザリする位悪意に満ちてて、怖すぎる。
    語り手が毎章ごと変わって、登場人物覚えれるのかなと思ったけど、意外とすんなり入ってきた。
    丁寧な文章と分かりやすい構成のおかげ。
    とても読みやすくて、面白かった。

  • インタビュー形式で進んでいく叙述ミステリ。
    先入観と思い込みってすごいなと思った。

  • しかけや結末は予想通りで、もう一段階欲しかったところ。
    それとも私が気づいていないだけで、もう一段階あるか……?記者の無自覚の悪意(情報提供者を明かしていること)から発展あるかと期待した。

    悪意も悪意としてわかりやすく描かれていたので、さくさく読めるイヤミスでした。

    タイトルは医者のセリフだと思っていたので、実は医者でした、とかね。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ、東京育ち。日本大学芸術学部文芸学科中退。日本推理作家協会会員。2009年、『山姫抄』(講談社)で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。『泣きながら、呼んだ人』(小学館)が盛岡のさわや書店が主催する「さわベス」1位を獲得。2011年に刊行した『嫁の遺言』(講談社)が多くの書店員の熱い支持を受けベストセラーに。その他に『蛇の道行』(講談社)、『四月一日亭ものがたり』(ポプラ社)、『ひかげ旅館へいらっしゃい』(早川書房)、『ごめん。』(集英社)など。昨年刊行した『カスタード』(実業之日本社)は奇跡と癒しの物語として多くの読者を勇気づけ、本作はその続編にあたる。不器用だけど温かな人情あふれる物語には、幅広い世代にファンが多い。

「2022年 『ロータス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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