- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087496697
感想・レビュー・書評
-
北の海が如何に豊穣であるか、見事に描かれている。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アラスカに行きたい。そう思った。この本を読んで一層その思いが強くなった。オーパオーパ
-
私この人の小説読んだ事ないんだけど、きっと小説はいつか読むだろうけど、この文体でなければショックを受けるかもしれないと思うほど、この人のオーパ!での文体が大好きになっている。三島と同じくらいのウェイトで好きになっている。密度濃いよーう
-
(2013.01.27読了)(2013.01.24拝借)
開高健の釣り紀行です。
カラー写真が入っているので、すぐ読めると思って取りかかったのですが、結構難儀しました。魚が釣れないときは、開高さんの筆も鈍り気味で、なんやうだうだぐずぐずと、読むほうもしんどくなってきます。
いったん魚がかかると、筆もはずんで躍動し、読んでる方もうれしくなってしまいます。
アラスカ至上篇は、「王様と私」。コスタリカ篇は、「雨にぬれても」。と題されています。
アラスカではサーモンを釣り、カリブー撃ちのおまけがついています。
コスタリカではターポン釣りです。ターポンは、釣りごたえはあるけど、食べるには適さない魚のようです。
●女には釣れる(65頁)
サケがきっと一度河面上がってきてボートを一瞥し、乗組んでいるメンバーを眺め、どれが女であるかを判別し、その竿と糸を見定め、それから河底へおりていってその糸のさきの鉤に食いつくのだ。そういうことをいちいちそっとやっているのだといいたくなるくらいに、女によくかかる。
●知恵の哀しみ(94頁)
知らないでもいいことを知ったばかりに現世がつまらなくなることを〝知恵の哀しみ〟と申すのであるが、
●キャビン・フィーヴァー(117頁)
キャビン・フィーヴァーはアラスカやカナダなど、冬の長い北国で発生する発作であり、爆発である。雪と寒気に閉じ込められて5カ月、場所によっては6カ月、家にこもったきりで暮らしていると、抑圧がたまって暴発するのである。
いきなり斧をふるって妻や子を一人残らず惨殺したあげく自分は家から走り出して河へとびこんだり、ショット・ガンで一家皆殺しをやってから引き金を足の指でひいて自分の頭と顔を粉々にしたり……。
●雨と晴れ(337頁)
昨日が革命前のロシア文学のように暗かったというなら、今日はナポリ民謡のように明朗だといいたい。
(2013年1月27日・記)
(「BOOK」データベースより)
かつて砂金掘師が狂奔したアラスカの河岸に、世界中の釣師が、巨大なキングサーモンを狙ってひしめく。小説家はバック・ペイン(背痛)をおして氷寒の生と死の円環の中に、輝く虚無となって立つ(アラスカ至上篇)。中米のジャングルの河面を銀色の巨体が破る。疲れを知らぬ河の主、ターポン。剛竿がしなり、リールが悲鳴をあげる―。小説家との長い長い格闘が始まった(コスタリカ篇)。 -
中米旅行に向け、予習用の一冊。
怪しい大阪弁で始まる釣り旅のエピローグ、挫折、栄光のコスタリカ編。
この本に出合えたのは幸運だったと思います。 ラクティックアシッド(乳酸)が出た後はサケにこれを処理する肉体的能力はなく、釣ったサケを生かしてリリースする場合は勝負は長引かさないこと、山で野生化した豚(丸焼き)とブッシュマスターという猛毒蛇(唐揚げ)、そして、驚いたことにイグアナが美味いということ、またウィスキー・ブロンコという密造酒は二日酔いのもとであり、万一ハマってしまったらノー・アイ・ナーダという歌をねだるとよい等々・・。
釣り客ならではの、実践的で、煙草やウィスキーのスモークが香る本質的なマナーを与えてくれたと感じました。 -
どんな状況下でもユーモアが織り交ぜてある文章がいいなあと。
作者名、ずっと「カイコウケン」だと思って勘違いしてました。笑 -
釣りはやらないけれども、この本を読むと、その場に行きたくなる。
-
開高健との出会いは小学生。父が買ってた「PLAYBOY」で、綺麗な外人のお姉さんのヌードに混じって、やたらと面白い旅行記を読んでからでした。それがこの「オーパ!」シリーズ。今考えると、よく両親はヌード雑誌なんか読ましてくれてたな(笑)シリーズ全体大好きですが、その中でもこの「アラスカ至上篇」は、読んでてゾクゾクするくらい楽しい!キングサーモンと文豪との闘いの、一瞬のきらめきがまざまざと目に浮かぶ。文章に力のある人の作品は、ホントに追体験できるなぁ。
「オーパ」シリーズはハードカバーの出来も凄く良いけれど、文庫も侮れない。カラー写真てんこ盛り!!長い旅行の時によく持参するけど、欠点は重さかな(笑)紙質良い分重いのだ。 -
史上最大の釣行記。まろでほら男爵の冒険のよう。