花千日の紅なく: 南方熊楠と妻 (集英社文庫 あ 10-2)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087494303

感想・レビュー・書評

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  • 南方熊楠を妻、松枝の目を通して描いた作品で、既知のエピソードであっても、女性ならではの視点で読み解いている点が特に良かった。
    また、男性作者が描くと「夫を支えた賢妻」のように扱われがちな著名人の妻の、ごく普通の女性、妻、母である姿が垣間見られる点も良かった。

    南方熊楠の学者、研究者、活動家という側面だけでなく、家族からみたその人となりや、意外と気弱であったり、のせられやすかったりという普段の姿が見え隠れするのも興味深かった。

    時代が時代とはいえ、熊楠の妻という立場は本当に大変だったと思う。それなのに、息子さんが悲しいことになってしまい、報われないというか何というか。
    読み終えた時、見知らぬ人である松枝さんに向かって「お疲れさまでした」と言いたくなった。

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著者プロフィール

1932年、長崎市に生まれる。54年佐賀大学教育学部卒。高校教師を経て編集者となり、のち作家活動に入る。著書に『龍馬の妻』(ちくま文庫)、『西郷家の女たち』(文春文庫)、『濃姫孤愁』(講談社文庫)、『秀吉の野望』(光文社時代小説文庫)など多数。

「2016年 『真田幸村の妻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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