- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087475074
作品紹介・あらすじ
ある日、目細の安吉一家に客分として現れた、時代がかった老侠客。その名も山本政五郎-すなわち幕末から生き延びた、清水の次郎長の子分・小政だというのだが…。表題作「残侠」など、天下の夜盗「天切り松」が六尺四方にしか聞こえぬ闇がたりの声音で物語る、義賊一家の縦横無尽の大活躍八編。粋でいなせな怪盗たちが大正モダンの大東京を駆け抜ける、感動の傑作シリーズ第二弾。
感想・レビュー・書評
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1冊目は昔の語り口調が難しくて、読むのが大変でしたが、2冊目ともなると段々慣れてきました。
やっぱり泥棒だけど、みんなかっこいい!!特に百面相の恋が良かった。どんなに周りの人に嘘をついても、愛する人のことを大切に想ってた常兄かっこいい。幸せになって欲しい。
そして最後の話も良かった。目細の安吉親分の愛情の深さを思い知った話でした。そんな親分の下で働いているみんなが自分を持っててかっこいいし、松も成長していくのが分かって良い話でした。 -
「男てえのは、理屈じゃあねえ。おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ、俺ァ男だと、てめえに言い聞かせて生きるもんだ。よしんばお題目にせえ、それができれァ、理屈は何もいらねえ」
天保生まれの清水の小政、あの清水の次郎長の子分の小政がひょんなことから安吉親分の長屋に
その小政が松蔵に教えてくれたこと
「俺ァ、男だ。俺ァ、男だ」
題目のように口にするはしから、死んだ母親のことや、子供を叩き売った父親の顔や、背中で冷たくなってしまった姉の重みが嘘のように消えて行った
この当時の人は、辛いことがあっても、「俺は男だ」と歯を食いしばって乗り越え、生きていたのだろう
母を亡くし、姉を亡くした松蔵が父への恨みを生きるバネのようにしていたその父親までも死んでしまった
両親の骨壷を前に泣きくずれる松蔵に、犬畜生と人間の違いを教え諭す周りの大人たち
松蔵を取り巻く大人たちーー安吉親分、寅弥兄ィ、栄治兄ィ、おこん姉さん、常兄ィ、そして永井先生( 永井荷風 ) の何とかっこいいこと!
松蔵は幸せ者だ -
「男てえのは、理屈じゃあねえ。おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ、俺ァ男だと、て、てめえに言いきかせて生きるもんだ。よしんばお題目にせえ、それができれァ、理屈は何にもいらねえ」
大正ロマンの時代を駆け抜けた目細の安吉一家の活躍譚第2段。
この2巻で安吉一家以上に光るのはやはり清水の小政。
一宿一飯の義理を立てて鮮やかに舞台を降りる様は本当に格好いい!
「春のかたみに」ではもちろん号泣したし、安吉親分も寅兄ィも栄治兄ィもおこん姐さんも相変わらず素敵だけれど、この中で一番好きな話はと言われたら「百面相の恋」を選んでしまう私は、結局騙りの常兄ィが一番のお気に入りだったりします。 -
前作もそうだけど、毎度ラスト3ページくらいで目頭が熱くなる。今回ももれなく、電車で朝から泣きかけてしまいました。このシリーズはちょっと休憩入れてまた今度読みます。
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やっぱりこのシリーズは素敵な話ばかり。『百面相の恋』も切なくて心に残ったけど、ほんと最後の『春のかたみに』がなぁ…。
「たのむよ、おとっちゃん。ねえちゃんとおっかちゃんを、その手で抱いてやってくれろ。」「貧乏も病気もねえあの世で、親子三人、仲良く暮らして下さい。」祈る松吉に、語気を荒げて破門にしてまで、そう松吉に気づかせてくれた安吉親分に、胸が熱くなった。 -
天切り松シリーズの第二巻。目安の安吉の中抜きがかっこよかった。そして、清水の小政の漢気もしびれた。
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天切りシリーズ、浅田次郎最高傑作