- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087461084
作品紹介・あらすじ
1938年、オーストリア。SSの中尉であるヘルマンは、失意の中にあった。乗馬でオリンピック出場の予定が、落馬事故でかなわなくなったからだった。だが、ヘルマンにとっては「親衛旗」を除隊して保安諜報部部員になったことのほうが大きかった。「総統は命じ、我らは従う」戦争の影が、人々の上に垂れこめる。
感想・レビュー・書評
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感想は下巻に。
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(2015.5.16)
(324P) -
とうとう戦火の火蓋が切って落とされた。色々とドイツばかり悪者にされがちだけれど、何時の時代でも戦いなんて、残虐さの程度だってどっちもどっち。カールが幼い頃に父母と引き離された理由が推察されるシーンが出てきたが、今後それがカールの人生にどんな影響を及ぼすのか?
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戦時色が強くなってなかなかつらいものがある。
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「ヒトラー・ユーゲント」の時代を生きた少年と青年将校の話。
といっても、少年と青年将校との接触はあまりなくて、軍事学校からSSにはいった少年と、オリンピックに出ることを期待されながら果たせず、エリートコースから外れていった青年将校の話が、別々に流れていく感じだ。
戦争は残酷だ。
そして、勝者は敗者に対して容赦がない。
第一次世界大戦後、貧困にあえぐドイツが強い指導者を求めて、その価値観だけの世界で生きた少年や青年将校を責めることを、だれができるだろう。
勝者だろうが敗者だろうが、何か間違っているのだ。
薄っぺらい反戦感情などふきとばす傑作。
最後のシーンが深い。
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下巻急いで借りてきますああああ!
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やっぱり独ソ戦の話書いてあると面白いや。
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ナポラを卒業した少年たちと、少年が憧れてやまなかったエリート将校の挫折の日々。
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あるときは迫害されていた国と住民が、あるときは別の民族を弾圧し、虐殺する。その立場は、何度でも「復讐」や「怨恨」という言葉で簡単に入れ替わるから、誰だって被害者で、復讐者同士の殺し合いはいつまでも終わることのない連鎖になる。<br>
ナチスドイツになるまでの間、他国に住んでたドイツ人が、どれだけ迫害されてたか。一つの陸地に、隣あわせで複数の国と民族が住んでいるという状況の複雑さを思いました。