山のパンセ (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087495959

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  • 詩人・哲学者「串田孫一」の山をめぐる随想集『山のパンセ』を読みました。

    「笹本稜平」、「山際淳司」、「長谷川恒男」に続き、山岳関係の作品です。

    -----story-------------
    鳥や古木、風や雲との心の対話…。
    ある時はやさしく、時として厳しい山や自然の美しさと不思議さを、鋭い観察眼で謳いあげる。
    誠実にくりかえす思索が心の安らぎを誘う代表作。
    (解説「山際淳司」)
    -----------------------

    1957年(昭和32年)に実業之日本社から出版されて評判となり、1962年(昭和37年)に『山のパンセII』、1963年(昭和38年)に『山のパンセIII』が相次いで出版され、1972年(昭和47年)には全91篇が1冊に合本されて『山のパンセ』となった作品です。

     ■山での行為と思考
     ■雪の森の一夜
     ■雪のある谷間
     ■八ヶ岳の見える旅
     ■私の山とスキー
     ■息子の山登り
     ■エーデルワイス
     ■残雪の頃
     ■意地の悪い山案内
     ■コロボックル・ヒュッテ
     ■雲の多い麓の旅
     ■つむじ曲りの山
     ■山の見える都市 〔ほか〕
     ■解説 山際淳司

    60年くらい前の作品なので、自然環境や登山・スキーに関する感覚等が現代とは大きく異なりますが、読んでいると、その時代の、その場所に居るような感覚になる不思議な魅力を備えた作品でしたね、、、

    自然の中での季節の移ろいを感じたり、山を切り裂くバスの走れる道路や、山やスキー場のリフトやロープウェイ、ホテルのような山小屋等の便利になり大衆化することへの憂える気持ちだったり、山を好きになった息子への期待や不安とともに自分を超えられたと感じたときのちょっとだけ嫉妬等、共感できる部分が多かったからかな。

    そして、ある時は美しくて優しいけれども、時として命を奪う厳しさや恐ろしさを兼ね備える自然の力や、自然と対話しながら同化することの大切さ等を改めて感じさせる作品でしたね、、、

    シュラフだけ持って、単車の横でゴロンと横になって眠っていた頃を思い出しました… 久しぶりに自然の中に身を投げ出してみたくなりました。

  • 学生時代、北アルプスに惹かれ通った松本の古本屋で初版本を手にとり、その外箱に記された一文に息を呑んだのです。その一文はそれからもずっと胸に残り続け、なにかのきっかけで再会し手に入れました(この文庫を)。これが一読み惚れというのでしょうか、印象的な出会いの本です(ちいさな帆)

    ちいさな帆さんの”感動の一文”・・・とても気になります(ま)

  • 2013/3/25購入

  • 08020

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著者プロフィール

哲学者・詩人・随筆家

「2022年 『寺田寅彦随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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