- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087477955
感想・レビュー・書評
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勘九郎さん(と、あえて呼ばせていただく)が目の前にいるような聞き書き文体は、聞き手&書き手の小田師匠との信頼感あってのものだろう(本文中に、同じく小田師匠の『のり平のぱーっといきましょう』の三木のり平がちらっと出てきてニヤリ)。
一緒に呑んでみたかったなぁ、勘九郎さん。その早すぎる死が本当に惜しまれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
百聞は一見にしかず。
勘九郎が歌舞伎の舞台となった土地を巡り歩き、
気付いたこと感じたことを語る。
文章は、勘九郎独特の喋り言葉そのままです。
六代目のこと、“親父”のこと、辰之助のお兄さんとの思い出、
八十助さんとのエピソードなど楽屋話も披露。
歌舞伎ファンは一層楽しめるのでしょう。
勘九郎の属性は“陽”。
楽しく周りも明るくさせる人柄です。
骨の折れる仕事も楽々とこなしたように見えてしまいます。
大変結構な人柄なのに、“有り難味がない”。
勘三郎襲名するなら、有り難味を醸したいところでしょう。
だからってしかめっ面した日にゃ、何怒ってんだいなんて文句まで云われる始末。
こぶ平は裏を表にひっくり返して今までの魅力まで無くしちまいました。
勘九郎は、勘久郎を肯定しました。
親父のようにはなれないかわりに、自分の勘三郎像を目指したんでしょう。
今までの経験がきっと何かの役に立つだろうと云っています。
本書は、平成11年に刊行され、勘三郎襲名直前、平成17年の再販です。
“芸の旅”を“新しい勘三郎”を咲かす“肥し“だったと回顧する勘九郎さん。
現世 十八代目 中村 勘三郎 のネタが詰まった一冊です。 -
芝居のゆかりの地をめぐってるんだけど、
この場所でこの場面で・・って台詞入りです。
見たことある演目だと場面が浮かんじゃう(笑)
また勘九郎さん語り口調で文章書いてあるから面白いんだよ。
ほんと、人をひきつける人ですね。 -
読んでいると勘三郎さんの声が思い浮かぶ。