- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087480351
作品紹介・あらすじ
下田くんのお父さんは有名な悪役プロレスラーの牛之助。頭は金髪、顔は赤白の隈取り、リングでみどり色の霧を吹く。そんな父親が下田くんはイヤでたまらない。今度は黒人の空手家「クマ殺しのカーマン」と対戦することになったのだ。父を思う小学生の胸のうちをユーモラスにえがく表題作。ロックンローラー、落語家、究極のペットを探す動物園園長と魚河岸の大将。子供より子供っぽいヘンテコお父さんたちのものがたり。
感想・レビュー・書評
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H30.4.20 読了。
・昭和の個性の強いお父さんたちの物語。ほのぼのとしていてほっこりする。この中で私は「お父さんのロックンロール」が好きです。
・あとがきに「大人には、子どもの部分がまるごと残っています。子どもにいろんな大人の要素がくっついたのが大人なのです。」「この本では、そうした『子どもより子どもっぽい』お父さんを、4人集めて書いてみました。いずれもへんてこなお父さんばかりで、職業も同じではありません。でも、きみたちのお父さんにもきっとそういうへんなところ、子供っぽいところがあるはずです。それがわかると、きっとお父さんのことを、もっとすきになると思います。」・・・素敵な言葉ですね。
・解説はなんと夢枕獏さんが書いてます。貴重ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大人になりきれてない大人?
お父さんになりきれてないお父さん?
4人のお父さんは大人の男としてお父さんとして、一生懸命子どもと向き合おうとしてる。子ども側からはちょっとズレてはいるんだけど。
こんなちょっとズレた親の感じって、お父さんだと笑えるのに、お母さんだとなんか笑えない。
それは私が女だからかなぁ?
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小学生にも読める本、というテーマで選書してみました。
小学生と、その父親をめぐる4編の短編が収められています。
活字も大きめで行間も広く取られているので、(もともと薄手の文庫本なのですが)想像以上にスルスルと読み進めることができます。
一見するとどうしようもないダメオヤジにしか見えない父親も、実は家族のため、そして自分自身のために一生懸命に生きており、その姿勢から子どもたちも父親の背中を誇れるようになっていくものなのでしょう。
特に表題作の「お父さんのバックドロップ」はその”王道”のストーリーで読後感も良かったです。
子どもから大人まで、抵抗なく読める作品だとは思います。 -
悪役プロレスラーを仕事とするお父さんが主役の表題作。お父さんはプロ中のプロのレスラーたが、息子の下田くんは反抗期真っ盛り。お父さんの仕事への矜持を打ち砕く残酷で本質をつく一言を言ってしまう。それに対するお父さんの行動は・・・。
プロレス好きでもそうでなくても感動できる秀作。総合格闘技ブームやプロレス暴露本ブームの遥か前に書かれている事がかえって素晴らしい。
作者はプロレス村の住人たちを全て敵に回してでも貫きたい、プロレスに命をかけるものへの愛、そして懸命に生きる人々への愛がある。-
2016/05/12
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だいさん、ありがとうございますm(_ _)m
試合を作っているのは、得てしてヒール(悪役)だったりしますね。だいさん、ありがとうございますm(_ _)m
試合を作っているのは、得てしてヒール(悪役)だったりしますね。2016/05/12
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`没後10年・抱腹絶倒’オビ巻。
腹を抱えて大笑い、というよりもじんわりいい話。
「大人というのは子どもが大きくなって、まったく性質のちがう『大人』というべつの人間になるのではない」(p179 あとがき)
これがすべて。
とても優しくてあたたかい文章。
15刷
2021.1.28 -
子どもより子どもらしい、純粋な父ちゃんの話。良かった。突然、ほんまのことを言ったりするところ、が。
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昭和には居ただろう、けど平成の現在には絶滅してしまったシャレのきいたお父さんたち。
子供っぼいながらも誰よりも我が子を愛してるお父さんたちはなんかカッコいい!
デジタルの時代よりアナログの時代の方がみんな生き生きしてたよね。
お父さんたちから元気をもらえる一冊。 -
らも氏は、子供目線で見た大人の描写が絶妙ですよね。何故、悪役レスラーが必要なのかを説いたお父さんに対する、子供の切り替えしが見事。児童書としても成立している、価値の高い一冊だと思います。
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2014.1.10 読了
思いっきりお茶零して乾かしながら読んでました。それも良き思い出。本読んで笑ったの久しぶりかもーー。こんなおとーちゃんいいなあって思った。おとーちゃんたちのおもしろさもよいけどその子どもたちの素直さが痛いほど伝わってきて泣けたよ。こういう本は子どもたちにたくさん読んでもらいたいなって思う。あったかい本でした。