- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087460384
作品紹介・あらすじ
天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集その2。目が覚めたら、何者かに刺されて血まみれだった資産家の悲喜劇(「血液を探せ!」)、ハイジャックされた機内で安楽死の薬を買うべきか否か?(「落ちる飛行機の中で」)など、いずれも驚天動地の粒ぞろい6編。文庫版だけのボーナストラックとして、単行本に入っていなかった幻のショートショート「むかし夕日の公園で」を特別収録。
感想・レビュー・書評
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分冊化その2です。映画化されなかった5編+単行本未収録の超短編(4p)1編が収められています。
『ZOO1』のレビューで、共通テーマはないと書いてしまいましたが、強いて挙げると「生と死」でしょうか‥。ただ、本作もそれぞれテイストが違うというか、タイプが異なる作品が並んでいます。
乙一さんの個性豊かな作品群と言うべきか、ひょっとしたら実験的な取り組みをしているのか、とさえ思ってしまいます。
『ZOO1』以上に、ホラーとギャグ、ドタバタの共存? ブラックコメディ? の気も加わっているのが新鮮です。そのジャンルの域を超越した多種多様な作風は、デパ地下の美味しいものを摘み食いする感覚です。
特に、声で人の心を操る話なんかは、カルト宗教の洗脳のような生身の人の怖さを感じました。
また本書は、その題材・発想が、後のテレビ番組や出版業界へ大きな影響を与えたのでは? とも感じました。それくらい、将来を暗示する事件的小説とも言える気がしました。「〝◯◯の原点〟的なもの」がたくさん散りばめられていますね。
強烈な吸引力のある表現、それでいてスルリと読者を煙に巻くような文章を、もう少し体験したくなります。(これって沼? 中毒の始まり?)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
乙一 著
ZOO 1の続きのようで続きじゃない!
こちらも6つの短編集で構成されている作品。
解説の島本理生さんも書かれてたように…
北上次郎さんの『何なんだこれは。』という
腰帯のコメント!確かに〜と唸る(・_・;)
乙一氏が異彩を放った作家さんであることは
間違いない‼︎
ZOO 2は不気味さが増すような、それでも
コミカルに描かれていたり、(" ̄д ̄)ゲッ!異常じゃ、とゾッとする思いとはまた別の、何だろう…異様な不思議な感覚に誘われる。
確かに形容し難い。これが所謂、乙一ワールドとしか表現出来ない世界なのだろう。
ZOO 2は
『血液を探せ!』『冷たい森の白い家』
『Closet』『神の言葉』
『落ちる飛行機の中で』
『むかし夕日の公園で』の6編。
“血液を探せ”は物語の入口がホラーかと思わすような…サスペンス仕立て?けどコミカルな、何なんだこれは⁉︎の世界ですな。
“冷たい森の白い家”は不気味(゚д゚lll)でも…
“Closet”う〜む、何だかミステリー劇場か?
“神の言葉”不気味、不気味、異常で哀しい。
“落ちる飛行機の中で”はこれまた何なんだ!
でも、現代を象徴するような笑えるのに、虚しさと切なさが入り混じって、ラストはどうして⁈という気持ちもあったりする。
でも、この6編の中では私的には一番好き。
ラスト6編目”むかし夕日の公園で”
本当にショートストーリー
でも、この短いストーリーの中にグッと詰め込まれる感覚は幼き自分の記憶のどこかにあるような気持ちにさえしてしまう。
この不思議な魅力が多くの乙一ファンを惹きつけているんだろうなぁ。
また次はどんな乙一ワールドの世界を楽しめるかな…と読み終わった後に考えているのだもの。
全く油断も隙もない(^^;;笑
ところで、私も表題の『ZOO』
何で”ZOO”何だろう?って思っていた。
解説の中に説明があった、、
グリーナウェイの映画…(*'ω'*)なるほどね〜-
う~~~ん。
ほとんどおぼえてないや('_')
あれから何年経ったのかなぁ。
血液の話と落ちる飛行機の話は、かすかに……。
ああ、読...う~~~ん。
ほとんどおぼえてないや('_')
あれから何年経ったのかなぁ。
血液の話と落ちる飛行機の話は、かすかに……。
ああ、読み返したい( 一一)2022/07/20 -
紹介して頂いた、流石のどんチャンでも…
読みすぎて記憶を辿るところですね。
私は読んだばかりだから新作の域、グフっ(^ν^)
短編だから、即...紹介して頂いた、流石のどんチャンでも…
読みすぎて記憶を辿るところですね。
私は読んだばかりだから新作の域、グフっ(^ν^)
短編だから、即読みし易いですよ〜
と、言いたいところだけど…控えし本が多い
だろうから(^^;;笑
余裕の時間がある時に、飛行機の話は面白かったです♡2022/07/21 -
PS.時間の余裕がある時ですね(⌒-⌒; )
言葉までおかしくなってきた!(◎_◎;)
乙一ワールドの世界教えて頂き感謝!
