谷川俊太郎詩選集 3 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.77
  • (26)
  • (25)
  • (47)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 314
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478549

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 少し前に一度読んだのを再読したら微妙に惹かれる詩が変っていました。
    1や2より3はボリュームもあって読みごたえがありました。
    好きなものを挙げると
    「魂のいちばんおいしいところ」
    「詩を贈ることについて」
    「虚空へ」
    「あい」
    「天使、まだ手探りしている」
    「泣いている天使」
    「醜い天使」
    「あのひとが来て」
    以前に、『クレーの天使』を読んだときは違うものに惹かれました。

    巻末に中国人文学者の田原(ティアンユアン)さんによる谷川さんへの書簡インタビュー、解説があり、興味深く読みました。

  • 3巻も色々な色の言葉たちでした。やわらかかったり、ちくちくしたり、ドキドキしたり。クレーの絵に付いているのであろう詩も素敵で、絵と一緒に見たくなりました。短い中にも世界が広がります。好きなシリーズです。

  • 201802読了。
    この詩集を読んで、私は谷川俊太郎氏の児童文学の顔しか知らないんだなと痛感した。先生の大部分を占めているであろう難解な部分を、この詩集で初めて知った。…つまり何が言いたいか。教科書と翻訳の力ってすげぇってこと(笑)

  • 『女に』『詩を贈ろうとすることは』『世間知ラズ』『モーツァルトを聴く人』など16の詩篇より厳選した作品集。インタビューも併録。

  • 子ども向けのものから散文詩まで、様々な詩が集められた一冊。特に最後のインタビューは、研究したい人は必読。

  • クレーは言葉よりもっと奥深くをみつめている。それらは言葉になる以前のイメージ、あるいは言葉によってではなく、イメージによって秩序を与えられた世界である。

    言葉によって感染した病いは言葉によって免疫するしかない。

  • 向井承子さんからいただいた、『脳死・臓器移植 私たちのメッセージ』(「臓器移植」の性急な立法化に反対する連絡会編)の冒頭に、谷川俊太郎の「誰にもせかされずに」があった。連絡会主催の、「脳死・臓器移植」を考えるシンポジウム(1994年10月8日)で朗読されたものだという。

    どれかの詩集に入ってないかと探したら、この詩選集に、単行本未収録詩篇として収められていた。

    「誰にもせかされずに私は死にたい」から始まる詩の、最後の2連はこんなだ。


    誰にもせかされずに死にたいから
    誰もせかさずに私は死にたい
    丸ごとのただひとつのいのちのままで私は死にたい
    限りあるいのちを信じるから 限りあるいのちを慈しむから
    今も そして死のときも

    誰にもせかされずに私は死にたい
    扉の外で待つ者が私をどこへ連れ去るとしても
    それはもうこの地上ではないだろう
    生きている人々のうちにひそやかに私は残りたい
    目に見えぬものとして 手で触れることの出来ぬものとして(pp.235-236)

    この詩選集には、『世間知ラズ』より「父の死」も収められていた(この詩集は、15年くらい前にもらって、うちにある)。

    高校のときに、母の友人から贈られた『よしなしうた』に始まり、うちにある谷川詩集を寄せ集めたら十数冊になるが、この詩選集3の巻末を見ているだけでも詩集のほかに単行本、絵本、翻訳など膨大な冊数の本があって、ちょっとびっくりした。

  • わたしは かじりかけのりんごをのこして
    しんでゆく
    いいのこすことは なにもない
    よいことは つづくだろうし
    わるいことは なくならぬだろうから
    わたしには くちずさむうたがあったから
    さびかかった かなづちもあったから
    いうことなしだ

    わたしの いちばんすきなひとに
    つたえておくれ
    わたしは むかしあなたをすきになって
    いまも すきだと
    あのよで つむことのできる
    いちばんきれいな はなを
    あなたに ささげると
    (p.173 「しぬまえにおじいさんのいったこと」)

    ぼくのはなしもきいてほしいな
    おとなみたいにはなせないけど
    やなことばかりがいっぱいなんだ
    あそぶものにはこまってないけど
    きょういきるだけであしたがないよ
    どうしてなのかおしえてほしい

    きもちのふかみにおりていきたい
    そこにはにじもほしもないから
    かえってこえはよくきこえるんだ
    まっくらのなかでじっとしてると
    おとなもこどももきっとおんなじ
    こわいこともたのしいことも

    いつしんだってかまわないんだ
    だけどできたらいきていきたい
    かみさまなんていないんだから
    (p.176 「きもちのふかみに―― a song」抜粋)

    ―――――
    魂のいちばんおいしいところ(p.39)、人を愛することのできぬ者も(p.115)、夕焼け(p.145)etc.と一個一個固形物にして棚に飾っておきたいような良い詩がいっぱいです。真っ白でいるよりも(p.139)はちょっと寺山修司っぽいかな。しぬまえに~は『みんな やわらかい』収録時に小学生時に図書館でちらっと読んでからどの詩集に載っているのかわからないまま探してなかった詩なので、本書を読んでて見つけたときはキター!状態でした。わたしにはくちずさむうたが~からの二行が哀愁漂ってるけど満足気で好きで好きで。(そして続きにうっかりホロ泣きした過去)
    現在の国語の教科書には谷川氏の作品は掲載されていない?らしく?私の時代は『生きる』が載ってたなあ、あれで谷川詩を知ったなあ、ていうか学校で初めて読んだときこっそり泣きそうになったよなああれもまた思い出、というのを思うと、ううん、少し淋しくなるような、間に合えたとほっとするような、ちょっと不思議な気持ちになりました。さて、次に読みたい谷川詩はマザーグースです。のんびり買い求めますか。

  • 一から三までよみおえて、谷川俊太郎の詩がものすごく好きになりました。作品自体を買おうかなと思案するほどに…

  • 「まだ二〇世紀なのね
    未来ってなんてゆっくり来るんだろ
    待ってらんないな」

    「真っ白でいるよりも」を読んだとき、ずきゅうううぅーんと心をうたれた。

    「花が咲いてて、そよ風に吹かれて、それだけで幸せって思ってて、だからうしろめたいの。ひとりぼっちが。」

    それでもそれだから、「あなたの色とまざって、嫌いな花の色になるほうがましなの。真っ白でいるよりも」ね。

  • 名作「なんでもおまんこ」を収録してます。
    詩って素晴らしいですね。

  • 『ことばあそびうた』は完成度が高いと思う。

  • 現在の谷川俊太郎に最も近い作品集。だいぶ高齢ともなり、すっかり谷川スタイルは確立されたかのように見えるが、彼の挑戦は留まるところを知らない。問題作として一部で話題になった詩「なんでもおまんこ」も収録されている。個人的なおすすめは「三つのイメージ」。

  • “真っ白でいるよりも”の一番最後だけを最初に知って、この詩を読みたくて買った本。

    読んでみて物事を見る視点が好きだって改めて思った。
    世界ってこんな見方もあるんだなぁと感じられます。

    でも全部読んでません。。。

  • ひとつずつ、思い出したときにめくるのがいい

  • 学校で習った詩人。今はいくつなんだろう。魂のいちばんおいしいところというタイトルのとある同人誌を買ったときに、その引用されていた言葉に惚れた。

全18件中 1 - 18件を表示

著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

谷川俊太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×