- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087462371
作品紹介・あらすじ
中村勘九郎として『桃太郎』で初舞台を踏み、やんちゃだった子どもの頃。父・十七代中村勘三郎と母の思い出、名優たちとの数々の出会いと熱き交流。浅草に復元させた平成中村座を、演劇の国ニューヨークでも大成功させた喜び!人気歌舞伎役者中村勘九郎が、自分の誕生日から、勘三郎襲名が決まった日、襲名直前までをエポックごとに書いた驚天動地の「日付入り」半生記。勘九郎の全てがわかる一冊。
感想・レビュー・書評
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集英社刊、中村勘九郎著 勘九郎日記「か」の字を読んだ。
歌舞伎座もお披露目興行が始まり、お孫さんの七緒八ちゃんも
可愛い演技で客席を涙まじりの笑顔にしたという。
テレビでもその様子の特番が夕べ、ありましたね。
さて、この本は勘九郎さんが
勘三郎さんを襲名する直前に書かれたもの。
コクーン歌舞伎も伝説の俊寛も、
歌舞伎以外の演劇も日記として出てくる.
あの軽妙な勘九郎さんの話し言葉のままに家族への愛情、
歌舞伎への愛情たっぷりに溢れかえっている。
素晴らしいエピソードはたくさんある中で、
らしいなと思ったエピソードの一つに、
平成12年『鰯売』で坂東玉三郎さんとの競演中、
コミカルな勘九郎さんの演技で小さなお嬢ちゃんが
楽しそうにケラケラ笑って嬉しかったそうな.
彼の意図したポイントで大受けしたものだから
実に嬉しかったそうだ。
ところが笑い声に他の観客からクレームがあって、
係員にその女の子は場外に連れ去られてしまった.
勘九郎さんはショックで台詞を忘れそうになったらしい。
歌舞伎が楽しいものである事を小さな時に経験した人は、
大人になってからも、また見たいと思ってくれるであろう、
なのに...芝居が終わって勘九郎さんは
その家族に丁寧に謝ったそうです。
そんな風に、子供を排除したり、
素直な楽しさを受け入れない事、
こんな行いが歌舞伎の将来を危うくしてるのだと。
ただただ、勘九郎さんは、歌舞伎の発展に充実に
心を砕いていたに違いない。
他にも、驚くようなエピソードが満載!
とても、面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本当に、逝くのが早すぎるよ。読んでいてわくわくした。平成中村屋を観て、歌舞伎ってこんなに面白いんだ、とびっくりした。彼は、まさにそう思って欲しいと思ってたんだとしみじみと伝わってきて、堪らない。
この人柄が滲むような文章、笑いながら一気に読んでしまった。 -
間、吸う息吐く息、それがすべて。
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個人的に特別好きな役者さんではないのだけれど、この人のお芝居はサービス精神に溢れていていつも面白い。この本も、そんな心意気やオープンな人柄が出ていてよい。
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090215(n 090327)