化け猫、まかり通る 猫の手屋繁盛記 (集英社文庫)

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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453553

作品紹介・あらすじ

とある事情で猫の姿になってしまった浪人の宗太郎。善行を積めば元の姿に戻れるということから、市井の人々から舞い込んだ依頼を受けて今日も奔走する。大人気あやかし時代小説、第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • あいかわらず猫にも人にも温かい物語でした。

    ところは日本橋・三日月長屋。
    ひょんなことから白猫にさせられた武士・宗太郎。(猫太郎)
    「猫先生!」
    「いや、それがしは猫ではないのですが…」
    今回も、そのむなしい抵抗が……笑えます。

    もうね、犬のまるちゃんの忠誠心と、子猫の田楽ちゃんのいじらしさがたまらない。
    田楽ちゃんとの別れはさみしかったけれど、
    続編ではぜひ、田楽ちゃんが幸せに暮らしている様子を見たいです。

    そして、爺やの言葉が深く深く胸に響きます。
    「市井に息づく猫、犬、鳥、虫一匹にも命がございます。
    愛玩動物の生殺与奪は人間次第、さすれば、愛玩ではなく愛情をもってお育てなされ」
    世は空前の猫ブーム。
    これで不幸な猫ちゃんが少しでも減ってくれたらと願いつつも、
    手放しで喜ぶことができない私には、
    爺やの言葉が”ブーム”への警鐘のように聞こえました。
    愛玩と愛情の違いを、自戒も含め理解したいと思います。

    「猫の手貸します」
    世のため人のため、ひいてはおのれのため、猫のため、恩送りするため、
    百の善行を積めば人間に戻れるという、
    その日を夢見て、猫太郎は今日も行く。

    ただし、猫は七より大きい数字がわからないそうなので…(笑)

  • どんどん面白くなってきた。
    シリーズものは、2作目からは面倒な説明文が短くて済み、読者も設定が分かっているので、物語の世界に入りやすい。
    犬の“まる”や、仔猫の“田楽”、皆、人間と同じく忠誠心や家族への恩愛の情を持ち、可愛くて愛おしい。

  • 久しぶりに読んだシリーズの2巻目
    どの話も心温まり良き!


    ・猫のうわまい ★★★★
    始めは江戸っ子的な特有の喋り方や文章?が読みにくかったが、徐々に慣れてくると逆に良い!
    猫がたくさん出てきて、猫好きとしてはたまらない。
    飼い猫を撫でながら読んだ。

    前作を読んだのがだいぶ前なのでなんとなくしか内容覚えてないが雁耶ってこんないいやつやったっけ?って感じだった。



    ・老骨と犬 ★★★★
    江戸の庶民の生活とか文化が活き活きと書かれてて素敵やなーと感じる所がたくさんある!
    左内とまるの関係が良い!

    このシリーズは、どの話もなんだかんだでハッピーエンド的な終わり方が多かったから、最後どうなるのかちょっとヒヤヒヤして読んだ。
    まるく終わって良かった。


    ・晩夏 ★★★★
    田楽が終始可愛い!
    うちの猫は懐に入らないが隣に座って撫でながら読んだ。
    猫好きにはたまらないお話。

  • シリーズ2巻目。3話中、2話をあっと言う間に読んだのに、最後の1話を読むのに間が空き、最初の2話については、記憶に靄がかかっております。

    1巻を読んで、すっかり宗太郎いや猫太郎のファンになったので、今巻ものほほんと楽しめました。特にかわいいアピールをしているわけでも、そういう描写があるわけでもないのに、読者にかわいいと思わせるその筆力はすごいと思わずにいられないのです。

    ところで、最後の話「晩夏」は、ちょっと色々考えさせられました。とはいえ、別に説教臭いわけでも押し付けがましいわけでもなく、また重いわけでもないのだけど。「親子」とか「家族」とか「絆」とか「命」とか。単語だけ並べると重くなるテーマだけど、話自体は重苦しくない。
    でも読みながら、ちゃんと考えさせられる。ただのほっこり話で終わらせないところが、このシリーズの醍醐味かもしれないと思いました。

    さて、第3巻も、張り切って読まねば!

  • どの話も人情味あふれる暖かい話(*^^*)晩夏に登場する仔猫の田楽がなんとも可愛い!(*´∇`*)老骨と犬に登場の犬 まる も大好き!(^o^)もちろん主人公の宗太郎も好きですよ(^^;)もう名前訂正するのが大変なくらい猫先生や猫太郎で定着してますね(--;)百の善行を積んで人間に戻るのはまだまだ先になりそうだ(゜゜;)

  • シリーズ2作目。猫股やら猫のお白洲やら、猫好きには楽しい世界観。主人公の宗太郎はじめ登場人物、登場猫たちのキャラも良い。特にハチワレ猫の千代紙がお気に入り。
    3話収録で、特に最後の話が良かった。

  • とある事情で白猫の姿になってしまった
    旗本の跡取りの宗太郎(通称、猫太郎)。
    善行を積んで元の人の姿に戻るため
    家を出て、裏長屋でよろず請け負い家業
    「猫の手屋」を営むことに…
    「猫のうわまい」「老骨と犬」
    「晩夏」の三話収録。
    猫の手屋繁盛記シリーズ第二弾。

    侍の格好をした猫を「人になろうと努力中の化け猫」
    と受け入れる人たち。実際どうであれ
    懐の広い粋な時代、世界観だな~と思います。
    情が深くて読んでいて楽しいシリーズです。

    でかい猫侍の懐に仔猫が…想像するだけで
    微笑ましい…田楽ちゃんが可愛いです…
    田楽と暮らすうちに親心を
    想うようになる猫先生。
    忠実な犬と、気ままと思われる猫。
    それぞれの情。

    「猫先生」と呼ばれるたびに
    いちいち「それがしは猫先生ではないのですが」
    と訂正するのが面倒ながらも
    宗太郎の石部金吉っぷり、
    生真面目さが出ていていい感じです。

  • 田楽ちゃん、可愛い!
    それだけに、宗太郎の決心が胸に迫る。
    宗太郎が化け猫扱いされちゃうのは気の毒だなー。
    でも、ねこのうわまいでは楽しんでたね(笑)
    犯人は、もしやと思ったのが当たってしまって残念。
    宗太郎が猫になってしまったのは気の毒だし、真面目な性格が好もしいので、早く人にもどしてほしい。
    でも、そうなるとシリーズが終わって寂しいし、実際、5巻までは出ているので、そこまでは猫さんのままの模様。
    先を楽しみに読もう。

  • 「猫のうわまい」胸が痛む描写があり、許すまじと思いながら読みました。道楽や贅沢のため、動物を狩るのは人間だけ。人間は業が深い生き物です。

  •  2015-12-23

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