インドでわしも考えた (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087492934

作品紹介・あらすじ

インド人は老若男女、朝晩カレーを食べているのだろうか?カースト制度は今もなお生きているのか?なぜターバンをまくのか、そして女性はサリーしか着ないというけどホントか?以上の3大?の真相を求めてシーナ部隊はインドに飛んだ。静寂と喧騒の渦巻く混沌の国を半径3メートルの実感で進む面白リアリズムの人間紀行。カラーたっぷり文庫。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとインドのこと知りたいな〜と思って調べたら、有名な旅行記としてこの本が出てきた。
    特にインドに行く予定はないし、読み終わった今、この国に行くことはやっぱりなさそうだとも思う(どう考えても女の身で気軽に行ける国ではない)が、それはそれとして楽しかった。

    初版が1988年、2023年で49刷だから随分売れているようだ。
    おそらく情報としては古いと思うし、文体や話題も(失礼ながら)おじさん感に溢れているが、流石に文章がうまくてするする読める。

    だいたい私のインドのイメージそのままだったので、逆に私のインド観って2、30年前のものなんだろうな…

    現地の人々のカラー写真が豊富で、どれもとてもいい写真。ただ、本文とは全然連動していない。

    旅行のときにテーマを持っていくというのは楽しそうだな〜と思った。


  • インド旅行古典と名高いため、手にとってみた。
    私も7月に友人と"行くこと"になって、8月にはビザを取り、9月の誕生日にはタージマハルで誕生日を迎えていたことがある。
    この本を読んでインドでの様々な風景、と、インドに"行くことになった"ことを思い出した。
    決して"行くことにした"わけではなかったように今でも感じる。
    最初の会話ではトルコやエジプトといった中東以西が候補に上がっていた。そんな我々がインドに行くことになったのは、ある種インドに対しての人生観に影響を与えると噂のカオスを覗いてみたかったからかもしれない。
    個人的な感想は色々とあるが、一つだけ述べるとするなら観光をしに行くのには向かないかもしれないが、写真を撮りに行く人間には最良の国だと確信している。私はまたいきたい。

  • カレー=味噌汁論は激しく同意。30-40年前の怪しくも神秘的なインドが描かれてます。

  • この本は、作者がインドの色々な都市に行き、そこで出会ったガイドや、体験したことを、ありのままに書いていくストーリー展開となっている。 
     
    『三メートル浮かぶヨガの達人』を探すという主題は変わらず色々な都市を三人で歩いていくのだが、読んでいると『くふふ』と笑う場面が多い。  


    1984年に書かれた本。 
    インドの都市部ではディスコやダンスが出てきたそう。今ではそれは、もっと広がっていると思うが、45度程になる灼熱のインドに行ってみたいと思った。 

    ちなみに彼はインドに行く前は参考書などをじっくり読むタイプでは無いらしい、、、。
     
       
    『印象に残ったモノ達』
    ・男言葉の美人ガイド、モノを買わせる三角歯のガイド、ホモっぽい丸顔ガイド、、、。
    ・都市に横たわる野良牛達
    ・ガンジス川のう◯こと死体
    ・床に落とした氷を入れるCA


  • 夏の暑さのせいか?久しぶりに読みたくなり再読。
    随分と昔になるがインドを一人旅した。旅本が好きだったこともあり、ガイドブックではなく蔵前仁一さん、妹尾河童さん、そして本作を読んで旅のイメージを膨らませていた頃が懐かしい。

    帰国時、当時一緒に暮らしてたネコが真っ黒に日焼けして痩せた顔を不思議そうに見上げてきた表情を覚えている。

  • 初版が35年前

    当時のインドと今のインドは大分違うのだろうけれど
    この本は私の知っているインドそのもの

    インドという国を
    嫌がるでもなく好むわけでもなく
    作者の体験がそのまま著され
    楽しませてもらった

  • ☞『活字のサーカス』

  • 1980年代のインド旅行記。

    「わしも考えた」というが、まぁ、そんなに難しいことを考えているわけでもなく(失礼)、肩肘張らずに読めるのがよい。
    得に、訪問先ごとに入れ替わる現地ガイドのインド人の描写が面白かった。

    どういうわけか、写真と本文の内容が一致していないのが残念ではある。

  • 「椎名誠」のインド旅行記『インドでわしも考えた』を読みました。

    最近、太平洋戦争に関する「半藤一利」作品を4作続けて読んでいたので、気分転換に軽めの作品を読みたくなり「椎名誠」作品を選択… 「椎名誠」作品は昨年の12月に読んだ『風のかなたのひみつ島』以来なので約半年振りですね。

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    インド人は老若男女、朝晩カレーを食べているのだろうか?
    カースト制度は今もなお生きているのか?
    なぜターバンをまくのか、そして女性はサリーしか着ないというけどホントか?
    以上の3大?の真相を求めてシーナ部隊はインドに飛んだ。
    静寂と喧騒の渦巻く混沌の国を半径3メートルの実感で進む面白リアリズムの人間紀行。
    カラーたっぷり文庫。
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    本作品、十数年前に読んだことがあるのですが、古書店の100円コーナーでみつけて、久しぶりに読みたくなったんですよね。

    「椎名誠」とカメラマン「山本カメラ(山本皓一)」と雑誌記者「P・タカハシ」による写真付きインド旅行エッセイで、以下の構成になっています。

     ■はたしてインド人は空中3メートルを浮揚するか
     ■ボンベイふらふら出たとこ勝負
     ■じわじわとインドの熱気が迫ってきた
     ■ク・フフフと富豪のヨガ先生は右頬で笑った
     ■サリーの秘密はインドの秘密なのだ
     ■カルカッタの逆上プロレスヨガは目玉で勝負した
     ■インドの野良牛も地べたにころんで瞑想する
     ■ガンガーの赤い叫びが川面を裂いた
     ■死者たちのよろこびをのせてガンガーは今日も流れる
     ■あやしのワイセツ村カジュラホーでまんまる男がふふふと笑う
     ■愛と疑問のタージ・マハルにインドの赤い夕陽がおちる
     ■5千人のメカケをかこうインドの王にわしらは怒る
     ■さらばデリー さらば不可思議の巨大三角国家よ

    ボンベイ→マドラス→カルカッタ→バラナシ→カジュラホー→デリーとインドを巡りますが、各地で一行を待ち受け、現地を案内してくれる有難迷惑なインド政府観光局のガイドが、なかなか個性的で面白いですね。

    そして、ガイドが案内してくれる定番観光スポットでは飽き足らず、

     ○ヨガ行者は3メートル浮かびあがれるのか?
     ○毎日カレーを食べているのか?
     ○女性はサリーしか着用しないのか?
     ○男性はなぜターバンを巻くのか?

    等々の疑問・興味を解決するために、インドの熱気にメゲズ、精力的に調査を進めます。

    一見不真面目そうなネタに真面目に取り組む姿は「椎名誠」らしくてイイですねぇ。


    「椎名誠」の旅行記を読むと、その場所に行ってみたくなります。

    訪れた地域を魅力的に描くのが、本当に巧いですよねぇ、、、

    濃縮スープのような濃密で絡みつくような空気、濃厚で質量感のあるねっとりとした闇、ガンガーに代表される猥雑で混沌とした雰囲気… 一度感じると忘れられない体験になるでしょうね。


    30年くらい前の旅行記なので、現在は随分、変わっているかもしれませんが、他の国にはない独特な雰囲気は残っているんじゃないかな。

    踏み込むのには勇気が要るだろうけど、一度、行ってみたいですね。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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