レックス・ムンディ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.18
  • (13)
  • (20)
  • (84)
  • (18)
  • (2)
本棚登録 : 335
感想 : 35
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472141

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「ダヴィンチ・コードより面白い!」という文字が帯に燦然と輝いています。
    わたしは「ダヴィンチ・コード」を読んでいないので比べられなくて残念です。

    マグダラのマリアに関する、そして世界の聖地に関する知識が盛りだくさんの「いかにも荒俣宏」な作品。

    マグダラのマリア、聖杯伝説、聖地の意味、を謎といていく過程は実にスリリング。どこまでが本当でどこからがフィクションなのか、それとも全部フィクションなのか、全くわからないまま謎は解かれていきます。新しいことを知る楽しみがある。

    ただし、ストーリーとしてはどうか。純粋に小説としてみると、ラストはやや強引。無理やり話を結末に持っていき、終わらせたように感じます。
    それでも読み始めれば止まらない。一気によめてしまうエンターテイメント作品。

  •  レックス・ムンディとは世界の王という意味なのだ。レイハンター青山はフランスの聖地レンヌで世界を驚愕させる発見をする。だが、そのあまりの恐ろしさに発掘場所を爆破してしまう過去を持つ。青山が発見したものとはなんなのか、不気味な新興宗教からの依頼を得て再発掘をすることになるのだが、その理由について印象が薄い。お金に目がくらんだわけでもなし、どうも話の焦点がぼやけている印象を受ける小説である。

  •  寄生虫による感染症により隻眼となった青山譲に、新興宗教団体の幹部がある依頼をした。
    「二コラ・プッサンの油彩画、アルカディアの羊飼いたちに描かれている石棺の中に収められているモノを探し出してほしい」
     実は青山は数年前にレンヌ・ル・シャトーでこの石棺を見つけ、その中を見て、驚愕し、恐怖し、破壊を試みたが断念し、石棺とその下の洞窟のみを爆破し、肝心の中身は別の場所に隠していたのだ。
     それを知り、中身を持ってきてほしい、という教団の依頼を呑む青山。だが彼には目的があった。

     教団の欲しがるソレを、今度は完全に破壊する!

     彼は現在、重要文化財を破壊した罪でフランスに入れない。教団を利用してフランスに入国し、目的を達するつもりなのだ。

     青山が見つけたモノとは何なのか。なぜ破壊しなければならないのか。
     膨大な資料と想像力を駆使して紡ぎ出される、知的好奇心を刺激するアドベンチャー・ホラー。
    -----------------------------------------------------------------------------
     ネタバレをすると、ソレはある世界的宗教に登場する有名人の遺骸。作品中に載っている資料の大半は「ダ・ヴィンチ・コード」と被っている、と言えば、想像はつくでしょう。
     そう、○○○です。
     では青山は、なぜソレを破壊しようとするのか。
     その答えは自分の目で確かめてください。

     ヒントは「ダ・ヴィンチ・コード」が知的ミステリーなのに対し、「レックス・ムンディ」はアドベンチャー・ホラーであること、です。

  • 荒俣宏の風水系の話は難しい。まず、登場人物に好感を持てる人がいないので、思いを込めるのが難しい。キリストの謎を解くという「ダヴィンチコード」っぽいくだりもある。

  • これだけの知識があって、敢てSFにする必要があるのだろうか。

    題材が似てるのに、ダ・ヴィンチ•コードが売れて、これが売れないのはそこらへんに問題があるのでは?

  • 「ダ・ヴィンチ・コード」愛蔵版の解説で荒又氏自身が宣伝していたので読んでみた。苦痛ながらも読み終わったけれども、いったい何だったの?という感想しか残らない。

    著者の筆力ってこんなものでしたっけ?「帝都物語」は面白かった気がするんだけど。

  • 裏を取りたくなるようなエピソードがたくさんあるけど手に負えない感じ。最後は勢い良くゴールイン。

  • あー
    荒又だ

  • (2006.07.01読了)(2006.06.17購入)
    「ダ・ヴィンチ・コード」と似たようなテーマを扱っている小説だというので読んでみました。

    (「BOOK」データベースより)amazon
    南仏の古代遺跡に眠る遺物の発掘。謎の宗教団体からの依頼を受けたレイハンター青山譲は、聖地レンヌ=ル=シャトーへと向かう。彼がかつて発掘に成功し、封印したその石棺をふたたび暴くために。遺物の正体とは、はたして何なのか。世界の王、レックス・ムンディの復活を預言するのは…。膨大な資料と想像力のもと、ヨーロッパ文明最大の謎とタブーに挑む、アドベンチャー・ホラー長編。

    ☆関連図書(既読)
    「ダ・ヴィンチ・コード(上)」ダン・ブラウン著・越前敏弥訳、角川書店、2004.05.30
    「ダ・ヴィンチ・コード(下)」ダン・ブラウン著・越前敏弥訳、角川書店、2004.05.30

  • 荒俣宏の博学さに驚かされた一冊。

    『レックス・ムンディ』 荒俣宏

    物語のストーリーよりもその博学強記にまず圧倒される。
    解説にもあったが、この話は「フィクションなのかリアルなのか」とつい考えてしまいたくなるほど史実や実在の文献・絵画などがワンサカ出てくる。

    主人公のいる小説形態でなければ、差し詰め、新説を唱える論文のような感じ。
    残念ながらストーリーそのものは左程面白くない。すぐに先が読め、ラストが煮え切らない。

    それでも読後感があまり悪くないのは、やはり荒俣宏の知識量からくる満足感なのだろう。

    レックス・ムンディ-世界の王-

    読みながら『ダビンチ・コード』を思い出していた。

全35件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荒俣宏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×