闇夜の底で踊れ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087442007

作品紹介・あらすじ

35歳、無職、パチンコ依存症の伊達。
ある日、大勝ちした勢いで訪れたソープランドで出会った詩織に恋心を抱き、入れ込むようになる。やがて所持金が底をつき、闇金業者から借りた金を踏み倒して襲撃を受ける伊達だったが、その窮地を救ったのはかつての兄貴分、関川組の山本だった。
その後、山本との奇妙な共生生活を続けながら、詩織に一層のめり込んでいく伊達。
一方、関川組の組長引退をきっかけにした内紛が抗争へと発展し、関川組周辺にきな臭い空気が立ち込める。
伊達の秘められた過去、そして山本が伊達の前に現れた本当の理由が明かされるとき、事態は思いもよらぬ方向へと転がり進んでゆく――。


【著者略歴】
増島 拓哉(ますじま たくや)
1999年大阪生まれ。関西学院大学法学部在学中。『闇夜の底で踊れ』で第31回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。

感想・レビュー・書評

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  • 増島拓哉『闇夜の底で踊れ』集英社文庫。

    大阪を舞台にしたピカレスク小説。小説すばる新人賞受賞作。

    新人作家ということで期待したのだが、ストーリーにドライブ感が感ぜられず、仕上がりとしては今一歩の作品だった。

    過去に暴力団を破門されるように足を洗い、35歳で日雇いとパチンコの腐った日々を過ごす伊達は、大勝した勢いで行ったソープランドで詩織と出会う。詩織に入れ込んだ伊達は闇金融業者から偽名で金を借りまくり、借金を踏み倒す。しかし、伊達の債権を勝ったかつての暴力団の兄貴分、山本に割の良い危険な仕事をあてがわれた伊達は次第に泥沼の中に足を踏み入れていく。

    有りがちな展開と真相……

    本体価格740円
    ★★★

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  • パチンコ狂の男が、借金をし、ソープ嬢に入れ込む。
    やがて、闇金狩りに手を染め、暴力団の抗争に巻き込まれる。

    パチンコで数千円すった程度を溶かすと表現したり、ヤクザの会話のやり取りが高校生の口喧嘩の様相だったりと荒削りではある。

    しかし、作者は19歳の少年のデビュー作とのこと。

    キャラ立ちはしっかりとされており、今後を応援したくなる一冊でした。

  • 半グレみたいな伊達が、いぜんの兄貴分だった山本にいいようにつかわれるといった筋。読み進めて2/3を過ぎて、どう終わっていくんだろう、ひょっとして続巻があるのかな、と思っていたら、入れ込んでいたソープ嬢の詩織が山本の女であることがわかり、妙見山であっさり殺してびっくりした。なに、この急展開は、というところが印象に残った。

  • 舞台は大阪ということで位置関係がさっぱり分からなかった(笑)

    主人公・伊達の人を食った様な人柄がこの物語を引っ張っていたと思う。やくざの世界は知らないが、「親(分)になる」「組長になる」とはとても重い事で殺人にまで発展するんだなというのが、温度感のない恐怖。そして、犯人が捕まらないというのも現代の恐怖。

  • おそらく本の雑誌による推薦。まったく知らなかったけど、これが19歳のデビュー作とはとても思えないストーリー運びとキャラクター造形&セリフだな。思わず吹き出してしまう場面が何度かあった。
    池上冬樹氏の解説にもあるが黒川博行作品の魅力的な関西ヤクザものキャラクターを思い出すが、決して模倣ではない。

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