- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087460445
作品紹介・あらすじ
働き盛りでがんになり、余命6か月と宣告されても転移に負けず、7年生き抜いた男性。思いがけない妊娠でシングルマザーとなった女子大生。あと3か月といわれながら、子供の卒業式まで生きたいと闘病を続けた母親-。辛い体験だが、病気をしたからこそ、見えてくることがある。命のある限り、あきらめないで丁寧に生きて欲しいと願い、あたたかな医療をめざして尽くす医師。珠玉のエッセイ集。
感想・レビュー・書評
-
5年生存率30%と、告知されてから、今年で5年目の節目を迎えている私にとって、この本は正に、邂逅。
諦めずに、頑張らずに、癌との共生。
明るい気持ちを失わず、過ごしていきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すごい人っているのだなぁとつくづく思う本。特に2000年に亡くなった高木仁三郎さんとのお話で「日本が独自でやり出した原子力利用は、全て見るも無残な結果に終わっているんですよ。中略
核燃料サイクルは近い将来、必ず破綻します」は正鵠を射ていて哀しくなった。 -
「あきらめ」が早い私です。
-
39765
-
20150708
末期ガンと戦う人たちを暖かくサポートし続ける諏訪中央病院の活動や、鎌田先生の家族への思いが綴られている。
自分が余命を宣告された時、本作に紹介された人たちのように、強く、明るく、諦めない生き方を最後までできるだろうか。
自信がない。
本作には描かれてないが、みんな夜一人になるときっと毎日のように泣いているんだと思う。そんなに人間は強くないはずだ。思い切り泣いて、翌日には人には明るく接して、なんとか折り合いを保っているのだろう。
中でも、余命3カ月と言われながら、子どもたちの成長を生きる目標にしながら1年8ヶ月を生き抜いた母親の話には大いに感動させられた。
最後に握ったおむすびには想像できないほどの思いが込められていたのだろうと感じ、涙を止める事が出来なかった。 -
鎌田先生の関わってきた、多くのあきらめない患者さんたちに、生きる力をもらえる一冊。みんな少しヘンテコだけど、底抜けに優しい…。とっても魅力的です。
-
「がんばらない」を読み、「あきらめない」を買いました。今日は、下の兄の命日です。意図したわけではありませんが、お墓参りに行った後、一日で読み終えました。愛する兄の命日に読む本としてふさわしく、涙しながら読ませていただきました。遺された者として、どう生きていったらよいのかがわからなくて、何が出来るのがわからなくて、ただただ目を瞑り、兄が私を呼ぶ声を思い出してきました。「がんばらない」を読んだあと、兄がお世話になった病院のHPを久しぶりにみて、ボランティアを募集していることを知り、ボランティア募集説明会に申込みました。説明会の案内が届いたところです。仕事をしながらのボランティアが出来るのかは、話を聞いてみないとわかりませんが、行くだけ行ってきます。私にも、何かができるかもしれないと気づかせてくれた鎌田實先生に感謝。
-
「あきらめない」2
著者 鎌田實
出版 集英社
p27より引用
“がんになったと言うと、そこらじゅうから、これがいい、あれ
がいいと、おせっかいな声が聞こえる。惑わされてはいけない。
”
医師である著者による、患者達との交流を記した一冊。
悪性腫瘍がありながら七年生きた人の話から現代医療の問題点に
ついてまで、著者の豊富な経験を元に書かれています。
上記の引用は、転移性腫瘍を患って七年生きた人の話での一文。
自分の体の事なので、自分で納得のいくようにしたいものです。
しかし、病気になって闘病を手助けしてくれる人の言うことには、
素直に耳を傾けたほうがいいように思います。
ーーーーー -
手話通訳の事前知識としては間に合わなかったのですが、鎌田實さんの著書3冊目は「あきらめない」
この本も人が死ぬ話ばかりです。鎌田さんは「がんばらない、でも、あきらめない、希望を捨てない」という生き方を私たちに問いかけています。
文庫版の268ページ真ん中くらいに
「わからないものがあるということが、逆に、ぼくらにとって最後の希望につながっているのかもしれない。」
と書かれています。余命何カ月と告げられて「希望を捨てない」生き方をするのはとっても難しいよな~と思いつつ。この言葉を心の片隅に大切にしまっておきたいと思いました。いつか自分がそんな立場になった時「いつまでも、あるがままをキチッと受け入れて、その厳しい状況を了解しながら、なおかつ希望をもちつづける」(269ページ)ことができたらいいよなと思っています。
それともう一か所92ページから始まる「迷惑をかけて生きる」という章に書かれていた次のフレーズも素敵な考え方だなと思いました。
「『ケアの本質』ということを考えるときに、一度その『ケア』という概念を、広げて考えてみた方がいいのではないかと思うんですがね。
たとえば『面倒をみる』だったら、医師も私たちの面倒を見て下さるけれど、何より私たちは子どもの面倒をみるわけですし、親の面倒をみるわけです。」
(中略)
「ぼくが『面倒をみる』というとき、一人の人間を丸ごとみるだけでなく、家族のことや地域のことも考えてみたいと思ってきました。」
books154