ま、いっか。 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.47
  • (21)
  • (59)
  • (70)
  • (14)
  • (4)
本棚登録 : 628
感想 : 64
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468328

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 希代の泣かせ屋浅田次郎のエッセイ。

    浅田次郎のエッセイと言えば「勇気凛々」が名著だけど、本作品も豊かな語彙に叙情的に流れる文章、そしてふっと笑えるセンテンスが素敵。
    作家とはかくあるべしの知識の深さと表現力は江戸っ子の気質を感じさせるのに、なぜか大正、明治の浪漫まで匂わせる。
    収録作品の中では「デブ」についての考察がさすが作家&編集者でイチオシ。

  • ザ・昔の意識の男性という感じのエッセイ。女性はこうあるべき、男性はこうあるべきと語っていることが、現代の価値観とはかけ離れている印象だが、そういう生き方をしてきたのでそういう価値観を持って生きてきたということ。自衛官をしていた経歴も相まって、堅苦しい印象を受けた。オシャレに気を使い、身だしなみに気をつかう姿勢は素晴らしいと思う。

  • この作品で初めて作者の生い立ちを知りました。
    家長が絶対の厳格な家庭に生まれ、早くに自立せざるを得なかった生い立ちを聞くと、つい「苦労話か?」と思ってしまうが、クスッとしてしまうユーモアのある文章のおかげで、早熟な少年が苦労をも飄々と楽しんで生活をしているように感じた。
    貧しくとも逞しく生きてきたさまは、読んでいてとても勇気をもらい心地よかった。

  • 花笑鉄心 
    花のほほえみ、鉄のこころ

    著者の座右の銘(造語)として紹介されています。

    常に微笑みを忘れずに、また大地に堅固に根を下ろすかのようにたくましく生きたい。

    50代半ばの男性のエッセイを読むことは今までなかったので、「そうか、そのようなことを考えるのか」と初めて知ることがたくさんありましたが、この座右の銘には普遍的なメッセージが込められていて、非常に印象に残りました。

  • 浅田次郎さん初読了。テンポの良い文章で読んでいて小気味よかった。著者に共感する箇所が多く、私のとっては痒い所に手が届いた心地よい本。確かに、現代の日本人は恋の始まりから終わりまで機械に世話されている状態と言える。今感想を書いているPCから目を外してもすぐ隣にはまた機械である。これで育った私には蛍光灯すらなかった事態の想像はつかないが、良く言う「物は無いが豊かな日本」は実在したのだろうなと思い馳せる。ちょっとだけ堅苦しい文章とジョークがその頃の名残のように感じられて、著者に強く興味を持てた。お勧め。

  • ファーマータナカの本棚「ま、いいか。(浅田次郎)」。

    花の笑みに鉄の心「花笑鉄心」が浅田二郎の座右の銘というが、何かカッコいいと思ったらどうも彼のオリジナルらしい、ま、いいか。

    エッセイは同じオヤジの臭いがしながらも含蓄があり軽妙洒脱。
    その中の「黄昏の恋」と題する文章に「三婚説」と言う面白い話が出ていたので紹介する。

    「近ごろ、たいそう面白い説を耳にした。
    詳しい出典は知らない。ただの笑い話かもしれないが、あんまり面白いので紹介しておく。仮称「人生三回結婚説」とする。略して「三婚説」とでもしておこう。
    まず、二十歳になったら全員二十歳齢上の異性と結婚する。はたちの娘と四十のオヤジ、はたちの青年と四十のマダムの結婚である。そのまま二十年間、結婚生活を送り、四十歳と六十歳で離婚する。そして間髪を容れず、四十歳の男女は二十歳の男女とそれぞれ二度目の結婚する。
    六十歳で二度目の離婚をしたあとは、同じ境遇の六十歳の異性と三回目の結婚をする。
    概要は以上である。」

    単なるエロ親父の妄想とも取られかねないが、晩婚化・未婚率の上昇・少子化などの社会課題の解決手段として、あるいは暇つぶしや酒席の肴として、自分自身に当てはめて考えてみてはどうか。

  • んんー、期待した割には面白くなかった。と、言うのが正直な感想。いろいろな作品の背景は窺い知ることができた。

  • 途中で断念

    浅田次郎さんの作品は鉄道員に続いて2冊目。
    短編といってもどれも数ページという短い『つぶやき』に近い短編集だったにも関わらず語彙や言い回しが難しくまだ読むのには早かった

  • 積読

  • 2015.8.9後の方、流し読み。昔の勇気凛々シリーズは好きだったのだけど。合いませんでしたね。★2

全64件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

浅田次郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×