ひとりずもう (集英社文庫)

  • 集英社
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感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087458657

感想・レビュー・書評

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  • 実際には書きにくい性のことまで面白おかしく書けるって・・・すごいなと率直に思った一冊。
    さくらももこさんの本のタイトルって、どういう基準なのかな・・・((殴

  • 序盤からエピソードがしょうもなくてしょうもなくてこちらの脳みそも緩みきる頃に、不意打ちで流れが変わっていく。172ページから終盤にかけてもう止まらない。虹色のお風呂場を出る場面は本当にキラキラしている。

    「上手いわけではないが、できる限りていねいに、ものすごく心を込めて描こうと思った」p.200

  • えっ!で始まり、えっ・・で終わる一冊。中学から高校時代のさくらももこさんの自伝。他の方の感想にもありますが、突然運命の歯車が回り始めるので驚きます。しかも、今までダラダラしていた分を取り返すように激しく。あとがきも、このエッセイの半分以上をダラーと過ごしていた人とは同一人物ではないようなシャキット感があり、励まされます。やりたいことが明確にある人は強いと思いました。
    とはいえ、半分以上は妄想(美人のハーフの話は爆笑ものです)やちびまる子ちゃんの延長のような話で本当に楽しく読めます。

    ●はじめの「えっ!」とは
    「性についての正しい知識」という言葉が冒頭にでてくるんです。まだ8ページ目だけど??大丈夫?となりました。実はわたしも『「そんな恐ろしい事」が毎月起こっているのによく平気な顔をしているなァ』と思う側の人間です。でも、そこで、『うぐいす色なら衝撃が少ない』など笑える展開にもっていけるところがさすがです。

    ●ひとりずもうとは
    「相手がいない、もしくは全く問題にされていないのに、一人で夢中になって取り組むこと。 また、何も得られないことに必死で取り組むこと。」(gooより)さくらさんは自分の青春を端的に表すとひとりずもうだと思ったのだと思いました。例えば、胸が膨らまなければ・・と思いでうつ伏せで寝たり、素敵な彼に八百屋の娘と知られないように隠れたり・・さらには家族や親戚に無理だと言われても、子供の頃からの夢である漫画家に挑戦したり。ひとりずもうでも、当たることがある。だからまっすぐに夢中になってほしい。そんなことを伝えているのかなと思いました。
    自己啓発本でも「夢中になれ」がキーワードになりがちですが、夢中になり始めるときは、ちょっとしたきっかけなんだなと感じました。

    ●最後の「えっ・・」は
    あとがきの夢の叶え方(向き合い方)や人生の捉え方がひどく現実的だったからです。信号機でも彼の注意を惹くことができるのに・・と考えていた人間と同一人物とは考えられませんでした。この方が「ちびまる子ちゃん」の作者だって?さくらとももこの2人で?という感じ。そのぐらいのギャップでした。そしてその言葉の重みに唸っている間に本書は終わってしまいました。さくらさんは「満喫したなァ」と思って死を迎えられたのでしょうか。もうその言葉を聞くことができなくてとても寂しいです。

  • 気になっていた「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんの作品。
    エッセイが面白いと聞いて購入、読了。

    いやーーー、めちゃくちゃ笑った‼︎
    とにかくオモシロイ…(´∀`)

    この文章のセンス…すごい憧れますねー( ̄∇ ̄)
    そして「根本的な前向きさ、悲壮感の無さ」がとても素敵だなぁと。

    実家が貧乏(笑)とか、いわゆる自虐的な内容は多いんですけど、根本の部分で「まあ自分らしく生きていけば良いじゃん?」的な生き様がある気がして…

    読んでると、何となく人生がユルく捉えられるというか…気楽になれる、そんな気がしました。

    この本のおかけで妙にエッセイ熱が上がったので、いくつかストックしようかな(゚∀゚)

    あと、作品中にちょいちょいヒロシ(ちびまる子ちゃんのお父さん、実在するお父さんがモデルみたいです)が出てくるんですけど、そのセリフが完全にアニメの声に脳内変換されてしまって…国民的なアニメは偉大だな(笑)

    <印象に残った言葉>
    ・うつ伏せ寝の効果は絶大で、あれ以来私の胸は大きくならずに済み、無念さがつのる一方だ。(P22)

    ・少女Aとまではいかなくても、少女Bぐらいにはなっているだろう。Bで充分だ。正月早々、Bまでいければ非常にめでたい。(P68)

    ・私は彼よりだいぶ優勢になった。わざわざ美人のハーフにならなくても、彼は私に振られる確率が高いのだ。彼の方こそ私に向かって「面白い男になります。面倒な事は一切言いませんから」と泣いてすがってお願いした方がいい。そしたら少しは考えてやろう。(P168)

    ・毎日、人の数だけ違う事が起こっている。同じ日なんて無い。一瞬も無い。自分に起こる事をよく観察し、面白がったり考え込んだりする事こそ人生の醍醐味だと思う。(P220)

    <内容(「Amazon」より)>
    「生理になりませんように」と祈った中学生時代。オシャレをしたりペットを飼ったり呑気に過ごした女子校生活。
    突然の初恋。そして将来について考え始めた矢先に味わった絶望体験。
    爆笑…そして感動。""まる子""だった著者が、""さくらももこ""になるまでの青春の日々を記した自伝エッセイ。
    巻末にはお楽しみQ&Aも新規収録!!

