作品紹介・あらすじ
楊志は盗賊に襲われた村に遭遇する。人々は惨殺され金品は奪い尽くされていた。何も手を打とうとしない政府に衝撃を受けた楊志は、魯智深と共に盗賊の根城・二竜山に乗り込む。そして初めて吹毛剣を抜く。一方、国を裏から動かす影の組織・青蓮寺は、梁山泊の財源である「塩の道」を断とうと画策する。それに対抗するため、公孫勝率いる闇の部隊・致死軍が動き出す。荒ぶる北方水滸、灼熱の三巻。
感想・レビュー・書評
絞り込み
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ぐぅおおおお!
腹立たしい!
めちゃくちゃに腹立たしい!
誰が誰に何を言うとんねん!
何をしれっとまとめとんねん!
何をしれっとまとめて旅立っとんねん!
(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
わいは許さんで!
宋清は許してもわいは許さんで!
いやもう、小説読んでここまで腹立ったのは久しぶりだわ
久しぶりぶりだわ!(そうでもない感)
つまりは北方謙三アニキにしてやられてるってことですわな
ここまで感情を揺さぶられるって凄いことやんな
はい!一〇八星全然違うやん!のコーナー!
第二回は、梁山泊第十七位の好漢、天暗星の青面獣(せいめんじゅう)楊志です
第三巻前半の主人公と言っていい楊志で建国の英雄を父祖に持ち自身も若くして武挙(軍人になる試験ね)に合格したエリート軍人です
軍人としての強い矜持を持っているため梁山泊の思想に共鳴しつつもなかなか踏み切れずにいましたが、賊徒に蹂躙された村を救うために、賊徒を討伐しそのまま二竜山の頭領となります
また、その時に拾った孤児を楊令と名付けて息子とし、済仁美という身の回りの世話をしてくれた女性と結婚し、家族を守る誓いをたてます
先祖伝来の宝刀「吹毛剣」を操りばったばったと敵をなぎ倒しちょ〜カッコいいのですが…
オリジナルでは、序盤かなり情けないです
最初から強いは強いんですが、『北方水滸伝』以上に軍人に固執してます
また先祖伝来の宝刀も出てきます(無銘)が売ろうとした上に、結局没収されちゃいます
また、オリジナルには楊令や済仁美は出てきません、北方謙三アニキの創作です
一〇八星集結後は八虎将(もちろん八人いる)というかなりカッコいい役職で活躍しますが、まぁそんなに深みのある人物ではなかったかなぁ(オリジナルはそもそも全員そんな深みないんだけどね)
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王進の母の温かさは読んでいても染み渡って伝わってくる…最後の怒涛の流れにびっくり。
女性が絡むと泥沼になる、、、
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次のシリーズの中心人物・楊令が早くも登場。楊志の心の変化は、この巻の見所の一つ。宋江逃亡の経緯も創作で、原典とは別物の北方版、この後の展開も楽しみ。
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楊志が無双する、致死軍が活躍する。
このまま叛乱しそうな勢いだが、思わぬ形で宋江が旅に出た。長い長い旅の始まりらしい。
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王和軍vs致死軍で始まった戦いによって明らかになっていく各々の存在。
そしてカムバしてきた武松。おかえりなさい。
宋清も登場。不憫だ。婆惜ちんもね。私はあなたが好きだよ、婆惜ちん。宋江への愛にまっすぐ生きたんだね。あなたのおかげで宋江はまた歩き出すんだよ。
孔明、孔亮の二人がとても気になってたんやけど、孔亮が素人童貞だと知りとても興奮しました。女は喜んで抱けないけど、他のことには冷酷って何事……?まさかの孔亮推しフラグを掲げておきます。
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何かを守ることが男の人生では無いか。闘いの最中に2日だけ家族と過ごす中でそんなことを悟る。
人間らしさが描かれていて素敵な巻。
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まずは KiKi の北方水滸 Review のお約束、各章のサブタイトルとその星が表す豪傑の名前の列挙から今日も始めたいと思います。
地稽の星: ??
天慧の星: 拚命三郎・石秀
天機の星: 智多星・呉用
地俊の星: 鉄扇子・宋清
地魁の星: 神機軍師・朱武
地好の星: ??
