友の友は友だ めおと相談屋奮闘記 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 67
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087442052

作品紹介・あらすじ

動物と話せる信吾に、川獺が教えてくれた友人の危機。信じてもらうためには……。軽快な会話が魅力の青春時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズは面白い、文句なしに勧めることができる。次から次へと新しい人物・動物が出てきて、しかも個性豊かに描かれている。信吾と波乃のめおとも楽しい。いい人過ぎるけどね。最初の短編の川獺が信吾の友の危機を教える話には、たちまち惹きつけられるし、将棋の話も興味深い。最後の将棋の大橋家の若侍もいい。また出てきてほしい。

  • 202110/よろず相談屋繁盛記シリーズ・めおと相談屋奮闘記シリーズ既刊全10作まとめて。毎回平積で新刊を見かけ気になっていたので読み始めることに。最初は、設定てんこ盛り(幼少時に大病、生き物の声が聞こえ会話できる、老舗料理店の長男、鎖双棍の使い手、相談屋と将棋会所を経営)だな~と思ったけど、主人公は勿論、登場人物達が生き生きと描写されているのでこの世界に入り込んで楽しめた。最初は使い物にならずぼんやりしてた小僧の成長ぶりやちゃっかりぶりも微笑ましい。相談事の内容や解決手法等、物語としてパッとしないものや偶然の産物だったりも多いし、自分の好みではない話(将棋会所で皆が艶話や与太話をただただ話すだけとか)もあるし、時代物とはいえ書いている今の時代にそぐわない描写や設定も感じるけど、総じて面白かった。「主人公と話してたら何故か解決してしまう」のと同様、とらえどころのないなんかわからない面白さもあった。

    よろず相談屋繁盛記シリーズ(なんてやつだ/まさかまさか/そりゃないよ/やってみなきゃ/あっけらかん)
    めおと相談屋奮闘記シリーズ(なんて嫁だ/次から次へと/友の友は友だ/寝乱れ姿/梟の来る庭)

  • 9
    野口さん、
    渋い!

  • 【川獺日和】川獺が教えてくれた危機。友の店を強盗から救え!【目覚め】さらに将棋の高みを目指す常吉。微妙な奉公人の立場が立ちはだかるが…頑張れ!【繋ぎ役】前巻の七の男を戯作者に紹介するが…【新しい友】ちょっと謎めいた新しい客の武士。信吾と出来た友情がほろ苦くも清々しくてとても印象的なラストだった。そういえば今回は、相談屋は開店休業だったな…。

  • 結婚して、信吾の相談屋は、名前も「めおと相談屋」となった。この『めおと相談屋奮闘記』シリーズはますますもりあがる。

    野口卓という作家さん、いくつかのシリーズがあるのだが、人を知る、人を育てるというテーマが盛り込まれていることが多い。今回も小僧の常吉に対して、本人のやる気を待ち、機会がやってきたと見極めると、自分が和尚に護身術を習ったように、やる気を育てる言葉かけで導く。

    相談屋をすることで、自分が成長して変わったことも自覚し、自分を含め伴侶となった波乃の人となりも、素直に受け入れ、高め合う心を持っている。

    そんな人とは、というテーマが堅苦しくなく描かれているのが本シリーズだ。

    動物と心で会話ができる信吾。今回は事件も一つ解決する。

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著者プロフィール

1944年、徳島市生まれ。さまざまな職業を経験し、ラジオ・ドラマ脚本・戯曲を執筆。1993年、一人芝居「風の民」で第3回菊池寛ドラマ賞を受賞。日本脚本家連盟会員、日本放送作家協会員。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞、同シリーズにより多くの時代小説ファンを獲得。ほかシリーズに「ご隠居さん」「手蹟指南所『薫風堂』」「新・軍鶏侍」「よろず相談屋繁盛記」「めおと相談屋繁盛記」など、単著に『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』など著書多数。演劇にも造詣が深く、小説、戯曲、芸能、映画、音楽、絵画の多ジャンルでのシェイクスピア派生作品を紹介した著作『シェイクスピアの魔力』がある。

「2022年 『逆転 シェイクスピア四大悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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