カケラ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.10
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本棚登録 : 7344
感想 : 420
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087444735

作品紹介・あらすじ

美容クリニックに勤める医師の橘久乃は、久しぶりに訪ねてきた幼なじみから「やせたい」という相談を受ける。カウンセリングをしていると、小学校時代の同級生・横網八重子の思い出話になった。幼なじみいわく、八重子には娘がいて、その娘は、高校二年から徐々に学校に行かなくなり、卒業後、ドーナツがばらまかれた部屋で亡くなっているのが見つかったという。母が揚げるドーナツが大好物で、それが激太りの原因とも言われていた。もともと明るく運動神経もよかったというその少女は、なぜ死を選んだのか――?
「美容整形」をテーマに、外見にまつわる固定観念や、人の幸せのありかを見つめる、心理ミステリー長編。

【著者略歴】
湊かなえ(みなと かなえ)
1973年広島県生まれ。2007年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞、受賞作を収録した『告白』でデビュー。同作で09年本屋大賞を受賞。12年「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞短編部門、16年『ユートピア』で山本周五郎賞を受賞。18年『贖罪』がエドガー賞候補となる。その他の著書に『夜行観覧車』『白ゆき姫殺人事件』『母性』『山女日記』『リバース』『未来』『落日』など多数。

感想・レビュー・書評

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  • 東京の美容クリニックに勤める美人医師の橘久乃は、久しぶり会った田舎時代の幼なじみから痩身の相談を受ける。
    カウンセリング中、小学校時代の同級生だった横網八重子の思い出話になった。よこあみやえこ。ヨコヅナではない(笑)

    八重子には娘がおり、その娘は、高校二年から不登校になり、卒業後ドーナツがばらまかれた部屋で亡くなっているのが見つかった。

    母が揚げるドーナツが大好物で、それが激太りの原因とも言われていた。
    太っていてもとても明るく運動神経もよかったというその少女は、なぜ死を選んだのか?

    美容クリニックの医師、久乃が関係者から話を只管聞いていくというスタイルで物語が進行していく。


    自分もデブなので耳が痛い(^◇^;)
    食事制限や運動の努力もしないで、、云々、、言われると辛いところだ(笑)

    先日読んだ逆転美人もルッキズムに纏わる話だったが、こちらの本も多いにルッキズムに纏わる本当だった。

    私は整形したことはないが、多少整形しても、それで自信が持てるようになれるのなら、良いのでは??と思ってしまう。
    世の中、美人と不美人では、やはり周りの対応って全く別物(^◇^;)
    会社でも、やっぱり美人は大切にされている気がするもんなぁ。。。


    さて、湊先生らしいこの本。
    それぞれの関係者が只管話し言葉で先生に話しかける構成。
    苦手な人は読みにくいと感じるかもしれないが、読書初心者には逆に受け入れやすいかな??

    章が変わるたび、人が変わるだけで、語り口の構成は変わらない。あー、またこれかー、、、と、
    今の私には、若干の読みにくさを感じてしまった(^◇^;)

    • よむおさん
      解説欄で自分も「ヨコヅナ」と読んでいた(^_^;)
      この本を読む機会があるときはちゃんと読めるように成長したい
      (思い切った名字にしたな~と...
      解説欄で自分も「ヨコヅナ」と読んでいた(^_^;)
      この本を読む機会があるときはちゃんと読めるように成長したい
      (思い切った名字にしたな~とも感じていた)
      2023/03/21
    • bmakiさん
      よむおさん

      コメントありがとうございます。

      またこの女性の人相が、思いっきり横綱ヨコヅナで(笑)

      ヨコアミかよ!と突っ込ん...
      よむおさん

      コメントありがとうございます。

      またこの女性の人相が、思いっきり横綱ヨコヅナで(笑)

      ヨコアミかよ!と突っ込んでしまいましたよ(笑)
      本を読む時、こういう人物をイメージしやすい名前は、有難いかもしれません(笑)
      忘れないですし(^^)
      2023/03/21
  • お得意の主観インタビューからの掛け違いイヤミス
    今回は登場人物が多い多い
    ネタバレサイト見て緻密さを痛感
    ‥が本作はなんか共感できず消化不良
    ルッキズムは自己肯定のバロメーターの一種?

    琴線メモ
    ■ ドーナツはおやつだけじゃなくて、魔法の道具でもある

    ■外見だけを表しているのではなく、内面だってピースの形に現れる。長所があり、短所があり、好きなものがあり、苦手なものがある。 そうやって、自分というカケラができあがる。

    ■自分の理想の形が必ずしも他人にとってもそうではないということ。 同じ形が揃えば揃うほど、絵は作りやすい。このピースはここじゃなければならない、という決まりがないのだから。だけど、そんなパズル、つまらないと思いませんか。できあがった絵もつまらなそうじゃないですか。

  • 湊かなえワールドへようこそ!笑

    いやぁ、こんな表現の仕方があるんだなと
    素直に感服。

    面白かったですね。

  • 湊かなえさんの本、文庫化されたので読んでみたいと手にとった作品。

    有羽という少女の自殺を美容外科医の主人公が関わった人々との対話の中から真実を追う。

    各章ごと一人一人の目線から語られる生前の有羽の人生。
    各々に嘘は無いのだろうけど自己価値が高く、自分の概念や常識を正当化し押し付けるように振りかざす。
    本人が望む望まないに関わらず。