おーきにです(о...PS.時間の余裕がある時ですね(⌒-⌒; )
言葉までおかしくなってきた!(◎_◎;)
乙一ワールドの世界教えて頂き感謝!
おーきにです(о´∀`о)2022/07/21
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続けて再読。短編5.5編っていう感じ。
どれも切れ味ある短編。
すごく頭が良くて文章が書ける少年が、その時期のパラドックスをそのまま表現している感じ。
「冷たい森の白い家」
馬小屋で虐待を受け育つ子供。理不尽な待遇は続き遂に追い出される。一人で生きる為、死体で家を作る。家の壁の一部として使った姉弟の遺体を家に返しにいくと昔優しくしてくれた女の子の子供達だった。無感情表現極まる。
「血液を探せ」「クローゼット」は、ミステリー仕立て。思いの外、手が込んでいる。
「むかし夕日の公園で」
4ページの超短編。一度読んだら忘れられない一作になりますね。
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R1.8.14 読了。
「血液を探せ!」と「むかし夕日の公園で」が良かった。 -
血液を探せと飛行機の作 犯人探しと結末を想像しながら読む 面白かった。
神の言葉はラストまでゾゾっとしました。
短編だけど読み終えた後余韻にひたる -
単行本『ZOO』(9784087745344)の分冊文庫版・2巻目。単行本でも336ページだったものが2冊組になるとこんなにページが増えるものなのか。文庫の方が字が大きいから??
さて、1に引き続き15年振りに読み返しました。
《血液を探せ!》…ちょっと奇を衒い過ぎな感じが。
《冷たい森の白い家》…薄気味悪いのに美しく、不思議と読んでいる間は雪原の中にいるような、シンとした静謐さを感じた作品。けど赤毛の少女に対してのこの幕の引き方でいいの?とも思う。モヤモヤ。
《Closet》…何度も読み返しちゃったよ。トリック炸裂。けどスペアキーの件は偶然だったって事よな。
《神の言葉》…いいなあこの中二っぽく邪悪な感じ。正直、机のくだりとかはあまりよくわかってないけど、そういう雰囲気への没入を楽しむのが大事、という事で。
《落ちる飛行機の中で》…面白い!墜落する飛行機内という究極の緊張状態かつ時間制限の中で繰り広げられるゆるーく雑な会話劇。なのにハードロックなソウルまで感ぜられる変な作品。人生に絶望し「世界中にいるすべての人間を殺してまわりたい……。」(p199)と希っていた彼が奇しくも救った幾つかの命。こんな形でも人生はままならないなんてね。真っ赤な夕焼けの向こうに消えゆく背中。
《むかし夕日の公園で》…オビで「幻の短編」と紹介される、4ページで終わる極短編。子供時代、部屋の天井四スミの陰には何か潜んでいてこちらを見ているような感じがしたし、なんかよくわからない雑木林にも何か潜んでいてこちらを見ているような感じがしたし、風呂で髪を洗っている時や歯を磨いている時も後ろに何か潜んでいてこちらを見ているような感じがしたし、絶えず何らかの‘モノ’が身の回りに居るような感覚があったものだが、いつしかどこかに忘れてしまった。そんな懐かしさを思い出したやわらかなホラー作品。
なんだか1・2を通して、全体的に腐臭とか死臭とか血の匂いとか、『ZOO』即ち動物園というタイトルらしく臭くて賑やかな作品群だったなあという感想。
長編も読んでみたくなりますね。
19刷
2024.4.14 -
前作に続き一気読みしました。
改めて乙一さんの魅力に気付かされました。
どの短編もオチが読めず、驚かされるものばかりでした。
個人的には「Closet」と「神の言葉」が好きでした。
「Closet」は読者の先入観を利用した見事なトリックで読み終わった後、もう一度読み返しました。お見事としか言いようのない作品です。
そして「神の言葉」では、他人からの評価や世間の目を気にして生きている人が多い現代では、より多くの人に刺さる話だと思いました。勿論、僕自身にも刺さるところがあり感情移入してしまう場面が多く存在し、読んでいてせつなさを感じさせる作品でした。
乙一ワールド全開の「zoo」2作品は本当に読んでよかったと思えました。未読の方は是非。 -
時に淡々と…時にコミカルに…乙一さんワールドのアラカルト集みたいだった。乙一さんの小説を何冊か読んでからだったから 余計に楽しめたかも。
