パリの詐欺師たち

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 47
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712148

作品紹介・あらすじ

離婚成立-学校から前借りをして先生が出かけた先はパリ。そこに出現した希代の食通…だが、この男少し怪しい。まとわりつく男から先生は逃れられるか(『パリの詐欺師たち』)。蛙嫌いと蛙大好きの二人。博物学的好奇心と食欲と飲欲に、歴史の記憶が絡む台湾の旅(『蛙恐怖症』)。パリ、台湾-愉快な旅小説二編。

感想・レビュー・書評

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  • 作者の分身である奥山先生が、パリと台湾に長期滞在している時のエピソード。パリでは到着早々旅行会社の不手際でホテルを追い出され、転がり込んだアパートでは、口八丁の日本人に振り回される。台湾では、本人が毛嫌いする爬虫類を愛する弟子との珍道中。いずれの長旅も、美味しいものやお酒、文学、歴史的事実にさりげなく触れつつ、深掘せず軽い接点にとどめている。何とも罪のない、軽い小説で旅先に持っていって、読んで、そのまま捨てても、怒られないで済むような一冊。

  • 奥本さんの本はいい、「楽しき熱帯」 や 「虫の宇宙」 は楽しかった。何故今頃刊行されたのか、小説なのか日記なのかわかりませんが、本文にも出てくる、内田百閒のようでもあり、虚実ないまぜになっていて、結構それが面白いです。
    アラン・デュカス、ロエル・ロブション、ピエール・ガニエール、辻静雄先生まで出てきますし、「玩物喪志」 とか 「彫心鏤骨」 なんて難しい四文字熟語も出てきます。
    珍しい本も沢山出てきます。鹿野忠雄の 『山と雲と蛮人と』 はよかったけれど、もしかしたら、あれは奥本先生の薦めだったか...

    フランス語に関して、

    日本語という下駄で思うように歩けないのでフランス語という靴に履きかえようとする。...言葉というものは履き物でも乗り物でもなく、人間の肉体そのものなのである。」

    とするどい指摘もあれば、

    「...男の子供は三種類に分けられるんですよ。一は生き物好き、二は機械、天文好き、残った三が、具体的な物なんか好きじゃなくて、政治思想を翫ぶんですよ。これを玩志喪物と言います」

    これは私のこと(-_-;)

  • 主人公を奥山先生に仕立て、小説とはいえ限りなく自伝小説のようだ。パリと台湾への旅行経験をもとに、そこで係わった胡散臭い連中との掛け合いが物語として描かれる。

  • 『パリの詐欺師たち』
    奥山先生が過ごすパリでの休暇。
    文学や食や虫についてなど途中までは面白かったのに、自慢たれの平田に偶然会ってしまってからは平田への苛立ちが邪魔してまともに読めない。
    しかも平田の自慢話のほとんどが嘘だと発覚する。
    アパートに転がり込んできた平田に呆れながら見捨てない先生の懐が深い。

    『蛙恐怖症』
    先生と意地知君の台湾の旅。
    こっちは腹の立つ平田が登場しなかったので穏やかに読めた。

    歴史や虫やフランス文学についてかなり詳しく書いてあるので気になってたら作者はフランス文学科教授で日本昆虫教会の会長だった。趣味まるごとってかんじ。

  • 楽しく読ませてもらいました。

  • パリ、台湾を舞台とした旅小説。いまいち話を読みきれなかった。

  • 文章が面白かった。

  • <パリの詐欺師たち>
    奥山先生のパリ滞在記。前半はのんびりとした、読者としては退屈な話。後半、平田の登場で彼の口車のように話がくるくる回りだす。平田のような人物は、遠くで見ている分には面白いが、自分の周りにはいて欲しくないと思った。

    <蛙恐怖症>
    奥山先生と意地知邁進君の台湾滞在記。読めない地名が多かった。台湾について全く知識がなかったので、ちょっと知りたくなった。全体的にまったりとした感じで、あまり印象に残らない。

  • 図書館で手に取った本。
    最初の何十ページか読んで、あまりのおもしろくなさに本を閉じてしまいました。
    もう少し辛抱してたらおもしろくなったのかな…。
    今の私には合わなかったな。

  • t

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著者プロフィール

奥本 大三郎(おくもと だいさぶろう)
フランス文学者、随筆家。昭和19年(1944)大阪生。
東京大学文学部仏文学科卒、同大学院修了。
埼玉大学教授、大阪芸術大学教授などを歴任、埼玉大学名誉教授。
1991年より2010年まで日本昆虫協会会長。
現在NPO日本アンリ・ファーブル会理事長、ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」館長。
著書に『虫の宇宙誌』(読売文学賞)、『楽しき熱帯』(サントリー学芸賞)、
訳書に『完訳版 ファーブル昆虫記』(全10巻)など多数。

「2022年 『スリナム産昆虫変態図譜1726年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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