深爪 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087463767

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ中山可穂さんの作品。
    とても面白かった。
    私は読書が苦手で一冊文庫本を読むのに約1週間かかるけれど、女性同士の恋愛作品が好きで興味のあったこちらの作品は2時間半くらいで読み終えた。

    女性同士の恋愛に熱く燃える彼女たちの描写は恋愛中の浮かれているキラキラした様子や、喧嘩中のドロドロした様子、いろいろ描かれてて面白かった。
    でも特にグッときたのは不倫された旦那さんが父1人で3歳の息子を育てる様子。
    親権を獲得するため手探りに必死に行動する様子は読んでて悲しくなった。
    不倫て結局パートナーを傷つけることになるんだなと。

  • 2時間

  • 旦那に感情移入してしまった。

  • 人妻と恋愛をするビアンのおんなと、不倫をするおんな、その旦那の目線で書かれた連作短編。描く目線によってテーマが変わっておもしろかった。各々の目線が描くすれ違いが切ないし、人生はこんなものだと思う。一番感情移入したのは旦那。かわいそうで愛おしくて、一番しあわせになってほしいと思いました。おんなの強さと弱さが共存するところが存分に描かれていました。激しく嵐のような恋愛に胸がえぐられました。

  • どんな形であれ、恋愛は何らかの犠牲の上に成り立つものなのだろうか。
    その犠牲が本人を壊す場合もあるし、ギリギリで幸福をもたらす場合もある。
    それぞれ登場人物が適度に自己中心的で、好感が持てないところも"良い"。
    現実的には綺麗事の恋愛よりも、こんなケースが多いのかも。

  • いつもの中山さんの、情熱の有り余った人が胸をキリキリさせるようなおはなしでした。流れるような比喩が心地よくてするする読めるので、なおさら痛々しく感じるのかも。
    マツキヨくんの二丁目デビューに胸を馳せ、いい男と出会うんだよ!などと思ってしまいました。いや真面目に。

  • レズビアンの妻の恋愛がメインといえばメインなのだが、マツキヨの息子に対する愛情に、一番胸を打たれた。
    吹雪に対して身勝手だなぁ、と思ったり、なつめに対して面倒臭いなぁ、と思ったりもしたけれど、結局誰のことも憎めない。
    愛は理屈じゃないから。

  • ジャンル人妻らしい作品。正直主人公の恋人だった人妻より、その旦那のほうに感情移入してしまった。主人公でなく新しい恋人と出て行った妻を憎むでなく残された息子のために動く旦那と主人公の交流が面白い。

  • 久しぶりに読んだ恋愛小説が、ビアン物。性別は関係なく恋愛は恋愛だよねと思う。登場人物3人のそれぞれの視点で書かれた連作短編集。
    1番振り回された子供視点はない。大人は勝手だと責められても仕方がない内容。
    恋愛とは不条理なものだ。いい人が幸せになるとは限らないのだから。
    本もドラマも映画も恋愛物を見ると、必ず思うことがある。『みんが幸せになることは不可能である』。

  • レズビアンもの。

    あーそう言う方向に行ってしまうのかー、と感じてしまった。
    既婚者女性と独身女性。
    考え方の違いもあって上手くいかない、かと思いきや、一気にその人に夢中になってしまうこともあり……
    矛盾が入り混じり、少々混沌としたイメージ。
    個人的には「赦し」があったのかどうかは何とも言えない。

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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