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zoo1と比較して私は2の方が面白かったです。
前作に続き、更に尖った乙一ワールドと
言えるかな笑
神の声、落ちる飛行機の中でがオススメです! -
乙一ワールド。と世間では言うらしい。この青い表紙の方は「神の言葉」が良かった。後半なんだかよく分からなくなったが、何だか好き。「血液を探せ!」これもバカバカしくて好き。三谷作品の「ザ・マジックアワー」的な感じを思い出した(雰囲気レベル)。
このところ短編ばかりだったので、読み応えがなかった。次は長いのを読もうと思う。 -
「血液を探せ!」★★★
現代落語の寸劇のような話で面白かったです。
ユニークな文体とブラックユーモアがきいた話が読みやすくて良かったです。
「冷たい森の白い家」★
不気味で怖い話ではありましたが、興味の出るようなものではなかったです。
「Closet」★★★
ミキ犯人視点の倒叙ミステリと思わせる展開からのどんでん返しは面白いです。
実は別の視点という発想は良いと思います。
犯人はあの人しかいません。
「神の言葉」★★★★
言葉の力で暗示をかけることができる人の話。
何でもかんでも従わせる力がありながらも主人公はとても臆病で人に嫌われないような生活を心がけています。
そんな人間の心の爆弾が爆発したときにどんな条件の暗示を行使するのかという話でしょうね。
自分自身に暗示をかけるというところは面白いです。
「落ちる飛行機の中で」★★
ハイジャックされた飛行機の中で緊張感のない会話が続いていき、その会話が面白いです。
次々と面白い展開になったのでオチもそんな感じかなと思ったら、割と真面目な展開だったので期待はずれでした。
「むかし夕日の公園で」★
公園の砂場の中なら手をつかまれるホラー展開かとおもったら、手がここから出してと掌に書いてきた。
主人公はそれにだめと書いて帰るだけの話。
そこからストーリーが展開しないのかよって読者にツッコミを入れて欲しいのかなぁというような作品に思えて残念でした。 -
「ZOO1」にある作品の「ZOO」がグリーナウェイの映画だということは知らなかった。映画は兄弟が腐敗してゆく者たちを撮影し、奇妙な人と関わりあっていく、はっきり言って複雑だけど奇妙な魅力の映画だ。映像が独特で美意識が高い。そんな映画を下地に小説を書くなんて、やはり惹きつけられるものがあると思った。
乙一氏の作品は難解で気持ち悪い作品なのだが映画「ZOO」もそのものなので納得がいく。乙一氏の作品はオチを想像しながら読み進めると「ええっ!!やられたと予想を見事に外される。まぁ、小説なんてそんなものなんだけど、純文学、あるいはエンタメ好きには馴染めないと思う。乙一氏の作品はSFではないが短編SF好きの私には意外と好みなのだ。
ということで「ZOO2」を読んでみた。 -
ZOO1に比べると少し印象が弱いかな。
だけど不思議と物語にぐいぐい引き込まれて読むことができました。
本書の背表紙に「ジャンル分け不能」「天才・乙一」なんて書いてありますが、まさにそんな雰囲気を感じさせる作家さんだなーと思いました。
なんていうか、できる男!スマートに仕事をこなす営業マン!みたいな(笑)
要するに凡人とは違う光るものがありますよね~。
「落ちる飛行機の中で」が特に印象深かったです。
心理的な駆け引き、恐怖の中でのずれた会話、真面目なのか笑わせたいのか…でもってラストはなんか切なくない?みたいな。
とても魅力的な作家さんだと思います。
血液を探せ!/冷たい森の白い家/Closet/神の言葉/落ちる飛行機の中で/むかし夕日の公園で -
世界観はあるけどパターン化してないです。
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描写が面白い。
何を考えてあのような作品がうまれるのか毎回お見事‼︎
残りの1ページでのどんでん返し。
短い作品でも完結はしているのに更に考えさせられる深い内容。
楽しめた1冊。 -
zoo1よりは衝撃が少なかったけど、どれも傑作で間違い無し!!
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「神の言葉」が一番好き!
