- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087454765
感想・レビュー・書評
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短編集。
しょっぱなからひねりが効いてた。
医者や病院の裏側を垣間見た感じで面白かった。終盤に向かってさすがにエスカレートしてる気はしたけど、ほんとにあんなことあるの?嗤詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めての著者本。単行本の時から、気になってたけど、基本文庫本しか買わないので、文庫発売日に、いそいそと購入しました。
奥田英朗の「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」と精神科医の伊良部シリーズを読んだ後だったので、お医者さんの話とはいえ、
患者視点のメディカルコメディ(?)伊良部シリーズとは毛色の全く違う本作。あらすじにも「ミステリー」と銘打っているので、
どんな感じなのだろうと、わくわくしながら読み始めました。
最初の話「寝たきりの殺意」を読み始めた時、ちょっと身構えました。
「ひょっとして・・、ミステリーはミステリーでも、”イヤミス”の類・・?」と不安になりました。
というのも、あたしは、ミステリーは好きだけど、「イヤミス」と呼ばれるものは、苦手だからです。
真梨幸子の「殺人鬼フジコの衝動」と乃南アサの「犯意」を読んで、「ストーリーは面白いけど、心理的ストレスが半端ない」
と思いました。トラウマ的というか、読後感(読んでる間もですけど)の心理的負担というか・・、とりあえず、自分には合わなかったようです。
話は逸れましたが、それがあったので、この「嗤う名医」も全編そうなのかな・・と読み始めから不安になりました。
ネタバレになるので、オチは避けますが、結果的に言えば、あたしが心配した「イヤミス」ではありませんでした。
なので、2話、3話・・と読み進めて、オチは分からないけれど、話の方向的には安心して読めるな、という印象でした。
ただ・・1点、「名医の微笑」、これだけは、顔をしかめながら本を読みました。
そういえば、矢崎のストレス発散の場・・似た趣味を持つもの同士の場の描写が、漫画「サイコドクター」にもあったことを思い出しました。
本作だけしか読んでなければ、「男性作家の妄想の域」なのかなと思いますが、他作でも似た場面があったとなると・・
ほんとにこういう世界があるのだろうかと思うと、恐怖です。真相はわかりませんが。
上記を除けば、全体的に面白かったのですが、個人的には、最初の「寝たきりの殺意」と、一番最後の「嘘はキライ」が好きです。
「寝たきりの殺意」は、自分含め、誰でもそうなりそうだな・・という印象。決して他人事ではないと思います。
最後の「嘘はキライ」は、他の5編とは若干異なると思います。というか、表現が面白くて、ニヤニヤしながら読んでしまいました。
一番楽しい話なので、そういった意味では、最後にもってきて正解だな・・と思いました。 -
介護、整形、医師のストレスなど、医療現場を舞台にした短編集。とても読みやすい文章で、描かれる世界にすんなり入っていける。
最初の3編は展開に目新しさが無いものの楽しく読めた。特に「寝たきりの殺意」のクソジジイっぷりときたら!次の2編は異常な趣味嗜好を持った医療関係者の話が続いて気分が悪くなったけれど、最後の1編、白い巨塔の派閥争いに巻き込まれる男の話「嘘はキライ」は面白かった。
他の作品を読んでみたくなる程の魅力は感じなかったが、短編集ということもあり気軽に一気読みできた。 -
「笑う」じゃ無くて「嗤う」。笑えないお話ばかり。名医の裏の性癖‥‥ちゃんと治してくれればと思い、そんな人に触れられたくないとも思い‥‥複雑。七つのお話に出てくる医者は作者の分身?と感じた瞬間があったけれど、まさかね‥‥
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何と感想を書いてよいやら。医師あるあるとは極論過ぎて言えないけど、軽く読めてしまった
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久坂部さんの作品は、医者も人間なんだなーと感じさせられる。そして病気と患者と医者同士の確執とかストレス多そう。
個人的に好きなのは「シリコン」。美容整形に失敗した運のない女子が、これからの人生に希望を見出す、光のある感じが良かった。 -
現役医師の紡ぐフィクションは妙にリアルで怖いけど面白い。
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脊柱管狭窄症で尿道に管を入れられ自宅で寝たきりの状態を強いられている男性は、嫁に浣腸を頼むのが憂鬱だ。あげくに嫁は看護婦や医師にわたしが痴呆だと嘘をついて嫌がらせをしている。きっと施設送りにしようと企んでいるに違いない。そんなことはさせないと叫ぶがー「寝たきりの殺意」。豊胸手術に失敗した運の悪い女を描いた「シリコン」他。
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2017.12.3-96
さすがの日下部羊ワールド。
解説もよろし。 -
短編ミステリー全6篇、不安・恐怖・偏執・ブラックユーモアあり・・・すべてが面白い、一気通読 !!