コンティネンタル・オプ (世界の名探偵コレクション10) (集英社文庫)
- 集英社 (1997年7月18日発売)
本棚登録 : 22人
感想 : 1件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087485608
感想・レビュー・書評
-
集英社文庫の世界の名探偵コレクション5。アメリカ作家ダシール・ハメットはハードボイルドの始祖と呼ばれる。
「雇われ探偵」「新任保安官」「ターク街の家」「銀色の眼の女」を収録。
『血の収穫』『マルタの鷹』が代表作のダシール・ハメットが生んだコンチネンタル・オプは、コンチネンタル探偵社サンフランシスコ支局に勤務する雇われ私立探偵であり、本名ではないらしい。本書の4編を読む限りでは、とにかく血が流れるバイオレンスな印象が強い。推理小説としての体裁は保っているが、アクションが非常に目立ち、銃でバンバン撃ち合う光景が強いインパクトを残す。犯罪のあり方や犯人の心理がリアルで、推理小説によくある、特殊な性癖の犯人や奇想天外なトリックなどは登場しない。これがハードボイルドというやつなのか……としきりに納得する。個人的には好みではないけれど、これはこれで魅力と独特な味わいがある。
「ターク街の家」は人物構成と心理ロジックが非常によくできている傑作。完成されたパズルのようにうまく組み合っている。その続編「銀色の眼の女」で取り逃がした悪女との決着をつける。エンタメとして満足感あるラスト。よくできているなあとしきりに感心。コンティネンタル・オプ の長編『血の収穫』も読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示