- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087488784
感想・レビュー・書評
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子供のころ持っていた、ハートや星の形をした小さな消しゴムを思い出した。ピンクやブルーの、かき氷のシロップみたいなはっきりして薄っぺらい色。
あと、ピアノのレッスンのあとにもらえたキャンディ。異なる2色の正方形のものが袋に入っていた。 -
この方の本は、すごく鋭い。美しい感覚で描かれていて、部分だけを取り出せば、はっとする表現が幾度もある。なのにどうしてだろう。読み通すまでに、薄い空気の中を往くような、希薄さを感じてしまうのだ。透明で、冷たいなにか。その感覚が好きだと、ファンの方はお思いなのだろう。
グレイッシュな空。
雨の日の鮮やかさ。
秋口からの、温かい紅茶の慕わしさ。
たのしい川べの本。
好きなものは共通している。なのに。いつも。私はこの方のご本がかなしい。さみしく痛くて、半分読んで返してしまった。キャラメルティーは温かくて美味しいのに、読み通せなかった。どこかで誰かが、ひそやかに泣いているようで。 -
江國香織さんが30歳の頃に書かれたエッセイです。
面白かったです。みずみずしくも、ふわふわとしていて、軽やかで。
やっぱり、江國さんは軽やか、というのが似合います。
「眠りと死とは、その静けさにおいてよく似ている」「『大丈夫大丈夫、外はこんなにきれいなのだから大丈夫』というような、あかるくて楽ちんな気持ち」と、素敵な言葉もたくさんありました。 -
自分の生活も、エッセイをかけるくらい素敵になりたい。モノの見方なんだろうけど、
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2019/05/12
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30歳の誕生日に、あーちゃんがプレゼントしてくれた。江國さんの30歳記念のエッセイということで。粋なプレゼント!
いつも小説ばっかり読んでてエッセイは初めてかも?
小説にしてもエッセイにしても、江國さんの文章は、好きなものやこだわりのあるものを丁寧に整理している印象。
江國さんがピックアップするディテールは、「分かる分かる」と思えるものが多い。同じように思う人が多いから人気作家なのか?私がたまたま共感する部分が多いだけなのか?
これ読んでて自分もエッセイ書きたくなった。
忘れたくないと思ってても忘れてしまう色々な事の整理と記録のために。
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30歳記念のエッセイ集。
色鮮やかで、瑞々しくて、こんな風に世界を見たいと思わせてくれる。
感受性豊かとはこのこと。
旅のお供に連れて行きたくなる。 -
1人江國さん祭り続行中。これは江國さんの30歳記念の初エッセイ集だとか。
私はおとつい30になりましたので、江國さんとは約20歳離れてるとわかりますが、懐かしい思い出(駄菓子の飴、カルピス、はんてん、兵子帯…)は私も懐かしくて、それは私が「田舎の子」だから若干ジェネレーションギャップが埋まっているせいもあるのかと思ってもみる。
だからもちろん、学校をさぼったり紅茶をのんだりというハイカラさは私の子供時代には無かった。
冬の背筋が伸びるかんじ、春のまどろむかんじ、夏のノスタルジー。季節をとらえることが上手なひと。 -
こんな感受性を持ち合わせていたら、さぞ世界は美しかろう、と思う。色のつけ方を教えてくれる、そんな本。