- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087450705
作品紹介・あらすじ
目覚めたてのロリータ少女と、柔道バカ。変わり者扱いされる十四歳の二人が恋をした。けれど、彼の引越しで名古屋と東京に離れて暮らすことになり……。世界で一番純粋な恋の物語。(解説/加藤千恵)
感想・レビュー・書評
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中学生のがむしゃれでまっすぐな恋。子供だけど少しの大人で、ここまで熱くなれるのか!という感じ。そしてこの世代の恋愛小説にはめずらしくきちんと現実にむきあっている。野ばらさんならではのロリータに憧れる主人公が頑張っておしゃれを楽しもうとする姿もみてるこちらが胸を締め付けられる。恋をしてない同世代としては憧れも共感もふくめ良い作品でした。
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自分用
最近見ている、小説を紹介するYouTubeで知り読んでみた。
感想としては自分には合わないなと。あまりゴスロリに興味はないし、藤森くんの昭和気質な感じもあまり受け付けなかった。
しかし、終盤の早い展開は読み応えがあり、普段1日50ページほどしか読めない自分も最後は一気に読み、読後感は悪くなかった。 -
恋に落ち距離を感じて愛せずに子供のうちの遠距離なんて
子供の遠距離恋愛なんてこんなものよね。 -
借りた本。
あまりにも魅力的な物語で一気に読んじゃった。ラストシーンは涙で字が読みづらかった
方向性は全く違うし、相手の好きはよくわからない
それでもお互いを想い合う2人が本当に愛しい
こんなにも一生懸命になれる相手がいるって素敵 -
中学生の淡い恋。「俺と付き合ってくれんかね。...結婚したらよ、一生幸せにしますわ」可愛い。シビれる。ピュアラブ。クセのある作品が多い印象の野ばらさんだが、本書の系統は『下妻物語』っぽい面白さと読みやすさ。ロリータファッションに傾倒する少女と本宮ひろ志の世界観に憧れる少年。独特なスタイルを貫く二人の中学生カップルが遠距離恋愛になってしまった。微笑ましくていじらしくてせつない物語。本全体から中学生ならではの思考回路や情熱や不自由さが炸裂していてそこが魅力。名古屋ネタが多数なので詳しい人はもっと楽しめそう。
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14歳の時、自分がどうだったか、どの様な考えで日々を過ごしていたかを振り返ってみるが、思った以上にぼんやりとしていたんだなあ、と気付く。
部活に打ち込んでいた訳でもなく、勉強も悪目立ちしない程度、見てくれも無頓着、社交的でもなかったので当然の様に恋なんて縁が無かった。
ところがこの小説の主人公・仲葦さんと藤森君は確固とした自分を持っていて、周囲から浮いていようが後ろ指を指されようがひたすらに愚直である。今の感覚で読めば幼い恋模様だと思うが、デートひとつに全力で悩み、走り、喜ぶ。
その姿がすごく羨ましく、生き生きとして、まぶしい。
そんな二人の様子を共有してきた我々読者にとって、物語の終わりはあまりにも淡々と、あっけないもので「無難」である。この終わり方も何とも言えず胸を締め付ける。
どうしても藤森君の強烈なキャラや過剰な名古屋弁に目を奪われがちだが、心情の変化と街の変化を重ねたりと嶽本野ばら氏による感情の繊細なくすぐりが大変心地よい。
栄の三越屋上の観覧車の場面とか最高。
名作だと思う。
1刷
2021.1.15 -
中学生同士のピュアな恋愛。これは一生心に残るだろうな。
たしかにこの頃の中学生にとって、東京と名古屋は遠い。。 -
仲葦さん・・・ロリータ大好きな中学生
藤森君・・・・学ランを着て名古屋弁をしゃべりいつも柔道着を持ち歩く硬派な中学生
2人ともクラスでは少し浮いた存在
そんな二人が付き合うことになる。
二人で花火を見に行ったり、喫茶店や観覧車でのデート
でも2人はてをつないだこともないほど純粋
そんな中、藤森君の転校が決まる。
仲葦さんの姉からポケベルを手に入れた2人は、ポケベルでの連絡を続け、
さらに青春18きっぷを使い、東京と名古屋、滞在時間数時間のためのその何倍の時間をもかけて会いに行く2人
そんな中、2人に緊急事態が・・・ -
嶽本野ばら氏の本を初めて読んだ。
なんとなく気になる作家ではあったものの、読む機会がなかった。
そして、今回この本を手に取ったのは読んでみたかったからとか、特に理由があったわけでもない。
強いて言えば、タイトルと表紙の雰囲気が気になったから、というところか。
裏表紙のあらすじすら読まずに読み始めたので、読みながら、「この2人は同世代だ」と思い、実際、最後に同級生だったことがわかった。
中学生だからこその真っ直ぐさ、純粋さが気取るわけでもなく、ありのままに感じられるくらいに描き出されていて、あまりの甘酸っぱさに少し笑ってしまった。
中学時代にこんな甘酸っぱい恋愛をしてはいなかったけれど、2000年を同じ中学生として過ごした身として共感できる部分もあった。
名古屋に行ったこともないのに、仲葦さんと藤森君が歩いている場所を近くに見たような気持ちになった。
この瑞々しさ…。
素敵な青春小説に出会えて良かった。