ごめん。

著者 :
  • 集英社
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711929

感想・レビュー・書評

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  • いろいろな「ごめん」。

    個人的には第8話 「うさぎが転んだ」が好き。
    里村くんが 大好きな車に「ごめん」と言うところ。

  • なぜか疲れる本だった。
    全体的にすっきりするオチじゃないからかな。
    面白かった気はするんだけど。

  • 「ひとり道」「いつも俺から」「甘いママ」「いけない奥さん」「かすがい」「電話家族」
    「ナニサマ」「うさぎが転んだ」「小言幸兵衛 」「ハッピーエンド」「しゃぼん玉」

    ごめん。をキーワードにした11話収録の連作短編集。

    ノンフィクションの様なリアルさに何度も頷き共感しまくり。

    『ごめん』を使うシチュエーションも様々で面白いが同じ言語を使いながら全く噛み合わない人々の心理描写が秀逸。

    特にセクハラ上司・杉田の家族に対する『ごめん』や態度には怒りを通り越して呆れウンザリさせられる。

    登場人物の中の誰かにきっと共感出来るはず。

  • よかった。
    加藤元さん、良かったよー。
    好きだこの本。
    身体があったかくなる感じ。

  • 妻の気持ちを本当にわかっていないごめん。
    弱い立場に向けられる理不尽な人に対するごめん。
    恋人未満の女性に見栄を張ってしまったごめん。
    幼い息子のやんちゃに対して謝る母親、しかる母親に泣きながら謝る息子のごめん。
    夫以外に対する男性に対する浮気心をもつ妻に対し、夫も後輩の女子にまんざらではなかった時のごめん
    必ずしも人が好きではなく、対人関係が不器用な人たちのストーリー
    ごめんのタイトルからもう少し重い暗い空気を想像したがすかっとする、爽やかな場面もあり
    読後感は良い。

  • 図書館で借りたもの。
    1日に何度“その言葉”を口にしますか? 生きづらさを抱えて日々過ごす人々に贈る、「ごめん」が使われるさまざまなシチュエーションを切り取った連作短編集。

    初読みの作家さんだったんだけど…久しぶりにいい出会いになった!

    『甘いママ』は同じ母親として共感しまくり。泣けたな~。
    “一日じゅう、この子と向き合って過ごしているのよ。そして、他人さまにお詫びのし続け。やさしく言い聞かせる心のゆとりはないの。ぎりぎりなの。”
    “いいのよ。あんたが無事ならば。いつもいつも、変わらず元気な顔が見られるならば。親なんてそんなもの。そんな甘いもの。”
    “いつまでもこのままがいい。たくましく成長しては欲しいけれど、幼い子供のままでもいて欲しい。そう言ったら慎次からはさぞあきれられることだろう。
    親って勝手だな。
    そう、親は勝手だ。勝手で、弱い。”

    『いつも俺から』の主人公は、典型的な(と言ったらこれも差別かもしれないけど)昭和の男!
    話が通じないってこういうことか…と読んでてげんなり。

    登場人物がリアルだから、あっという間に引き込まれた。面白かった。

  • 「ごめん」「すみません」‥
    人間関係を円滑にしてくれる枕詞化しているような気がしている。
    本書はその「ごめん」にまつわる11話の短編集。
    その中で登場人物がそれぞれ絡まり合っていく。
    私は7話が好み♪
    でも、さわやか馬鹿は手に負えない( ̄^ ̄)

  • ごめん、なんて無意識に言ってそうな言葉だよな。謝罪の気持ちだけれど、枕詞になっているときもあるかもなぁ。
    出てくる人たちが、すごく現実味があっていや〜な感じだった。その後も気付かないし直らないところがまたリアル。人から見た自分と、自分が思う自分は違うから、どちらが正しいとかではないのかもしれないけれど、心からのごめん、すみませんは人と関わっていく上で必要だよなぁ。

  • とても良かった。
    特に第十話ハッピーエンド
    沁みた。

  • 吉本佑理32歳。学生服専門の洋品店で働く。本を読むのが好きで人間は少し苦手。ひとりでいるのが一番落ち着ける。そんな佑理から連なる佑理の上司、同僚、恋人、親友など10人の人間達それぞれの想いを描き、最後に佑理で終わる11話からなる連作短編集。

    人と違う価値観を持つものを”変人”と排斥しようとする世のなかで、多勢の価値観を押し付け決めつけられる窮屈さ。それに「ごめん。」としか返せず、私なんで謝っているんだろう?と違和感を覚える者がいる。

    浮気をしたと謝罪会見をし、宴会に出たからと頭を下げる。どうしてこれほど他人を糾弾し、人に謝罪を求める世の中になったのか。誰が、何の権利で謝罪を要求するのか。ナニサマなのだ。
    こんな気持ち悪い社会に、カトゲンがいつものユーモラスでいながらチクリとイタイ刺し傷を与える物語たち。

    「形式だけの謝罪など欲しがる気持ちがわからない」
    「謝罪って、受ける側も居心地が悪くなるものなんだよ。それがまともな人間であれば、だけどね」

    そのとおりだと思う。
    あるある~と頷き、クスリと笑って、ジワリと泣ける、カトゲン作品5作目も面白かった~。まだまだ読みます。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ、東京育ち。日本大学芸術学部文芸学科中退。日本推理作家協会会員。2009年、『山姫抄』(講談社)で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。『泣きながら、呼んだ人』(小学館)が盛岡のさわや書店が主催する「さわベス」1位を獲得。2011年に刊行した『嫁の遺言』(講談社)が多くの書店員の熱い支持を受けベストセラーに。その他に『蛇の道行』(講談社)、『四月一日亭ものがたり』(ポプラ社)、『ひかげ旅館へいらっしゃい』(早川書房)、『ごめん。』(集英社)など。昨年刊行した『カスタード』(実業之日本社)は奇跡と癒しの物語として多くの読者を勇気づけ、本作はその続編にあたる。不器用だけど温かな人情あふれる物語には、幅広い世代にファンが多い。

「2022年 『ロータス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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