ひと喰い介護 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087442205

作品紹介・あらすじ

判断力が、体力が、財産が、奪われていく――。大手企業をリタイアし、妻を亡くして独り暮らしの72歳、武田清が嵌まった、介護業界の落とし穴とは!? 巧妙に仕組まれた罠に孤独な老人たちはどう立ち向かえばよいというのだろう。それは合法か、犯罪か。現代に潜む倫理観の闇に迫るサスペンス。

【著者略歴】
安田依央(やすだ・いお)
大阪府堺市出身。関西大学法学部政治学科卒業。2010年『たぶらかし』で第23回小説すばる新人賞を受賞、2011年に単行本として刊行。同作は2012年に「たぶらかし -代行女優業・マキ- 」のタイトルで谷村美月主演でテレビドラマ化。他の著書に『終活ファッションショー』『出張料理・おりおり堂』『人形つかい小梅の事件簿』。

感想・レビュー・書評

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  • 心細いときに、やさしくされたら。こりゃ、イチコロだわ。
    もう、気づいたときにはドップリな感じになってそう。
    年齢を重ねると判断力も落ちそうだし、他人事とは思えない。こわーい。

  • 悪意を誇張するとこう言う話になると思うのですが、最終的に痴ほう症の方を介護できるのは料金が発生するプロでは無いのではないかと思った。

  • 介護や相続などが盛り込まれた内容にはつい手がのびてしまう。タイトルからよからぬ予感はあったものの恐ろしい内容だった。今や誰もが抱えるであろう問題ではあるけれどこのような小説を読んでしまうと実際に親の介護問題に直面したら疑心暗鬼になってしまう。身内がいなかったり疎遠だったり家族と問題を抱えてたりしたら他人であれ優しくしてくれる人に頼っていくというのは当然だ。中盤までは単なるいい人かもしれない、そうであってと思ったけれど後半にむけてやっぱりか、、というやるせない思いになった。紀藤さんというヒーロー的な人の活躍でやっつけて欲しいという思いはあったけれど真逆の展開。結末は不気味に終わりゾッとする。

  • 分類は、社会派ホラーとの事。
    ん〜わからない。
    霊とか、ゾンビ類の出演無し。
    お金持ちの高齢者を介護施設に入れて、
    言葉巧みに金をむしり取る。
    こんな介護施設、本当にあったら違反でしょ。
    ‘21.07.16読書完了

  • すご〜く怖い

  • もともとは『ある高齢者の豊かな生活』だったそうですが、えげつなく改題されたものです(笑)。

    宅配弁当の申込者の中からターゲットを絞り込む。身寄りの少ない資産家で、在職時の肩書きがいつまでも通用すると信じる、プライドの高い老人。この介護施設に目を付けられたら最後、監禁されて全財産も正気も失う。

    しかし認知症って、こんなにも人為的に発症させられるものなのですか。短期間で精神的にも肉体的にも追い込めるのだとしたら、これほど恐ろしいことはありません。現実にないことだとも言い切れず、ぞっとします。

    財産を食い尽くされたとしても、本人が幸せな気持ちで死ねるのならそれはそれでいいのではなんて思っていましたが、これは悲惨すぎる。

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著者プロフィール

安田依央
大阪府生まれ。関西大学法学部政治学科卒業。二〇一〇年に『百狐狸斉放』で第二三回小説すばる新人賞を受賞し、一一年に単行本『たぶらかし』として刊行。
他の著書に『終活ファッションショー』『ひと喰い介護』、「人形つかい小梅の事件簿」シリーズがある。

「2023年 『出張料亭おりおり堂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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