- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087712087
感想・レビュー・書評
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もーほんとうにすごくよかった!!
時代小説苦手な人でも大丈夫です。
日本史分からなくても平気です。
ファンタジー的な部分もありましたが、それを補って余りあるほどの
エネルギーが感じられました。
登場人物からも、文章からも。
これが若さなのかなあ。
時代小説もいいな、と思わせてくれた一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
勢いがいい。有名人もうまく使ってクライマックスへの盛り上がりまで走る
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時は、安土桃山時代。
幼少期よりスリで生計を立ててきた「藤次郎」。(三味線)
笛職人の家に生まれたが、演奏のほうをやりたくて家出した「小平太」。(笛)
歩き巫女であった母に捨てられ、旅芸人一座に育てられた「ちほ」。(踊り)
アフリカより奴隷として連れてこられ、一時期は信長の従者もしていた弥介。(太鼓)
ひょんなことから出会った4人は、一座を組み、型破りな芸風――まるで、現代のロックバンドのような――で、民衆の心をつかんでいく。
しかし、豊臣政権のもと、芸事への取り締まりは厳しくなり……。
著者のデビュー作らしく、設定も文体もどこか荒々しさが残るが、主人公たちの型破りな芸風と相まって、勢いで読ませる印象。
疾走感のある展開で、純粋に芸事を極めたい主人公たちの欲望、権力闘争に巻きこまれた者の悲哀、自由を求める民衆の思いなどが、エネルギッシュに描かれる。 -
これが時代小説なのか?
フィクションではあるのだろうが、この時代の世相、庶民の苦しみ、叫びが、音楽にビートに、心からの踊りに、共鳴し、いいようのない感度を与える。
歴史に残る有名な武将達の歴史の影に埋もれている大衆達の叫びというものがあるなら、少しは汲み取れたのかもしれない。 -
信長が本能寺で殺された日に、伝令に放たれたのは弥助、アフリカから奴隷として売られ、バテレンに信長のごきげん取りに連れてこられた黒人だった。
そんな彼と、出雲のお国に惹かれ他ダンサー、ちほ。
新しい音楽に三味線を改良してビートをきかせた藤次郎。
笛作りの職人から笛吹になったのは小平太。
この4人が繰り広げる音楽の冒険。
時代は、秀吉が老いて、三成らから関白の座を剥奪され殺された関白、秀次。そしてその妻らの後世に残る惨殺の河原。
混乱を極める時代に、自由な気運が音楽と踊りで花開く。 -
安土桃山時代。
朝鮮出兵の本営で催された能興行で見事な舞を見せたちほは秀吉から喝采を受ける。
同じ頃、都の芸能の中心地である五條河原で天下一の三味線弾きを目指す藤次郎は出雲のお国一座の笛役者・小平太と出会う。
自由な一座を作ろうと座員探しを始めた二人は元奴隷の黒人・弥介、ちほを仲間に加え、四人で一座を結成、諸国巡業へ。
再び都に戻りちほの踊りと型破りな演奏、反体制的な言動で評判を集める。
一方、民衆の支配強化をもくろむ石田三成は河原芸人たちに圧力を加える。
藤次郎の一座も河原を追われるが、かねてから一座に興味を抱いていた秀次の庇護を受ける。
しかし、秀次は失脚、秀次の妻子30余名の処刑が三条河原で行われる。
秀吉の残虐性を告発するかのように舞うちほ、藤次郎たちの演奏に触発された群集が暴徒と化し刑場は大混乱に。
一座は、三成が放った豊臣の軍勢に追い詰められるが・・・。 -
978-4-08-771208-7 312p 2008・1・10 1刷
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最初、少しテンポが遅い気がしたが、主人公たち4人がメンバーを組むあたりから秀次登場あたりから一気に進む
豊臣政権末期の問題点をあぶり出しているか
桃山時代にこのような人々がいたと思うだけで楽しい。
出雲のお国と信長の国人の従者が何故かいい -
素晴らしい快作!一気読みせずにはいられない魅力とエネルギーを持った超パワフルな作品。この本と出会えてよかった。
出雲のお国の舞台をきっかけに始まる4人の物語。いわゆるサクセスストーリーとしては定石通りの展開ではあるのだろうが、それを上回る登場人物の熱い情熱が伝わってくる。何気なく放り込まれるユーモアセンスもかなりのもの。さほど長くない物語にも関わらず、人と人とのつながりがきちんと描かれ、処刑場のクライマックスには涙した。どのキャラも魅力的だけれど、やはりちほの設定は大当たり。見事なカリスマぶりであった。歴史の1ページには、きっとこんな物語もあったに違いない。激動の時代に己の道を求め続ける4人の未来に幸あれ、と願う。 -
20121015読了
#音楽