- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087442342
感想・レビュー・書評
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あー
これはまたいい本に出逢った
人にはそれぞれの物語がある
他人には読むことのできない物語がある
大人も子どもも男も女も関係ない
泣きたいこともある
我慢できなくて涙が溢れ出てきてしまうこともある
いーんじゃないの?
と最近はいろんなことを思えるようになって気持ちが楽だ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私も大人は泣かないと思ってた。
大人になって泣く回数は随分少なくなったけど、それでもやっぱりしんどくなって悩んで時には泣いたりもする。
でも、あの時選ばなかった別の選択肢に思いをはせて悲しんだり憂いたりはやめようと思った。
それよりも今いる場所をもっと楽しく過ごす為の時間に充てた方がずっとずっと有意義だ。
そして、最後の章「君のために生まれたわけじゃない」サブタイトルから悲しい結末になるのかな?と思ったけど…
自分の人生は自分の為に。
翼くんの考え方、ほんとに好き。 -
色んなことが起こりつつも全体を通してみれば平和でした。読み終えたあと、何となく優しい気持ちになれたような気がします。登場人物たちのその後が気になる物語でした。
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良いも悪いも、自分で自分はこうである。
こうでないとならない。こうさせないといけない。
に縛られている世界観が各人々それぞれから
伝わるお話でした。
いろんな考え、価値観が伝わり面白かったです。
思ったよりも、世の中は優しい気がします。
し、思ったよりも、言葉や感情は
真っ直ぐ伝えた方が伝わると思いました。
相手がいての私ですが、
私自身もっと人に頼っても
もっと幸せになってもいいと思いました。 -
普通、生きてる中で自分の価値観しか感じられないけど、この小説は一人を軸に色々な登場人物の価値観が描かれていて、みんなで生きてるんだなーって感じた。どの章もすごく感情移入しやすくて考えさせられた。翼はこれから少しずつ人に頼って生きられますように。
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それぞれが様々に囚われている「らしさ」からの解放(の兆し)。
読み終えてタイトルの秀逸さに気づく。 -
題名に引かれて図書館で借りてきました!
それぞれの章によって、登場人物達の見方が変わり最後まで楽しく読むことが出来ました! -
一つの街で様々な立場、思いを持った人の人生が交わり合っていく話。特別な大偉業を成し遂げる訳でもないがそれぞれの思いを持って、それぞれの人生を生きている人 登場人物が魅力的。
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しみじみしたなぁ・・・。
けして生きやすくない閉鎖的なコミュニティの中で、男らしくないと言われながらも、自分なりの考えや好みを曲げることはしない、翼。かれと対極にいるような男らしい幼なじみの鉄也と、やりとりするところがいい。
なんでも大ざっぱに(おおらかに)、「わからん」と言い放ってきた鉄也。結婚しようとしている女性のことに及んでも「わからん」を連発していたら、翼に叱られる。
「なんでも『わからん』で済ませるな」
そう言うしかないこともあるけれども。大事な人やものごと、そして自分のことこそ、分かろうとする姿勢や努力が必要なのだ。その過程で何度、涙しようとも。
みんなちょっとずつ臆病で、でも、曲げられない想いがある。その小さいけれどしたたかな、野の花のようなつよさが、愛おしい。
怒りや悲しみのような、はげしい感情からではない・・・でも胸の奥深くから湧いてくる、"大人の"涙。