黄色い部屋の謎 乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBEST10(2) (乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBEST10) (集英社文庫)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087488302

作品紹介・あらすじ

厳重に戸締まりされた「黄色い部屋」に侵入し、スタンジェルソン嬢に血まみれの重傷を負わせたのは誰か-?!昼なお暗い森の館で企まれた奇怪きわまる密室殺人。この恐るべき謎に挑むべく、弱冠18歳の青年記者ルールタビーユは、勇躍、世紀末のパリを出発する…。息づまるサスペンスと巧みなストーリー・テリング。『オペラ座の怪人』の作者ルルーがおくる、"密室ミステリー"の古典的名作。

感想・レビュー・書評

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  • 密室!密室!!古き良き時代の、密室!ご都合主義でも楽しめるのは、ミステリーが確立し探偵小説が盛り上がっていく時代のものなのねぇ…と改めて。おもしろかったぁ。フランスミステリー。探偵役のルールタビーユ君がとっても若造・自信満々18歳とあって、コナン君(と言うより工藤新一か…)を見ているようなおもしろおかしさ。とりあえず、密室はファンタジー。楽しんだもの勝ち。

  • 私が古典的名作を読むきっかけになった作品です。

    もちろん今の時代から見たら多少微妙なとこもあるし、

    この作品以上の名作も多々あります。

    だけど密室トリックの草分けな存在なのはもちろん

    トリックを解いていくルールタビーユの軽快な動きや

    理屈っぽいとこなんかはすごく展開が早く読みやすかったです。

    さすがにラストはちょい引いたけどおもしろい作品でした。

    余談ですが、小学生の時にトライして意味がわかんなくて

    断念したくやしさを大人になって読破できたことは

    なんだかとてもうれしかったな♪

  • ルルタビーユもの。古典的密室の名作。名作だけに大胆なトリックで、とにかく読むべきではあると思う。まあ、実際にやるのは確実に無理なわけですが。トリックもすごいですが、犯人も以外や以外の人物で、この意外性もあり、二重に楽しめ、さらに密室以外にも廊下で人が消えたという謎もあり、とても楽しめる作品でした。

  • 黄色い部屋の謎
     1 初めからわからないことばかり
     2 ジョゼフ・ルールタビーユ登場
     3 幽霊のように鎧戸を通り抜けた男
     4 大自然の懐に抱かれて
     5 ジョゼフ・ルールタビーユの一言でロベール・ダルザック先生の態度が一変する
     6 オークの林のなかで
     7 ルールタビーユ、ベッドのしたの探検に出発する
     8 予審判事、スタンジェルソン嬢を尋問する
     9 記者と警官
     10 「これからはビフテキを食うしかない」
     11 犯人がどうやって〈黄色い部屋〉から脱出したか、ラルサン刑事が説明する
     12 ラルサン刑事のステッキ
     13 「司祭館の風情も庭の美しさも、むかしと少しも変わらない」
     14 「今夜、犯人があらわれる」
     15 罠 ジョゼフ・ルールタビーユのノートの抜粋
     16 物質解離という不思議な現象 ジョゼフ・ルールタビーユのノートの抜粋(つづき)
     17 不思議な廊下 ルールタビーユのノートの抜粋(つづき)
     18 ルールタビーユは額のふたつのこぶのあいだに円を描いた ジョゼフ・ルールタビーユのノートの抜粋(つづき)
     19 ルールタビーユ、旅籠屋〈天守閣亭〉で私に昼食をおごる
     20 スタンジェルソン嬢の奇妙なしぐさ
     21 待ち伏せ
     22 不可思議千万な死体
     23 ふたつの手がかり
     24 ルールタビーユは犯人の両面を知っている
     25 ルールタビーユ、旅に出る
     26 ジョゼフ・ルールタビーユの帰還が待ち遠しい
     27 ルールタビーユ、輝かしい栄誉に包まれて登場する
     28 いつもあらゆることに気を配るわけにはいかないという証明
     29 スタンジェルソン嬢の秘密
    Supplément de L'Illustration 1907年9月7日~11月30日

    解説 平岡敦
    密室ミステリーの古典「黄色い部屋の謎」
     作家ガストン・ルルーの誕生
     「黄色い部屋の謎」
     「黒衣夫人の香り」から「オペラ座の怪人」へ

    鑑賞 阿刀田高
    なつかしい時代

  • 古典中の古典、初めて読んた。
    訳のおかげか思っていたより読みやすい。

    密室ものということ以外筋も知らずに読んだので、「えっ事件パートこれだけであとずっと推理なの!?」と驚きながら読み進め…面白かった!
    若干18歳の駆け出し記者ルールタビーユはまだ青年にはなりきれない少年ぽさが残って爽やかで可愛らしく、刑事と推理対決!みたいな話の筋も楽しく読めたけど、やっぱりなんというか、伏線の張り方とかで犯人は結構早めにわかってしまう…。古典だから、これを踏まえた色々な作品を読んでるからだと思う。でもそれはそれとしてとても楽しめたな。

    ルールタビーユが黒衣の貴婦人がどうのこうのってすごくいうのが、なんというかフランス男〜って感じした。アルセーヌ・ルパンもだった気がするんだけど、若かりし頃に出会った貴婦人を追い求めるフランス男…みたいな。求め方は色々だけども。

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著者プロフィール

Gaston Leroux(1868-1927)
パリ生まれ。「最後の連載小説家」と称されるベル・エポック期の人気作家。大学卒業後弁護士となるが、まもなくジャーナリストに転身。1894年、《ル・マタン》紙に入社し司法記者となり、のちにこの日刊紙の名物記者となる。評判を呼んだ『黄色い部屋の謎』(1907年)を発表した年にル・マタン社を辞し、小説家として独り立ちする。〈ルールタビーユ〉〈シェリ=ビビ〉シリーズの他、『オペラ座の怪人』(1910年)、『バラオー』(1911年)等のヒット作がある。その作品の多くは、演劇、映画、ミュージカル、BDなど、多岐にわたって翻案されている。

「2022年 『シェリ=ビビの最初の冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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