東京大洪水 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087465914

感想・レビュー・書評

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  • こんな日が本当に来てしまったら、相当怖い。けど、起きる可能性があるんでしょうね。

  • 面白かった、そして怖くなってしまう!
    昨年、関東を直撃した令和元年東日本台風(台風19号)を思い出します。
    自然災害パニック小説3部作(M8、TSUNAMI、東京大洪水)の3番目に位置付けられている物語だそうですが、時系列でいうと2番目に読むとよいそうで、偶然にもその順番で読んでいます(笑)
    M8の登場人物が再登場しています!

    ストーリとしては、
    大型台風23号と24号が合体して東京へ上陸。
    荒川の氾濫による東京水没をどう防ぐかのディザスターパニックエンターテイメント。
    まず前半ですが、M8同様に、その災害を予知しながらもどう伝えるかがポイント。
    主人公玉城のチームはコンピュータシミュレーションで23号と24号が合体し、首都圏を直撃するとの予知し、気象庁に危険を知らせるものの...という展開
    多くの人に影響を与える災害予報情報を出せるのか?
    そして、実際に国や都、区は対応ができるのか?

    そして、後半は、台風直撃での防災。
    どう水害を防ぐのか?
    といった緊張、緊迫感のある展開です。
    ちょっと、ありえない展開があるのも事実..
    その辺は差し引いてでも、水害の恐ろしさ、対応の難しさ、そして実際の対応がひしひしと伝わってきます。

    その中、もう一つのストーリが、玉城の家庭の問題。
    一級建築士の奥さんが立てている高層マンションは台風に耐えられるのか?
    奥さんと子供、年老いた母親、玉城の弟、など、家族はどうなるのか?この災害を通して家族の絆についても語られていきます。

    そして、やっぱりいるんですよね。避難しろって言われていながらも、避難しない人たち。
    そして、避難先で文句を言う人たち。
    そういう人たちもリアルに描かれています。

    未曽有の台風の中、都民は、家族は、どうなるのか?というハラハラドキドキの物語でした。
    しかし、最後はちょっと尻つぼみ。もうちょっと展開があってもよかったかなっと。

    最近集中豪雨が多い中、必読の物語。
    自分の身は自分で守ろう
    お勧め

  • 大災害時に起きる様々なドラマの一つ。昔、家が流される小説を読んだのを思い出した。確かドラマにもなったっけ。

  • 緊迫感は同作者の富士山噴火の方があるように感じたが、それは台風や洪水に対しての見慣れ感や水は何とかなるだろうという根拠なき楽観の裏返しで、私自身が洪水を甘く見ている証左かも。真面目にハザードマップを見返そうと思う。
    ストーリーは中盤にやや中だるみあり、結末は主人公一家の心情変化などもう少し書いて欲しかった。

  • 怖い。
    川の近くに住んでいるので、
    凄く怖かった。

    備えあれば憂いなし
    とても大切なことです。

  • 台風による水害の緊迫感、対応する役人の体質の描写が素晴らしい。
    危機管理を考える人は読むべき。

  • 作者の高嶋哲夫は、岡山県玉野市出身。玉野市にはゆかりがあるので、親近感がわきます。

    主人公の玉城は、台風の研究者。玉城の妻は、マンデベに務める建築士。

    お話は、想像通り、玉城が予想する通りの災害が発生し、玉城の妻が手掛けるマンションに危機が迫る、というもの。マンションが倒れるか、倒れずにかえって人気が出てたくさん売れるか、どっちかだろうな、という想像も的中しました。

    それにしても、この作家さんが題材にするものは、よく取材がされています。「首都大感染」もそうでしたが、とてもリアルです。東京は2019年の台風で大きな被害にあいました。その時、荒川・隅田川下流域は危機的状態でしたが、それを思い出しました。

    この小説では、玉城が大活躍して、水害の被害を最小限に食い止めます。ただ、水の前に人間は無力です。こんなにうまく重機や土嚢で堤防を補強したり、地下鉄の出入り口をふさいだりできません。十分な準備なしでこれだけの規模の台風がきたら、信じられないくらいの被害がでていたでしょう。やっぱり事前の準備が一番大切です。

  • 災害の描写、行政の対応が余りに現実味に欠ける。このクラスの台風が襲来してこの程度の被害で済むとは到底思えないし、被害の描写が別段詳細というわけでもない。ご都合主義で進んでいくので緊迫感もそれほど。かと言って人間模様の機微が細かく描かれているかというとそうでもない

    2007年当時では複合災害で荒川が決壊するというシナリオは目新しかったのだろうか。この作品がなぜ高評価されてるのか自分にはわからなかった。

  • 緊迫感、緊張感が伝わってくるとてもリアルな作品。
    誰もが直面する可能性があるし、みんな読んだほうがいいと思う。
    勉強にもなった。
    そしてこれを東日本大震災より前に執筆していたことに驚き。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    大型台風23号が接近。東京上陸はないとの気象庁発表。が、日本防災研究センターの玉城はコンピュータ・シミュレーションで24号と23号が合体、未曾有の巨大台風となって首都圏を直撃することを予知。要請により荒川防災の現場に入る玉城。設計担当者として建設中の超高層マンションに篭もる妻・恵子。残された子どもたち。ひとつの家族模様を軸に空前の規模で東京水没の危機を描く、災害サスペンス3部作、堂々の完結編。

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著者プロフィール

一九四九年、岡山県玉野市生まれ。九四年「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、九九年「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞。他に『ダーティー・ユー』『ミッドナイトイーグル』『M8』『TSUNAMI津波』『東京大洪水』『風をつかまえて』『乱神』『衆愚の果て』『首都感染』『首都崩壊』『富士山噴火』『日本核武装』『神童』『ハリケーン』『官邸襲撃』『紅い砂』『決戦は日曜日』など著書多数

「2022年 『落葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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