天満の星: 美髯公・朱仝
おや? おやや?? 岩波少年文庫の下巻、59章の108人のリストでも、水滸伝百八星一覧というウィキ・サイトでも該当する星が見つけられない星が2つもありますよ?? これは何なんでしょう?? で、あれこれ調べてみたら、地稽の星は KiKi の手持ちの資料で言えば地羈星: 操刀鬼・曹正のこと、地好の星は同じく地猖星: 毛頭星・孔明のことらしい・・・・・。 結局、天罡星三十六星、地煞星七十二星に関するちゃんとした知識を持ち合わせていないからこうなっちゃうということみたい(?)です。 何が何だかさっぱりわからないけど、とりあえずは整理して一覧表を完成させておきましょう。
地稽の星: 操刀鬼・曹正
天慧の星: 拚命三郎・石秀
天機の星: 智多星・呉用
地俊の星: 鉄扇子・宋清
地魁の星: 神機軍師・朱武
地好の星: 毛頭星・孔明
天満の星: 美髯公・朱仝
やれやれ、とりあえずリスト化が歯抜けにならず一安心です(苦笑)
さて、この第3巻ともなれば、同志の数もだんだん増えてきて、誰が誰だか記憶に定着させるのが難しくなり始める頃です。 1人1人のエピソードそのものは時に面白く、時に苦しく、ワクワク・ドキドキしながら読むことができるものの、その人物が暫く出て来なくて久々に登場したりすると「はて、これは誰だっけ??」となってしまい、巻頭の登場人物一覧を確認せずにはいられない・・・・・そんな頻度が少しずつ上がってきます。
それでもまだこのあたりでは、その一覧に書かれた短い紹介文だけで「ああ、そうそう、そうだった。」と記憶を呼び覚ますのもさほど苦にならなかったものが、10巻を超える辺りからは「はて、それってどんな所でどんなエピソードが前にあったんだっけ??」となってしまったのも初読の際の懐かしい思い出です。 今回はせっかく2周目の読書に突入しているのですから、最低限でも「人物一覧」を見ればその8割がたの人に関して「ああ、そうそう、そうだった」となっているといいんですけど、どうなることやら?? 何と言っても KiKi はあのアルツハイマーに罹患したばぁばの娘ですからねぇ・・・・・(苦笑)
さて、この巻で印象的なのはやはりあれこれ悩み続ける楊志が、周囲の状況に押し流されるかのように魯智深と一緒に二竜山に乗り込むことになるエピソード、そして二竜山に立てこもったもののまだまだ梁山泊とはちょっと距離を置いているというエピソード。 そして、ひょんなことから(な~んて軽く言ってしまってはみもふたもありませんが)宋江が役人の地位を追われ武松を連れて旅立つことになるエピソードあたりじゃないでしょうか??
特に楊志があれこれ逡巡するエピソードなどは「楊家将」、「血涙」と楊家の物語を読了したばかりの KiKi にはなかなか説得力があるものだったし、出自・血というものが良きにつけ悪しきにつけ、1人の人間をどんな風に縛り付けるものかということに関しても考えさせられた物語でした。 それは個人主義が蔓延る現代社会では忘れかけている、でも感性では理解できる、そんな人間の心もちなのかもしれません。
上記とは別に個人的にかなり面白いなぁと感じたのは魯智深の北行の物語でした。 これは「楊家将」「血涙」「水滸伝」そして「楊令伝」をとりあえず一読した今だから あ~んど 今回「北方水滸」を再読し始める前に世界史の復習をした後だから気が付いた点とも言えるわけだけど、宋という国とそれを取り巻く「遼」、「西夏」といった周辺諸国の歴史的な流れと魯智深の「遼入り」の話は見事にマッチしているのみならず、物語の通奏低音みたいな役割(ちょっと広範囲の歴史的背景)を果たすエピソードになっていることを感じ、思わず「巧い!!」と唸ってしまいました。
物語のうえのお話だし、あの時代から随分くだって多くの研究もなされた今だから書けるフィクションであることは百も承知だけど、実に見事に時代を先取りして梁山泊を、そして替天行道に書かれた理念を実現化するためにアクション・プランを企画し実行していく魯智深の姿には惚れ惚れします。
もちろん魯智深には「青蓮寺に面が割れた」「宋では最早動きにくい」というやむに已まれぬ事情があったわけだけど、でもそこで「じゃあ梁山泊に逃げ込もうか?」という誰もが考えられる道を選ばずに、未だ弱体と言わざるを得ない反乱の芽を潰さずに育て上げ、さらにはその反乱そのものを成功させるための次の一手。 大国宋の国力を弱める画策が必要と考え、たまたま起こっている遼での民族紛争を利用しようと考えるな~んていうのは並みの男にできる状況判断ではありません。 そして単身敵地に乗り込んでいく行動力、これだって並みの胆力では果たせません。
さて、もう1人、かなり印象的だったのは王進先生の指導を受け、メチャクチャ強くなってしまった史進の物語でした。 彼が魯智深により少華山入りせざるをえなかったエピソードもそこで結果的に頭目に押し上げられてしまうに至ったエピソードも原典にもあるだけに面白いけれど、あまりにも若くして叛徒の頭目にまつりあげられてしまった青年の陥る落とし穴みたいなものにスッポリ嵌っている姿は「さもありなん」だったし、そんな史進を心配しつつも見つめるだけしかできない副頭目たちの苦悩も「さもありなん」で、そのまま梁山泊入りしないというのはなかなか練られたシナリオだと感じます。
