さよなら、手をつなごう (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450521

作品紹介・あらすじ

あの頃、僕らはいつだって、目の前の何かに夢中になって、彼方の誰かに恋をしていた。宇宙飛行士を目指す兄の背中を、一途に追いかけていた幼い日々。たったひとりの親友以外には友達もいない学校生活で、不意に胸に焼きついた女の子の横顔-。まっすぐでイノセントな少年少女たちの一瞬を切り取った、心あたたまる青春小説集。巻末に可愛い絵本も収録の、中村航・初の文庫オリジナル作品。

感想・レビュー・書評

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  • 「サヨナラだけが人生だろ?」

    と聞くと、ひどく悲しいことのように思えますが
    中村航が紡ぐサヨナラたちは相変わらず優しくてあたたかです。
    (だから宮尾和孝の表紙もいつもながらすごくピッタリなの)

    「さよなら」をモチーフにした短編集。
    とはいえ、さよならにもさまざまな色があるわけで、
    悲しいブルーのさよならばかりではなく
    虹色のさよならが詰まっています。

    真っ白な新しい明日へ向かう「幻視画」
    漆黒の宇宙にきらめく、
    「インターナショナル・ウチュウ・グランプリ」
    夕陽のオレンジと深緑のカエル「さよならマイル・ストーン」
    懐かしい気持ちが甦るビビットカラーの「女子五編」
    透き通ったブルーの「さよなら、ミネオ」

    そして最後に可愛くてたまらない「ぱぐ ぐぐぐ」

    サヨナラだけの人生でも、
    それが虹色なら、悪くないかもしれません。

  • 短編集なんですが、中村氏らしいほのぼのとした可愛らしさが少なかった。
    登場人物の中心が小・中学生だったからかも。
    やや期待ハズレでした。

  • 「幻視画」
    二人でつくる部屋。
    想像しながら必要なものを考え配置する間も、互いの事を更に知れる楽しい時間なのかもしれないな。

    「インターナショナル・ウチュウ・グランプリ」
    幼い頃の拙い計画。
    子供ながらに必死に考えたものだったのだろうが、発送は面白いだろうが現実味のないものだろう。

    「さよならマイルストーン」
    願いを叶える代償。
    気分が高揚していたのもあるが、どれだけ大切なものか理解していないから簡単に差し出せたのだろ。

    「女子五輪 -UDON KINGが採譜した五つのメロディー-」

    【その一】
    あれだけあるヒントの内容が当てはまることばかりだと、もしかしたらと思うのも仕方ないだろうな。

    【その二】
    いくらブームだとしても、短期間で同じ相手からチームの数人が告白されていたら複雑な気持ちだろ。

    【その三】
    いじられキャラだったとしても、悪意などなくクラスに馴染めるような立ち位置だと嬉しいだろうな。

    【その四】
    隣の席だったから聞こえたのか、それとも皆の叫び声に負けないほど大きな声で想いを口にしたのか。

    【その五】
    こんな時だったからこそ何も考えずに答えた言葉だったのだろうが、一生大切にすべき想いだろうな。

    「さよなら、ミネオ」
    一人が創り出した。
    心を支えるために仕方がなかったとはいえ、幻影に全てを託して過ごす日々は気楽で楽しかったろう。

    「ぱぐ、ぐぐぐ」
    ぱぐすぱーりんぐ。
    付け焼き刃で闘おうとしても相手は本気なのだから、そんな簡単に白星をあげることはできないだろ。

  • ラストの絵本も含む6編の内、2編は初出が児童書だったものが収録されている。 初期の中村航色は薄めかも。 『インターナショナルウチュウグランプリ』一番好き。子供の頃の夢を叶えられる人って実は少ない。本当に宇宙に行ったのはぶっちーだけど、他の面々にも宇宙を夢見た頃の名残りがあるのが素敵だった。 『幻視画』短いけど爽やか。物語の入口にうってつけの作品。 『さよならマイルストーン』初出は児童書(集英社みらい文庫)。結局魔法なんか無くても蒼くんは元々佳代の事が好きだったようにも思える。『女子五編』ティーン誌のモデルさんたちへのインタビューを経て生まれた作品。初出は児童書。20代後半の初読時は合わないと思ったが、30超えて再読すると彼女らの青春が微笑ましく思えた。私もこんな学生時代を送りたかった! 『さよならミネオ』私はこっちの青春だった。著者があまり書かないタイプの主人公だ。“僕”はミネオの別の“人格”なのか、それとも別の“存在”なのかどっちだろう? 『ぱぐぐぐぐ』かわいい。

  • 灰色と桃色

  • 再読希望

  • 何番目か忘れたけどユニバのジェットコースターに乗る話大好き 未だに読むたびキャーーって霧散しちゃう 内容的には中学生向きくらいかなー文体がやや幼かったです 付き合ったそれからについてはあんまり書かれていなかったはず 恋に恋してる、夢に夢見てるような話が多かった(それが悪いという話では全くない) すーっごい微笑ましい よかった

  • 2019/8/30
    中村航さんの作品は結構呼んでるつもりですが、こういうライトな感じの話も書くんだなあという印象です。
    現代を生きる女子の中学生や小学生に焦点を当てて書かれた日常を切り取ったかのような短編が収録されています。
    中学生というはっきりいって結構むちゃくちゃというか訳わかんないような、でも変なことで面白かったり、どうでもいいことでつまずいたりするような成長期の時期にいろいろなことを感じる年の頃ですが、それがありのままに表現されているような気がしました。
    今まで読んできた話は大人に焦点を当てた恋愛の話が多い印象だったので、なんだか意外な感じがしましたが、スラスラと読み進められていいなと思います。

  • 学生さんの恋愛に関する短編集。文体にクセはない。ただいかんせん、盛り上がりどころが分からん。恋に恋してる感じも凄まじく、まだそういう姿を微笑ましく見つめられるほど人生の経験値積んでなくて残念

  • 中村航さんの小説は初めまして。好きなイラストレーターさんの絵がいつも表紙で気になってた!
    ほのぼのする短編集。
    続きが気になるところで終わってる話が多かったので少し物足りなさも感じてしまった。

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著者プロフィール

建築家。博士(建築学)。株式会社MOSAIC DESIGN代表。
1978年東京都生まれ。2002年日本大学理工学部建築学科(高宮眞介研究室)卒業、2005年早稲田大学大学院修士課程(古谷誠章研究室)修了。2008年同大学博士後期課程単位取得退学、助手・嘱託研究員を経て、2010年〜16年東京大学大学院隈研吾研究室助教。2011年東南アジアのストリートの屋台に関する研究で博士(建築学)取得。同年建築設計事務所MOSAIC DESIGN設立。明治大学I-AUD、早稲田大学、日本大学などで非常勤講師を務める。店舗・住宅・ホテル・商業施設・マーケットなど、屋台からアーバンデザインまで、何か楽しいことやりましょう!をキーワードに大小さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

「2023年 『POP URBANISM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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