もらい泣き (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 701
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453461

作品紹介・あらすじ

一族皆に恐れられていた厳格な祖母が亡くなった。遺品の金庫の、驚くべき中身とは…?(「金庫と花丸」)など、冲方丁が実話を元に創作した、33話の「泣ける」ショートストーリー集。

感想・レビュー・書評

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  • 冲方丁のショートストーリー?と興味もあって、購入。

    結果、見事にもらい泣き。
    かなり泣けたのは「今から行きます」。
    電車の掲示板をめぐるエピソード。

    こんな風にポツリ、ポツリと涙が落ちる本に、私は今まで出会ったことがなかった。

    作者自身は、もっと大泣きさせるように創作することも可能だが、と言う。
    それはそれですごい技だと思うのだけど、そうしなくとも響く、人のすごさに思い至った。

    自分自身のことでなくとも、ポツリと涙が出る。
    生きていることを、こんな風に味わえる人間という生き物は、ほんとうにすごいと思う。

  • 個人的には結婚指輪のお話が一番感動しました。
    奥さんを大事にすることが旦那さんの一番大切な使命だと感じました。

  • 冲方さんがまわりに聞いてまわった“泣ける”話から創作した33の物語。

    朝の通勤電車で読み始めたんですが、速攻別の本にチェンジしました。
    涙腺が緩んでる人間は外で読んではいけない作品だった。

    身近な人のお話、仕事の鬼たちの話、東日本大震災に遭った人たちのお話。
    別れでも、残された人が明日も生き抜こうと思える。

    “泣ける”というより、心を動かされる。素朴な、敢えて手を加え過ぎていない雰囲気がある。

    学生向けの表紙ですが、社会人の人にも。

  • 家族やペットを大事にしようと、心を綺麗にさせる本だった。

  • 【きっかけ・目的】
    またまた、冲方作品を読んでみたくなり、もらい泣き。

    【感想】
    本当に個人個人が大事にしている心の中のちょっとした話を「ほんわか」したものに話を昇華している。
    泣きこそしなかったもののじんわりと心が温まった。

    ついついもらい泣きしてしまうぐらいの話って自分ではどういうものなのか考えさせられた。
    著者はその人の良心にこそ原石があるというようなことを書いてあった。誰にでも心温まるエピソードはあるらしい。自分も話を探そうと思った。

  • 2012年に単行本で出た同名作の文庫化。

    表紙は2014年に講談社から発売された『アレンジ』コミカライズ「地球生まれのあなたに」の馬瀬あずささんによるもの。
    こういった出版社の垣根を超えた試みが出来るのも、「冲方サミット」の強みかと。

    「音楽と10円ハゲ」と「25メートル」の前半は「蒼穹のファフナー」シリーズの主題歌担当しているangelaのKATSUさんのエピソードが基になってます。

    2017年の集英社文庫ナツイチに選ばれていたので、立ち読みで確認しましたが(単行本も文庫も初版で持っていたので(^_^;))ある一編がカットされていなかったのには驚きました(笑)

  • 冲方丁のもらい泣きを読みました。

    冲方丁が知人から聞き出した感動的な話を収録した短編集でした。
    特に気に入った話は心霊写真、ぬいぐるみ、爆弾発言、でした。

    心霊写真は6人で写真を撮ったらテーブルに手が13本写っていた、と言う話です。
    でも、その13本目は師匠の亡くなってしまった奥さんの写真で、師匠がずっと付き添って手をさすってあげていたのをみんな知っていたのでした。
    全然怖いとは感じませんでした、というのが写真を撮った人の感想なのでした。

  • 感動をテーマにした短編集。
    東北大震災を挟んで、連続で執筆されたもので、震災直後に書かれたものも。

  • なんとなくほっこりする話でした。

  • どの話ももらい泣くことはできなかったけど、知り合いの小咄を聞いているみたいで楽しかった。個人的には「爆弾発言」と「旅人たちのバス」は登場人物に興味を引いてとても印象に残った。
    本の後半、震災後に書かれたショートストーリーは、どこか人の繋がりを強く感じた話しが多かった。「盟友トルコ」の『近くの親類より、遠くの他人』は今の自分の人間関係の共感性が強くグッときた。

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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