  • 今作は、いままでのエッセイとは少し変わっていて、さくらさんの高校時代を追いかけるような、連作といったかんじでした。

    改めて、さくらさんって可愛らしい人だなあ。と思います。ダラダラ好きで、へんてこなことばかり考えている妄想少女。だけど、あの時あの場所にたしかに存在していた自分の気持ちを、すごく丁寧に表現している。
    お母さんやお姉ちゃん、父ヒロシとすごした日々や、学生時代のさくらさんがいまもどこかにいるような、、

    さくらさんが漫画家を長年夢見て、人生がすこしずつ動き出した高校3年生の章は、読んでいて涙がでました。

    さくらさん、夢は叶いましたか?

  • 高校3年からのスイッチが入ったももこさんに感激しました。
    成し遂げるということは、こういうことなんだなぁとシミジミです。
    ももこさんのエッセイ三冊目ですが、これが一番良かったです。

  • さくらももこさん、3冊目。
    表紙に描かれている可愛らしいお相撲さんの前垂れに『青春』の文字。そう。本作品のテーマは『青春』だ。
    中学〜高校の多感な時期の心情の変化が綴られていて、共感できるところがたくさんあった。
    とくに共感した所は、恋愛にまつわるエピソードで、漫画のような透明感のある恋愛をすると思っていたが現実はかけ離れてるし、受け身ではなく自分から掴みにいかないといけない。恋愛も人生も甘くないのだなっと感じた甘酸っぱい17歳の記憶が蘇った

  • #読了 2020.3.25

    2018年に亡くなったさくらももこさんの2005年のエッセイ。どんな学生時代だったか、そして「漫画家さくらももこ」になるまでのお話。
    長編の後の休憩がてらに軽いのを読みたくて、積読の中から。まるで漫画を読むように笑いながら2時間ほどでスラスラ読めた。

    小学生の頃「もものかんづめ」「さるのこしかけ」「たいのおかしら」などのさくらももこエッセイが流行り、読書感想文を書く女子や学級文庫に並んでたりして、身近にはあった印象だが、私自身はエッセイに興味が持てず1度も手に取ったことはなかった。
    毎年チェックする各社の夏フェアの中で目に止まり、今回手に取った次第。

    何度も声を出して笑った(笑)
    小中学生の頃の、男女の体や関係について人一倍疎かった作者の偏ったイメージや理解の仕方が独特で、いちいちおもしろかった(笑)
    そして、なんとも怠惰な高校生活。勝手に理想を持ちながらも努力をせずに環境を悲観し、それでいて他人には文句があるという(笑)
    そして、突然のやる気!ほんと不思議な人。

    「ちびまる子ちゃん」に出てくるクラスメイトは実際のモデルがいたり、架空のキャラだったり、友蔵はほんとは嫌なじいさんだった、とか何かで得た情報が少しありながらだったけど、ヒロシはヒロシのままだった(笑)

    それにしても、私の学生時代は部活か勉強かバイトか何かしらに全力で取り組んできたし、周りもそんな人が多かったし、案外こんなにダラダラするのが好きな学生も珍しいんじゃないかなと思うほど「ちびまる子ちゃん」だった(笑)

    さくらももこさんが亡くなった後にこうして読んでみると、あとがきにある「ああ、面白かった、満喫したなァと感じながら死を迎えられるように生きてゆきたいというのが、夢というより希望だ。」という言葉が沁みる。

    ◆内容(BOOK データベースより)
    男子ってホントにバカだよね、と言い合っていたあのころ。「生理が来ませんように」と祈っていた不安な毎日。女子高に入り、髪を伸ばし、やっとオシャレに目覚めたり。一目惚れした初恋では妄想がさく裂!?な~んにもしないまま「青春」を送っていることに初めて気づいた17歳。やっと自分の将来について考え始め“さくらももこ”になるまでの甘酸っぱい日々を、笑いと涙で綴った自伝エッセイ。

  • さくらももこの青春時代にまつわるエッセイ。
    漫画版をすでに読んでいたので知っている内容ばかりだったけれど、活字になって読むとさらにさくらももこ節が効いていておもしろかった。
    あまりにも奥手すぎる少女時代、初恋の相手への妄想による失恋、夢に向かって行動するスピード感、すべてが青春そのものだなと思う。

  • 212ページ
    1000円
    6月8日〜6月8日

    中学校から高校にかけてのさくらももこの日常が描かれたエッセイ。男子への嫌悪感や女子校時代の話、オシャレの話、勝手な片想いの話、漫画家としての挑戦など、青春の話。

    昔読んだことがあるはずだけど、内容はすっかり忘れていたので読めて良かった。さくらももこさんの文体は本当に読みやすい。

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著者プロフィール

1986年からマンガ雑誌『りぼん』(集英社)で連載がスタートした「ちびまる子ちゃん」の作者。1990年からはフジTVでアニメ化され、超人気番組となる。『まるむし帳』(集英社)は唯一の詩集。

「2019年 『さくらももこの詩による無伴奏混声合唱曲集 ぜんぶ ここに2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

さくらももこの作品

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