    これって自分にも当てはまる事が多く、一般論や社会的常識がある程度の基準になっているからだと感じる。
    多様性の中ではやはり邪魔で、その基準があるからマイノリティーは増え続ける気さえする。

    有羽は最後ドーナツの穴から何を見たのだろう。
    色々と推測できる。
    自分はやはり母子二代で八重子の人生を引きずり回してしまったという思いから自殺へと至ったと推測。
    愛するが故の結論だろうと。
    ドーナツの穴から優しさに溢れた八重子をみたと感じた。
    他にも要因はあるがそこが一番強いのでは?と感じた。

    「カケラ」というタイトルだが、ドーナツの中央のカケラの部分、空いた穴から見える景色はカケラがあるから見えるものでは?と終始思考がいってしまった為、最後モヤモヤ感が残った。

  • 太った、痩せた、背が小さいなど、見た目のコンプレックスを突かれると、人間の自信が急に薄れてしまう。人は何でもかんでも外見だけで、その人の
    価値観をつくりあげてしまう。人は内面だろとよく
    言われるが、でも、外見に偏った判断をしてしまう人の方が多くいるのも事実である。
    本作は、親が子を太らさせることが、虐待になるのかが、物語の争点となっていて、虐待の定義という
    ものが、あるのか知りませんが、大体が、痩せ細っていったら、虐待に該当すると思っていて、どこを
    幸せと基準にするのか、見た目が変わったら虐待になるのか、難しい基準の中で、世の中は動いていると思います。整形をすることが、そこまで良くないとされているのが、今の日本で、お隣の韓国は整形に関しては、世界トップクラスの技術を持っているので、韓国民の人たちは、整形に関してはそこまで、悪いイメージを持っていない。外見を修復することが何故悪いとされているのか、そういった問題も考え直すキッカケとなった作品でした。

  • 自分が絶対に正しい、と断固主張する成功者ほど教育者に向かない人はいないと思った。

  • 湊かなえのどんでん返しとかを期待して読むと、期待外れになると思うので注意。
    私は湊かなえ作品を読むのが久しぶりだったから、割と先入観とかなくフラットな気持ちで読めた。話の構成は良かったと思う。

    ただ、内容がなぁ。美人美容整形外科医の橘久乃が主人公。彼女が脂肪吸引を行った吉良有羽が自殺をし、その真相を知るために関係者に話を聞く。久乃は終始利き手で、話し手の語りで話が進む。
    ひたすら語りだから、みんなよくしゃべるな〜と思って見てた。ただ、出てくる人みんな、そんなに久乃に好感をもってない。それは彼女が美人だからなのか、中身の問題なのかはさておき。久乃は美人だから得したことも多いはずだけど、損したことも多いんじゃないかな。ま、私も久乃はちょっと苦手なタイプだけど。
    ダイエット中の人、いま現在容姿に強いコンプレックスを抱いている人にはオススメできない。

    誰しも自分の体型や顔のことで悩んだ時期があるはず。その時期のことを思い出しながら読むと結構キツい。外見に囚われたくはないけど、どうしても最初に入ってくる情報は容姿のことが多い。改めて、見た目で判断すること、自分の見た目について考えさせられる。

  • 大量のドーナツに囲まれて自殺した少女の話?

    太っていたとも、美しいとも言われた少女は何故、自ら命を絶ったのか?

    主人公で美人整形外科医の橘久乃は知り合いの患者から、自分の故郷で自殺した少女の話を知る事になる・・・


    物語は終始、橘久乃が事件に関わっていると思える人達からインタビュー形式の口語体で物語は進んでいく。


    ドーナツと少女の自殺!?

    非常に奇妙な組み合わせに惹かれてしまうのは私だけでしょうか・・・
    →単行本が発売された頃、帯が非常に気になりました


    人を外見で判断してはいけないと言うのは道徳として皆んな解っているはず、しかし外見で好きか嫌いか判断できても、中身を判断するのは難しい。
    血液型や星座である程度、性格を判断してしまう人達がいるように見た目で判断してしまう人達がいるのは、手っ取り早いからだと私は思う。
    かといって、一年程度の付き合いで相手の中身の良悪を判断するのには時間が短く、かといって全ての人と一緒に3年ぐらい暮らしてみるわけにもいかない・・・
    限られた時間を有効活用して、良き友、良き伴侶と巡り会える事は奇跡かもしれない・・・

  • 主人公が聞き役に徹するという今まで読んだことないストーリーで考えながら読めた一冊。
    SNSとかで他人と自分を比較してしまう人やそういった人の気持ちがいまいち分からないという人にも読んでほしい。自分の中の価値基準が曖昧だと社会の価値基準や声の大きい意見にすり替えられちゃうよなって読んでて感じた。SNSのいいねで一喜一憂したりとか。
    もちろん人の数だけ正義があるし、だいたいはその押し付け合い。自分自身が何に価値を置くのか。この本を読んで価値観のはっきりしてる人は素敵に見えるなって改めて思った。

  • あらすじ見て面白そう!って思って読んだけど
    読みにくかった、、、
    結局、1人の少女のことを語り手変えて自分の過去を交えながら話してるだけって感じかな。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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