教団X (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 7380
感想 : 556
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455915

感想・レビュー・書評

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  • これは。とても頭が痛くなる本だった。

    分子レベルで人間の在り方を教えてくれました。死とは何か、生とは何か。
    その答えは1つじゃない。らしい。

  • 小説という枠には収まらない小説です。

    原子と意識、この世界と人間の成り立ち、第二次世界大戦時に日本国内を覆っていた大義とカルト教団の閉じた空間の共通点、と語られるテーマは多岐に渡ります。

    それぞれの登場人物が背負う物語(人生)と上記のテーマが関わり合いながら展開していきます。

    靖国参拝や公安、右傾化というキーワードが登場するため、著者による現代政治批判が主なテーマであるようなコメント、意見がありますが、それは氷山の一角でしかありません。

    「何もかも憂鬱な夜に」が好きなかたはぜひ最後まで読んでみてください。この世界で生きていく勇気が必ずわくはずです。

  • 図書館で借りたからなんとか2週間で読み切らなくては、の思いで読み進めたのですが、この分厚さでそれが出来たから多いに惹き込まれたのだろうと思う。
    でもなんだかんだでやっぱり最後に感想は「無意味っぽい性的な描写多かったなぁ…」しか残らなかった。申し訳ない。

  • 595頁にも及ぶ
    日本という国への否定と肯定。

    これは純文学ではなく、
    中村文則さんのイデオロギー。

    政治思想、社会思想に溢れた
    ノンフィクションのように感じました。

    そしてこの本の核は、宗教の否定。

    宗教の聖典に対する疑問には
    僕も大いに共感しました。

    面白かった!

  • 宗教団体の老人の最期を奥さんとキスをしたがら迎えたシーンは感動した。
    それに対してカルト教団の教祖の最期は非人道的的で実に彼らしかった。
    高原と立花に関しては逮捕されしばらく会うことはできないかもしれないが最終的には結ばれてほしい。
    公安の人はリアルの自分とSNSでの自分が対称的で実に今の現代社会の人らしさを感じた。

  • 私の知識及ばず、個人的に非常に難解すぎるテーマで、教祖のスピーチ的なシーンは3行で読む気を削ぐのに十分であった。

    エロを楽しむための小説としか思えなかった。

  • 以前手をつけたときには興味を持てずやめてしまった本が、このタイミングで読みとても面白かったという自分の変化を嬉しく思った。

    宇宙について
    人間について
    思想、哲学、習慣、孤独、性、善悪
    この世の様々な面について感じ、考え、気づき
    理解できずに思考が止まったり声をあげたくなってしまったとしても
    自分なりに考えていれば、読んだ本に沿うことも「それは違うんじゃないか」と思うこともできる
    そんな発見があった。

    中村さんの作品を読んだのはこれが2作目ですが、なんだかタイプでした。
    文体なのか、物語の展開なのか、着眼点なのか
    きっとそれらが混ざり合って、自分のタイプなのかな。

    最後のよっちゃんさんの演説に作者の気持ちが見えた気がして
    誰かがこの世界の歯車なのであれば、それは間違いなく自分も歯車だということ
    そこに大小も優劣も見栄も忖度もない

    あまりの苦しさに浮き沈みを避けてただ在るということだけをして生きていけたらと思うのに、本心は良くしていきたいと思っている
    温かいものをひどく望んでいる

    そんな自分の背中をさすってくれるような本でした。


  • あんまり好きじゃなかった。

  • すごいすごいと聞いてはや2年。
    積読して1年。
    ようやく読み終わることができた。
    序盤の宇宙や素粒子の話が本当に退屈で頭に入ってこなさすぎてずっと寝かせてしまっていたけれど、1/4超えたあたりからどうにも止まらなくて一晩かけて読んでしまった。
    小説で初めて読み返したいところに付箋を貼った。
    この本を読む前の意識には、もう戻れないと思う。
    共に、最後まで、我が人生の物語を生きていこう。

  • 世間から弾かれた者の瀬戸際を描いた作品

    宗教、科学、歴史など著者の広範な知識を覗かせる。

    タイトルの通り、カルト集団の怪しげな話でありながら、ここで語られることに真実の重みを感じる。

    誰もが社会的背景、集団圧力と言った逆らいようのない大きな流れにのまれている。その中で、精一杯生きようとすることが私達にできることだ。

    神的なもの、量子論、脳科学、その広大な宇宙から帰結する卑小な個人という縮尺に揺り動かされる

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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