1に比べるとインパクトは薄いけど、読みやすくて面白かった。 -
一行目から、拙い文章で読む気をなくしたが、気を取り直しもう少し読んでやるかと本を開いた。その後は
後日と言うことで・・・
やはりダメ。解説を先に読んでみたがどうしても駄目。ごめんなさい。
Giveup! -
ZOO1のSEVEN ROOMSがトラウマだったけど、2は心穏やかに読める作品が多くてよかった。
「血液を探せ!」と「落ちる飛行機の中で」がラーメンズのコントみたいに進んでいき、どちらも深刻な話なのに面白おかしかった。
世にも奇妙な物語にぴったりな世界観の話が多い。
無駄な言葉を削ぎ落とした、シンプルな文章だから、スラスラと読めてしまう。
グロテスクな描写が多いのに、透明な清潔感があって不快に感じない。
終わりのない後味がある文章を書く、それが乙一さんだと思った。 -
ZOO1に続いて。
【血液を探せ!】
無痛症の老人。ある朝起きると脇腹に包丁が突き刺さっていた。一体いつ誰が?遺産狙いの妻か、会社を牛耳りたい長男か、いまいち頼りにならない次男か。
シリアスかと思いきや、無痛症なので本人の意識があり、笑えるシーンもある。まさかのドタバタコメディ。
【冷たい森の白い家】
奴隷のように扱われてきた家から逃げ出し、山に辿り着く。雨風を凌ぐため、人を殺し、その死体を使って家を作る。
気味の悪い話。ラスト、あれは因果応報というのでしょうかね。
【closet】
話せば話すほどネタバレになってしまうので多くは書けないが、兎にも角にも騙された。
ミスリードの多さに感服。
【神の言葉】
自分の放った言葉が現実になる。そんな不思議な力を持っている少年の物語。自分の欲のために使ってしまうのが、なんともリアル。最後に救いを用意していないところが乙一さんらしくて安心。
【落ちる飛行機の中で】
ZOOすべての短編の中で1番好きな作品。
世紀末生まれなので1行目から引き込まれた。ハイジャックされた飛行機の中で、墜落死を選ぶか安楽死を選ぶか。オチは割とあっさりしていて、あくまでこの話は飛行機の中が舞台なのだというところにグッときた。クセがバレそう。"私"とセールスマンの会話があまりにも周りの空気感と一致しなくて良い。何故か楽しい。伊坂さん作品が好きな方は、こういったお話好きなんじゃないかなと思った。
私だったら最後までもがいてしまう。つまり墜落死なわけですが。確実にではなく、長く生きられる方をという考えに至る、かな。みなさんはどうだろう?
【むかし夕日の公園で】
ショートショートだからといって油断するな。普通にホラー。何だったの...? -
解説で島本理生さんが乙一さんの話は『乙一ワールド』としか表せないと言っていてまさにその通りだと思うくらいストーリー、流れ、オチがさまざまでした。なので次の話がどんなのがくるか楽しみで怖いのもあればじんとくるものもあり、楽しめました。
私はとくに『落ちる飛行機の中で』がすきでした。 -
本当にバラエティにとんだ短編集でお得。
一人の作家の短編集でよくまぁ色んなテイストが味わえる物だと感心しきり。
実録怪談風な「むかし夕日の公園で」が魅力的。 -
「落ちる飛行機の中で」がおもしろかったなぁ
登場人物のキャラがリアルじゃないんだけど、心の傷はみなありそうなことだけにたのしめたかな〜 -
ZOO1と2では印象が全く違ったというか…。結構吹き出した。
「血液を探せ!」と「落ちる飛行機の中で」はタイトル的に黒いので、期待していたらいい意味で裏切られました。
「冷たい森の白い家」が特に好きです。 -
極限状況を描きながらも、乙一氏の小説にはどこかとぼけた可笑しみがあり、そこがなによりも魅力的。その意味では、さまざまなタイプの作品が並んだ中でも、演劇的なメリハリの効いた「落ちる飛行機の中で」が印象的。極限状況における乾いた笑い、そして最後にはやはり切ない気分にさせるところは安定の乙一クオリティー、なのか?!
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短編集。落ちる飛行機の中でが面白かったかなあ
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『1』の方がいい。こちらは記憶に残るような印象的なお話がなかった。
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zoo1が面白かったのでこちらも追って購入。
1に比べてユーモア多めで恐ろしさも平均すると少し控えめかな?という感じでした。
4話目『神の言葉』が特に面白かった。(グロテスクな描写あり)
印象的だったのは2話目の『冷たい森の白い家』。海外のお伽話を思わせる情景描写で、でもお伽話にはありえない生々しさと恐ろしさ。あんまり読み返したくはないかも。
どのお話も読みやすくバラエティに富んでいて楽しかったです。 -
短編集2冊目。
1冊目と違って実験的な短編の印象。
残酷さをまわりくどくして、別の答えに辿り着いたと読者にとってはハッピーでない結末で結んだような印象。
好きなのは冷たい森の白い家。
こんな映画あったなと思いつつ、暴力も残虐性も落ち着いて読ませるのでかえって綺麗なのでは錯覚させてしまう。結末も好き。