そしてそんな史進の姿に危惧を感じて、王進の元で再教育しようとアレンジする魯智深が又々、かっこいい (^^)v この第3巻で KiKi は林冲に続いて魯智深のファンになりました。 そうであるだけに、岩波少年文庫の「水滸伝」での魯智深の描写にはビックリ仰天・目がテン・・・・だったんですけどね(苦笑)
さらにさらに、もう1人。 梁山泊ができるまでは単なる田舎の塾の先生だった呉用が梁山泊の第3位に登りつめ、そこで苦悩する姿も実に説得力があると感じました。 思い起こせば KiKi も会社の中で1スタッフというポジションからマネージャーというポジションに上がったばかりの頃、あれやこれやと逡巡したものでした。 忙しさの中で自分のやるべきことを必死でこなしている時間(要するに昼間)はいいんだけど、それから解放され家で食事をした後ぐらいに「これは現実なんだろうか?」「自分みたいな人間が人の上に立っていいんだろうか?」「自分にはそんな資格があるんだろうか?」と思い悩んだものでした。
その時代を経、さらにはそこからさらに上のポジションも経験した今だからわかることがあります。 それは人の上に立つ人間は本人の資質というものももちろん必要だけど、それ以上に「ポジションが人を作る」という経験をしてはじめて「それなりの人」になるということです。 弱音をどこで吐けばいいのかさえわからない時代あり、それを吐くことを恥とさえ考える時期もある。 でも、そんなことでウジウジしている余裕はなくて何等かの職務上の結果は出さなければなりません。
結果を出すためには1人ではできないことも多々あり、「人を動かすためにはどうすればいいか?」を考える時間が必要で、同時に人から陰口をきかれたり悪く思われたりすることに悩むことだって少なくありません。 それでも、彼らと一緒に何かを成し遂げる。 それが2度3度と繰り返される。 そうこうしているうちに人はそのポジションに見合う人間にようやく成長していく・・・・・。 そういう意味では呉用の陥った孤独、悩みは文官には、しかもスタッフレベルではないマネージメント側の人間には必要な悩みのプロセスと言ってもいいかもしれません。 「頑張れ、呉用。 苦しいだろうけど、この時間はあなたにとって必要な時間なんだよ。」と心の中で声をかけます。 もっとも人に拷問をした苦悩というヤツは KiKi には想像することはできてもよくはわからないけど・・・・・・ ^^;
さて、梁山泊という点で始まった反乱軍。 この第3巻までで、その梁山泊と清風山、二竜山、少華山という黄河沿いの線がうっすらと見え隠れし始めました。 そしてこれに絡む、盧俊義の「塩の道」で大きな役割を果たしている北京大名府。 巻頭にある「関係地図」を眺めると少しずつその線がぼんやりとした面にも広がりつつあります。 更には魯智深が足がかりをつけようとし始めた燕雲十六州から遼に至る面。 狭い島国・日本では想像もできないような広大さの中で物語は第4巻に進みます。 う~ん、楽しみ♪(2周目だから、かなりの程度はどうなるか知ってるけどさ)
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久しぶりの水滸伝再開、やっと3巻。
ニ竜山が要塞化。
体制側組織の青蓮寺が暗躍開始。
梁山泊の秘密部隊の致死軍も訓練を終えた活動開始。
まだまだ先は長そうだ。
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結構クライマックスに近づいてきてるんじゃ!?!?
と、思わされる。じわりじわりと状況変わってきてる!!!!!!!
九紋龍好きだったけど、彼も彼で大変だったんだょね。
なんて、彼女目線かよ。って自分にツッコミたくなるほどに夢中です。水滸伝。笑笑
2006年発売なんだけど、おそらくハードカバーはもっと前にでてるよね、、、そうなると2000年くらいから有名だったはずで。
なんで私の周りでそんな話少しも聞かなかったんだろう。と思うくらいに面白くて。
今の今まで手に取らなかったことに鳥肌立ちます。
私、、、この本と出会えなかったら、、、と、思うと恐怖で身がすくむ思いがするほどに。
ハマッテます。笑笑
著者プロフィール
北方謙三
一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。
「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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そしてその章はその星の生まれ変わりが中心人物となっていたり、その人の視点で物語が語られる節があったりします
今読んで...
そしてその章はその星の生まれ変わりが中心人物となっていたり、その人の視点で物語が語られる節があったりします
今読んでる四巻の最初天退の星となっており雷横が中心になってますね
新たに与えられた運命が語られるみたいな想いがあるのかもしれませんね
そして何より驚くべきは…
天退星、天殺星、天寿星と相変わらず一発変換です!!Σ(゚Д゚)
おそらく全108章になってると思われます
おそらく全108章になってると思われます