次から次へと めおと相談屋奮闘記 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 70
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087441604

作品紹介・あらすじ

若き夫婦が活躍する時代小説。江戸に横行する犯罪の話から将棋会所の子どもたちの微笑ましい話まで、人気シリーズますます充実!

感想・レビュー・書評

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  • よろず相談屋繁盛記が5巻あって、めおと相談屋繫盛記と名前を変えて2巻目、計7巻目。信吾と波乃のめおとぶりも最初から息があっていて微笑ましいけど、調子よすぎる感はないでもない。どこかで一波乱ありそうで、これがないんだよね。まあ、話の面白さを愉しめばいい。嫁食いの話やら、新しい祝言の形やら、将棋会所に来る子どもたちとのやりとりだとか、いろいろ工夫して短編集を構成している。数字の話はいまいちだったが。さて、次巻はどう愉しませてくれるかな。

  • 〈めおと相談屋奮闘記〉シリーズ第二作。シリーズ全体を通せば第七作になる。

    「女房喰い顛末」
    岡っ引きの権六親分から「女房喰い」と呼ばれる、持参金目当ての結婚離婚を繰り返す武家とその仲介屋である口入屋の悪質なやり口を聞いた信吾・波乃夫婦。
    世の中には許せないけれど何も出来ない不条理な事があることを知った二人だが。

    権六と女中モトとの関係が明らかになるのかと思ったらそうはならず、権六が既婚者であることが分かった。ということはモトとの関係に何か変化は起こりそうにない。
    そして権六が抱える意外な闇を知った。

    「将棋指し」
    将棋会所の常連客である子どもたちから、子どもの席料の値下げ交渉を受ける信吾。
    湯屋の料金を持ち出すあたり、なかなか上手。しかし信吾も商人の生まれだけに負けてない。その結果は。
    損して得とれという円満解決。
    少女棋士ハツの『あたしは将棋指しなの』という宣言も格好良い。子どもたちの成長とプライドを感じる話で良かった。

    残念ながら残りの二話は楽しめなかった。「付き纏う数」は回りくどいだけでオチは大したことなかったし、「運も力だ」はタイトル通りの話で信吾夫婦は特に何もしていない。
    一方で信吾夫婦が行った仮祝言のようなシンプル方式をやけに推すのが良く分からなかった。勿論結婚する当人たちが望むならそれで良いが、家族や周囲と波風立たせてまでやることなのかは疑問。
    前作で気になっていた現金なお嬢様は出て来ないままだし、伏線なのか捨て石なのか。

    今のところ面白いのかそうでないのかよく分からないシリーズ。

    • goya626さん
      あらあら、評価が低いですね。確かにシリーズがここまで来て、短編の出来不出来があるようです。「付き纏う数」は確かに駄作ですね。次回を期待したい...
      あらあら、評価が低いですね。確かにシリーズがここまで来て、短編の出来不出来があるようです。「付き纏う数」は確かに駄作ですね。次回を期待したいです。
      2021/06/11
    • fuku ※たまにレビューします さん
      goya626さん
      コメントありがとうございます。
      今回は特に後半の話は入り込めませんでした(^_^;)
      子どもたちの成長は良かったし...
      goya626さん
      コメントありがとうございます。
      今回は特に後半の話は入り込めませんでした(^_^;)
      子どもたちの成長は良かったし将棋会所も賑やかになってきたので、次回に期待します。
      2021/06/11
    • goya626さん
      はい。
      はい。
      2021/06/13
  • いつもこの世界なら転生しても素敵かもと思わせる風情でした。

  • 202110/よろず相談屋繁盛記シリーズ・めおと相談屋奮闘記シリーズ既刊全10作まとめて。毎回平積で新刊を見かけ気になっていたので読み始めることに。最初は、設定てんこ盛り(幼少時に大病、生き物の声が聞こえ会話できる、老舗料理店の長男、鎖双棍の使い手、相談屋と将棋会所を経営)だな~と思ったけど、主人公は勿論、登場人物達が生き生きと描写されているのでこの世界に入り込んで楽しめた。最初は使い物にならずぼんやりしてた小僧の成長ぶりやちゃっかりぶりも微笑ましい。相談事の内容や解決手法等、物語としてパッとしないものや偶然の産物だったりも多いし、自分の好みではない話(将棋会所で皆が艶話や与太話をただただ話すだけとか)もあるし、時代物とはいえ書いている今の時代にそぐわない描写や設定も感じるけど、総じて面白かった。「主人公と話してたら何故か解決してしまう」のと同様、とらえどころのないなんかわからない面白さもあった。

    よろず相談屋繁盛記シリーズ(なんてやつだ/まさかまさか/そりゃないよ/やってみなきゃ/あっけらかん)
    めおと相談屋奮闘記シリーズ(なんて嫁だ/次から次へと/友の友は友だ/寝乱れ姿/梟の来る庭)

  • 一見怖い面差しだが、話せば意外に情けもろい岡っ引き。
    権六親分が、旗本の「女房喰い」事件にからんで、入水自殺。事件のあまりの非道さにゴンロクは、その事件の当事者である口入れ屋を。。。と、何やら今までと違うお話。

    子供たちが、弟にも習わせたく、必死で作戦を練って、席料値下げを目論むお話。

    これも一風変わったテイスト、数、言葉の不思議な力を信じる常連客の、話を聞くことになった。。

    『めおと相談屋』の看板に変えてからの初相談。
    結果的には偶然からめでたしになるのだが、相談に対して一生懸命話を聞いたものの、何かを手出ししたわけでもなく、、、というお話。

    今回の一冊は、今までのお話とは一風変わっているような。作者に何か心境の変化ありか。

  • ハツと波乃の話が一番好きでした。

  • シリーズを重ねる毎に益々面白くなるシリーズ!【女房喰い顛末】卑劣な武家相手に、どうする、信吾?と思いきや…権六親分の覚悟の落とし前!【将棋指し】席料値下げ交渉する子供達と対峙する信吾。「将棋は誰もが同じ立場で」どちらにもプラスになる解決。【付き纏う数】名前にまつわる数字に囚われた男!信吾まで囚われそうに…面白かった!【運も力だ】ワケありカップルの結婚に力添えする信吾と波乃。解決したのは…

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著者プロフィール

1944年、徳島市生まれ。さまざまな職業を経験し、ラジオ・ドラマ脚本・戯曲を執筆。1993年、一人芝居「風の民」で第3回菊池寛ドラマ賞を受賞。日本脚本家連盟会員、日本放送作家協会員。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞、同シリーズにより多くの時代小説ファンを獲得。ほかシリーズに「ご隠居さん」「手蹟指南所『薫風堂』」「新・軍鶏侍」「よろず相談屋繁盛記」「めおと相談屋繁盛記」など、単著に『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』など著書多数。演劇にも造詣が深く、小説、戯曲、芸能、映画、音楽、絵画の多ジャンルでのシェイクスピア派生作品を紹介した著作『シェイクスピアの魔力』がある。

「2022年 『逆転 シェイクスピア四大悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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